証書貸付とは、金融機関と金銭消費貸借契約を結んで融資を受ける方法です。融資手続きとして最も一般的に利用されています。

• メリット
  最も一般的な手続きのため、銀行での手続きがスムーズに進みます。金利の支払いは元金の返済と同時に行うため、毎月返済する場合は、金利負担も毎月の返済分に分散されることになり、月々の支払い負担が楽になります。
• デメリット
  証書貸付は、他の貸付手続きに比べ時間がかかる傾向にあります。また手形貸付と比べて印紙代が高く負担が増します。

当座貸越は、あらかじめ契約した一定の限度額および期間の範囲内であれば、必要な時に資金調達ができ、定期的な返済が不要です。資金に余剰がある時に返済することができるため、利便性が高いです。なお、金融機関により当座貸越契約の内容は異なります。

• メリット
  証書貸付では、融資実行までに一般的に1カ月くらいの時間を要しますが、当座貸越では、必要な時にすぐ資金調達ができ、また、売掛金を回収した際など資金に余剰がある時に返済ができるので、資金繰りが安定します。
• デメリット
  当座貸越の利用は難易度が高いです。金融機関により審査方法は異なりますが、審査はもちろんのこと、設定する極度額（当座貸越枠）によっては、不動産または預金担保設定や代表者個人の連帯保証が求められることもあります。また、当座貸越枠には期限が設定されています。一般的には1年間ごとに更新することとなります。しかしながら、急激な業績悪化等の影響により更新されないこともありますので、頼りすぎには注意が必要です。

手形割引とは、手形交換の依頼を受けた金融機関が、約束手形を引き取る代わりにお金を受け取ることができる制度です。取引の対価として受け取った約束手形を、支払期日前に現金化することができます。割引料という手数料を支払いますが、本来であれば数カ月先の支払期日に行われる約束手形の現金化を、手形割引を利用することで早めることができます。

• メリット
  手形割引は、資金化のスピードが早く、割引料も手形割引実行から手形支払期日までの日数分で計算するため、利息負担が少ないです。
• デメリット
  手形だからといってすべての会社が発行した手形を割引できるわけではありません。手形割引を行う場合には、手形審査が重要となります。金融機関が資金回収するためには、割引した手形が期日に決済される必要性があります。よって、手形を支払う会社の信用力が重要視されます。また、手形が不渡りとなって手形支払人から回収できなかった場合、金融機関は手形割引を依頼した人に手形を買戻しさせることで資金を回収します。このため、手形の買戻しを受けられる能力があるかどうかも審査の大事なポイントになります。

融資形式の種類やメリット・デメリットについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 金融機関から受ける融資は用途により使い分けることが大切です。 ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。