【5分で分かる!】会社設立時に必要な印鑑は3種類|印鑑完全ガイド

「会社設立のときは、どんな印鑑を作ればいいんだろう?」
「会社を設立するために、必要な印鑑が分からない…」

と、お悩みではありませんか?

結論から申し上げると会社を設立するだけなら、印鑑は不要です。
オンラインで登記申請するなら、会社の印鑑は任意登録となっているため、会社の印鑑を用意する必要はありません。

しかし、実際には取引や契約など、会社設立以外のさまざまなシーンで印鑑を求められることが多いので、次の3つの印鑑は準備しておくのがいいでしょう。

・会社代表印(会社実印)
・会社銀行印
・発起人・代表取締役の個人実印

この記事では、会社設立のときに用意しておいたほうがいい印鑑についてくわしく解説するとともに、間違いのない印鑑の選び方や、印鑑登録をすべき理由などについて、下記の順で解説します。

【本記事で分かること】
1. 会社設立で用意した方がいい3つの印鑑
2. 印鑑選びのポイント3点
3. 会社設立前には印鑑登録をしておこう
4. 印鑑証明書の取得方法
5. すべてそろったら法務局で登記申請しよう
6. よくある質問

この記事を最後まで読めば、会社設立に必要な印鑑の種類を理解でき、どんな印鑑を買えばよいか分かり、会社設立の準備として印鑑登録ができるようになります。

ぜひ最後まで読んで、会社設立の準備をしっかり整えてくださいね。

1. 会社設立で用意した方がいい3つの印鑑

会社設立のときに作るべき印鑑は、次の3つです。

1. 会社代表印(会社実印)
2. 会社銀行印
3. 発起人(出資者)・代表取締役の個人実印

この3つがあれば、会社での事業活動がスムーズにできます。
では、それぞれどのようなシーンで活用するのか、具体的に解説していきます。

1-1.会社代表印(会社実印)

会社を設立するときは、会社代表印(会社実印)が必要になります。
会社設立時以外にも、契約や定款など、さまざまなシーンで会社代表印を求められるからです。

実際、Sansan株式会社による「企業の契約業務に関する実態調査(2022年)」によると、現在も9割の人が書類に印鑑を押している、という結果になっています。
今、会社設立を考えている人は、会社代表印を作っておいた方がいいと言えるでしょう。

会社設立以外に会社代表印が使われるシーンの例
・取引、契約
・会社の証明(印鑑登録)
・許認可を受けるとき
・代理人が申請するとき など

会社代表印は、これまでも日本で会社設立をする際に必要とされていた印鑑です。
オンライン手続きが普及した現代でも、契約や認証を受ける際をはじめ、活躍するシーンは多いです。

また、会社が実際に存在している証明として、会社代表印の印鑑証明書が利用されています
そのため日本では、会社設立の際にあらかじめ会社代表印の印鑑登録をしておくことが多いのです。

このように、会社代表印は今でもよく使われる印鑑なので、会社設立の際にあわせて作っておくのがいいでしょう。

1-2.会社銀行印

会社設立をするときは、会社銀行印も必要になります。
銀行の法人口座を開設するときに必要になるほか、セキュリティの観点から会社代表印と分ける必要があるからです。

日本の多くの銀行では、現在でも法人口座を開設するのに印鑑が必要とされています。
※法人を設立する場合は個人口座ではなく法人口座が必須になります。

会社代表印をそのまま銀行印として登録することはできます。
ただし紛失や盗難などセキュリティ面を考慮し、会社代表印と銀行印は分けて準備するのが一般的です。

もし代表者印と銀行印を同じ印鑑で併用していた場合、契約からお金のやり取りまで、ひとつの印鑑でできてしまう、ということになります。
盗難や紛失の際には不正のリスクが高まるほか、届け出や、印鑑を変更する手続きも考えると、分けて管理しておくほうが安全です。

また、会社銀行印は、経理担当者など、会社の代表以外が使うケースも多いでしょう。

このように、会社代表印とは違う性質を持っているため、会社銀行印は別途用意するのが一般的です。

1-3.代表取締役と発起人(出資者)個人実印

会社設立をするときは、代表取締役と、発起人(出資者)の個人実印も必要です。
会社設立の登記申請や定款認証のときに、代表取締役や発起人の印鑑証明書を提出する必要があるからです。

会社を設立するときは、登記申請ばかりでなく、定款を作成して認証を受ける必要があります。
定款を作成した後は公証役場で認証が必要であり(株式会社の場合)、そのときに発起人全員の印鑑証明書を提出することになっています。
これは、書面定款だけでなく電子定款の場合でも必要です。

会社設立をスムーズに完了させるために、あらかじめ代表取締役や発起人の実印を用意しておくのがいいでしょう。

定款 会社の原則や規則を記したもの。
登記申請の時に提出するほか、銀行で法人口座を開設するときや、政府や自治体へ助成金を申請する時などに使われる。
本店所在地の公証役場で認証が必要。
発起人 株式会社の設立を提案・企画する人のこと。
資本金の出資者でもあり、株式会社設立後は株主となる。

2. 印鑑選びのポイント3点

2. 印鑑選びのポイント3点

会社設立に必要となる3つの印鑑について解説しました。

続いては、登記申請や銀行口座開設などがスムーズに進むよう、会社設立に適した印鑑の選び方を解説します。
次の3つのポイントに注目しますので、ぜひ印鑑選びの参考にしてください。

1. サイズ
2. 書体
3. 素材

それでは、さっそく解説していきます。

2-1. サイズ

会社設立のために印鑑を作るときは、サイズに注意してください。
印鑑登録できる印鑑は、サイズが規定されているからです。

会社設立で必要になる印鑑のサイズ
種 類 規 定 サイズの目安
会社代表印 辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるもの
(法務局の印鑑届書に規定)
18mm
会社銀行印 なし 16.5mm
代表取締役・発起人の個人実印 8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形に収まるもの
(地方自治体により規定が異なる)
13.5mmや15mm

法務局の印鑑届書には会社代表印のサイズが示されています。
一般的には、直径18mmの印鑑が使用されることが多いです。

会社銀行印には、特に規定はありません。
会社代表印と区別がつきやすいように、会社銀行印の方を少し小さめに作るのが一般的です。

個人実印は、印鑑登録をするため、規定のサイズに収まるものを作りましょう。
地方自治体により規定は異なりますが、13.5mmや15mmのものがよく使われています。

このように、それぞれの印鑑でサイズが違うことに注意し、適切な印鑑を選んでください。

2-2.書体

会社設立に必要となる印鑑の書体は、篆書体もしくは吉相体を選びましょう。
セキュリティ性や実用性を考えると、篆書体か吉相体が最適だからです。

会社設立で必要になる印鑑の書体
書 体 特 長 用 途
篆書体 読みにくく偽造されにくい書体
古代から用いられている
会社代表印、会社銀行印
吉相体 篆書体を元に、さらに読みにくく偽造されにくくした書体
スキマが少なく、朱肉をつけすぎるとにじみやすい
会社代表印、会社銀行印、個人実印

篆書体(てんしょたい)は、日本のお札に押されている印鑑の書体で、読みにくく偽造されにくい書体になっています。

吉相体(きっそうたい)は、篆書体よりも読みにくくなった書体で、印影にスキマが少なく、より偽造されにくくなっています。
ただしスキマが少ないため、朱肉をつけすぎるとにじんでしまい、判読が難しくなることもあります。

文字数の多い社名の場合は篆書体を選び、文字数が少ない場合や個人実印、カタカナが多い場合などは吉相体を選ぶのがいいでしょう。

もしどちらがいいか迷ったら、印鑑業者に依頼すれば、印影のイメージを見積もりしてもらうことができます。
イメージを見てから判断するといいでしょう。

印鑑の書体は、セキュリティ性や使い勝手から、ふさわしいものを選択しましょう。

2-3.素材

会社設立で必要になる印鑑の素材は、チタンや水牛がいいでしょう。
破損しにくく丈夫なため、一度作ったら変更せず長く使えるからです。

会社設立で必要になる印鑑の素材
素 材 特 長 用 途
チタン 摩擦に強く、腐食しにくく、耐水性・耐火性も高い 会社代表印、会社銀行印
水 牛 水牛のツノを使用した素材で、古代より用いられている
黒くてツヤがあり、威厳のある美しさが人気
会社代表印、会社銀行印、個人実印
彩 樺 天然木と樹脂を高圧過熱処理した素材
木目を生しながら耐久性が高い
会社代表印、会社銀行印、個人実印

会社の代表印や銀行印は、社内だけで使うものではありません。
法務局や地方自治体に届け出たり、銀行に登録したりするため、もし破損した場合、変更手続きをする必要があります。

したがって、できるだけ破損しにくく、丈夫で長く使える素材を選ぶのがいいでしょう。
もっとも丈夫なのはチタン製のものですが、古くから人気のある水牛も耐久性が高いです。

近年では彩樺(さいか)と呼ばれる素材も人気を集めています。
一般的な木材よりも耐久性に優れており、伸縮やひび割れが少ないことから、環境に優しいエコ素材として選ばれるようになってきました。

会社設立で必要になる印鑑は、できるだけ破損しにくく丈夫な素材を選ぶといいでしょう。

※そのほかのよく使う印鑑
会社設立後、実際に業務が始まると次のような印鑑を使うことがあります。
必要に応じて作成するといいでしょう。
ゴム印
会社名や住所を記したゴム印。郵便物の差出人欄に押すときに使われる。
角印
四角い印影の印鑑。請求書、領収書ほか日常的な業務によく使われ、正式な文書を示す。
各部署・各店舗に複製されることも多い。

3.会社設立前には印鑑を登録しておこう

3.会社設立前には印鑑を登録しておこう

会社設立のためにはどんな印鑑を準備すればよいか、理解できたと思います。

続いては、会社設立をするために、あらかじめ必要となる印鑑登録について解説しましょう。

会社設立時を始め、日々の業務や取引など、色々な場面で「印鑑証明書」の提出を求められます。
印鑑証明書をいつでも発行できる状態にしておくために、印鑑登録をしておきましょう。

印鑑登録の流れは、次のような3STEPになっています。

STEP1 印鑑を用意する
STEP2 地方自治体に代表取締役・発起人の印鑑を登録する
STEP3 法務局に会社代表印を登録する

それでは、さっそく解説していきます。

STEP1 印鑑を用意する

まずは印鑑を用意します。
第1~2章の内容を参考に、印鑑を作ってください。

お近くのハンコ屋さんや、ネット通販など、どこで購入しても構いません。
自分が信頼できるお店を選ぶのがいいでしょう。

早ければ数日で完成し、注文から一週間以内に実物を受け取ることができます。

会社銀行印は印鑑登録をしませんが、会社代表印とあわせて同時に購入することが多いです。

代表取締役や発起人の個人実印は、既に持っている印鑑と併用しても構いません。
既に持っている印鑑と分けたい場合は、会社代表印と一緒に新しい印鑑を注文するのがいいでしょう。

STEP2 地方自治体に個人実印の印鑑を登録する

印鑑の準備ができたら、印鑑登録の手続きに移ります。
まずは地方自治体に、代表取締役や発起人の個人実印を登録しましょう。

個人実印の印鑑登録手順
住んでいる地方自治体の役所へ行く
②「印鑑登録申請書」に必要事項を記入する(住所、氏名など)
③印鑑登録申請書・登録する印鑑・本人確認書類を提示
④その場で「印鑑登録証」を受け取る
個人実印の印鑑証明書を発行しておく

会社代表印を登録するためには、あらかじめ登録者個人の印鑑証明が必要です。
個人の実印は、住んでいる地方自治体の役所で登録ができます。

印鑑登録の窓口へ行って

・印鑑登録申請書
・登録する印鑑
・本人確認書類(官公庁発行の写真付きのもの。運転免許証、マイナンバーカードほか)

を提出しましょう。

数分で印鑑登録が完了し、「印鑑登録証」を受け取ります。
この印鑑登録証は、「印鑑証明書」を発行する際に使うものなので、大事に保管してください。

もし自家用車を保有している人は、その際に印鑑登録を済ませているため、既に印鑑登録証を持っていることが多いです。
その場合はこの手続きが不要になります。

個人実印の印鑑登録が済んだら、その日の内に印鑑証明書を発行しておきましょう
会社設立の登記申請、定款の認証など、さまざまなシーンで求められますので、予備も兼ねて3部ほど発行しておくと安心です。

STEP3 法務局に会社代表印を登録する

次に、法務局に会社代表印を登録します。

管轄の法務局へ直接行くか、オンラインでも登録が可能です。
会社の登記も法務局へ申請するため、登記申請と印鑑登録を同時に済ませることが多いです。

会社代表印の印鑑登録手順(直接法務局へ行く場合)
本店所在地の管轄となる法務局を調べて行く
②「印鑑届書」に必要事項を記入する
③印鑑届書・代表取締役の印鑑証明書を提出する
印鑑カードを発行する
会社代表印の印鑑登録手順(オンラインの場合)
①「印鑑届書」をダウンロードし、印刷する
②印鑑届書に必要事項を記入し、会社代表印を押印する
③印鑑届書をスキャンし、PDFデータ化する(600dpi程度)
④印鑑届書のデータに電子署名を付与する
⑤印鑑届書のデータを登記システムで送信する
印鑑カードを発行する

脱ハンコの動きが広がり、オンラインで印鑑登録や印鑑カード発行申請ができるようになってきました。
しかしオンライン申請をする場合には電子署名を付与する必要があり、印鑑カードも申請後、郵送で受け取る必要があります。

そのため、現在でも法務局へ直接行き、印鑑登録と印鑑カード発行、法人登記などをすべて同日に済ませてしまうのが主流です。
もし時間に余裕がある場合や、直接法務局へ行くのが手間だと感じる場合は、オンライン申請を試してみるといいでしょう。

法務局へ直接行く場合は、本店所在地の管轄となる法務局でなければなりません。
法務局の「管轄のご案内」を参考に、あらかじめ調べておきましょう。
【法務局 管轄のご案内】https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

電子署名 紙の書類で言う印鑑やサインにあたるもの。電子文書には直接手書きのサインや、印鑑押印ができないので、電子署名が必要とされる。
会社設立のオンライン登記申請や、印鑑証明書のオンライン請求など、オンラインでの手続きにも必要。
「法務省商業登記電子認証ソフト」などで取得できる。
印鑑カード 印鑑証明書を発行するために必須となるもの。
法務局へ行くなら、申し込んで数分で発行されるので、あわせて申し込んでおくのがいい。

4.印鑑証明書の取得方法(会社代表印)

4.印鑑証明書の取得方法(会社代表印)

会社代表印の印鑑証明書を取得するには、次の4種類の方法があります。

1. 法務局へ直接行く(窓口)
2. 証明書発行請求機
3. オンライン請求
4. 郵送請求

それではさっそく解説していきます。

4-1. 法務局へ直接行く(窓口)

まずは、法務局へ直接行き、窓口で印鑑証明書を取得する方法です。
もっとも早く、確実に印鑑証明書を取得できます。

「印鑑証明書交付申請書」に必要事項を記入し、「印鑑カード」と一緒に窓口に提示します。
このとき、発行手数料(450円)を窓口で支払います。

管轄の法務局である必要はなく、日本全国どの法務局へ行っても、印鑑証明書を取得することが可能です。

4-2. 証明書発行請求機

全国の法務局に設置してある「証明書発行請求機」を利用する方法です。
申請書の記入が不要なので、最も多く利用されています。

証明書発行請求機を利用した印鑑証明書の取得方法
証明書発行請求機に請求情報を入力する
印鑑カードを読み込む
③発行された整理番号を受け取る
④整理番号票に記載された金額の収入印紙を用意する
⑤名前が呼ばれたら、申請用紙を受領し、収入印紙を貼りつけて提出する
印鑑証明書を受け取る

証明書発行請求機は、印鑑証明書の発行請求を受け付ける機械です。
請求機から印鑑証明が発行されるわけではありません。

収入印紙を用意する際は、同じフロアに備え付けの収入印紙自動販売機や、高額の場合は印紙売場などを利用します。

印鑑カードを発行しているなら、証明書発行請求機を利用して印鑑証明書を取得するのがいいでしょう。

4-3. オンライン請求

オンラインで印鑑証明書の発行を請求し、郵送で受け取る方法です。
時間はかかりますが、法務局へ行く必要がないのが利点です。

印鑑証明書をオンライン請求する手順
申請用総合ソフトへログインする
②請求書様式へ必要事項を入力する
電子署名を付与する
④請求データを送信する
手数料を電子納付する

オンライン請求では、事前準備として「申請用総合ソフト」や「電子署名」が必要です。

申請用総合ソフト 印鑑証明書をオンライン請求するためのソフト。
会社設立のオンライン登記申請にも必要。
登記・供託オンライン申請システムからダウンロード&インストールしておく必要がある。

請求した印鑑証明書は、郵送で受け取るほか、法務局に直接行って受け取ることもできます。
その際は印鑑カードを持参すると、手続きが早く完了します。

このように、申請用総合ソフトや電子署名を用意できる方は、印鑑証明書をオンライン請求することができます。

4-4. 郵送請求

郵送で印鑑証明書の発行を請求する方法です。
法務局が遠い場合や、電子署名が用意できない場合、申請用総合ソフトを使えない場合などに利用できます。

印鑑証明書を郵送で請求する手順
「印鑑証明書交付申請書」を用意し、必要事項を記入する
②必要枚数分の収入印紙を用意し、申請書に貼り付ける
申請書・返信用封筒・印鑑カードを管轄の法務局へ書留郵送する

※注意点
・年末年始やお盆、GWなど連休シーズンは返送までに時間がかかる場合がある。
・自分で収入印紙を用意する必要がある。
・あらかじめ印鑑カードを発行しておく必要がある。
・返信用封筒には、返信先を記載のうえ、充分な切手を貼っておく。

印鑑証明書を郵送請求する場合は、必ず書留で送信し、到達が確認できる状態にしておきましょう。
印鑑証明書や印鑑カードなど、重要なものを郵送することになるからです。

返信用封筒にも、書留の分の郵便切手を貼ってください。

郵送請求の際に同封した印鑑カードは、印鑑証明書が郵送されてくるときに、一緒に同封されて返却されます。

法務局へ行けない場合や、オンライン請求が難しい場合は、郵送で印鑑証明書の発行を請求できます。

5.すべて揃ったら法務局へ登記に行こう

5.すべて揃ったら法務局へ登記に行こう

印鑑の準備や登録、印鑑証明書の発行ができれば、会社設立の登記申請ができます。

法務局へ行けば印鑑登録とまとめて手続きを行うことができますが、オンラインや郵送で請求した場合は、後日あらためて登記申請を行うことになるでしょう。

現在はオンラインでも登記申請ができます。
自分に合った方法で登記申請をしてくださいね。

6. よくある質問

6. よくある質問

最後に、会社設立で必要になる印鑑に関するよくある質問を紹介します。
参考にしてください。

Q1 会社の印鑑や印鑑カードを紛失した場合は?
会社代表印や印鑑カードを紛失した場合は、できるだけ速やかに「改印届書」を提出し、新しい印鑑に変更する手続きを行いましょう。

数日以内に印鑑を用意できない場合は「印鑑・印鑑カード廃止届書」を提出し、不正を防ぎましょう。

Q2 会社の印鑑の購入費は経費にできる?
できます。
会社設立前にかかった経費として「創立費」として処理できます。

Q3 個人事業主やフリーランスも専用の印鑑が必要?
個人事業主やフリーランスは、専用の印鑑は不要です。
ただし、プライベートと分けたい場合や、事業を今後拡大していきたいなどの場合は、あらかじめ専用の印鑑を用意しておくといいでしょう。

Q4 印鑑登録の書類に不備があった場合はどうなる?
当日に不備が見つかれば、その場で訂正ができます。
後日、不備が見つかった場合は、郵送で訂正するか、再度法務局へ行く必要があります。

7.会社設立準備が完了したらどこで法人口座を開設するかも決めておこう

7.会社設立準備が完了したらどこで法人口座を開設するかも決めておこう

会社を設立するタイミングで必須となる手続きに、法人口座の開設があります。
今まで個人事業主だった方も、全く新規で事業を起こす方も、これから商売をしていくうえで、法人名義の口座が必要になるからです。

もし法人口座を用意しないと、個人的な利用との区別や管理が難しくなるほか、不正を疑われる可能性も高まってしまいます。

では、どこで法人口座を開設すればよいのでしょうか。

まずは、信頼性の高い、メガバンクや地元の地銀を考えると思います。
しかし店舗のある銀行は審査が厳しく、必要書類が多いことから、開設までの負担が大きくなってしまいます。

そのため、法人用の銀行口座を開設するときは、ネット銀行を利用するのがいいでしょう。
ネット銀行は、手続きや審査がスピーディーで、忙しい会社設立時の負担を緩和してくれるからです。

店舗型銀行とネット銀行の違い
店舗型銀行
(都市銀行や地方銀行、信用金庫等)
  ネット銀行
比較的高い 信頼性 普 通
100万~数億円以上 融資規模 50万~3,000万円程度
1週間以上 開設スピード 数 日
必要な場合が多い 印 鑑 不要の場合もある
1件1,000円以上になることも 振込手数料 1件あたり150円程度
年間2,000円前後 口座管理費 無 料
原則平日9~15時 受付時間 24時間365日
有 人 対 応 ネット受付のみ
あり 店 舗 なし
※この表の「店舗型銀行」は、みずほ銀行を例に作成しています。

会社を設立する時は、印鑑を購入したり、法務局へ何度も行ったりと、やることが多くてとても忙しくなります
少しでも余裕を持ちたいなら、インターネットでいつでも好きなときに手続きができるネット銀行がおすすめです。

実際に、帝国データバンクの「全国企業メインバンク動向調査(2022年)」によると、創業5年未満の企業は、ネット銀行との取引率が5割近くにのぼっています。
メインバンクをネット銀行にしている企業は、全体の25%という結果になるなど、ネット銀行の利便性が注目されていることが分かります。

8.創業期の法人口座はGMOあおぞらネット銀行がおすすめ

ネット銀行の中でも、GMOあおぞらネット銀行は特に創業期やスタートアップ企業に人気が高いです。
その理由をくわしく解説します。

8-1. 業界最安値水準の振込手数料145円!!創業期に嬉しいコストカットが可能

GMOあおぞらネット銀行は、ネット銀行の中でも振込手数料がかなり安く、創業期のコストカットに最適です。同行宛ての振込手数料が無料になるほか、 他行宛てでも145円/件と、業界最安値水準です。
(※2023年12月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。)

手数料の比較
GMOあおぞらネット銀行   他ネット銀行
無料 同行宛て 無料
振込金額にかかわらず一律145円
(月額500円で129円のプランも)
他行宛て 145円~270円
20回/月
諸条件あり(※1)
振込無料回数 5回~20回/月
※諸条件あり
110円 ATM利用時の
入金手数料
0~275円
110円 ATM利用時の
出金手数料
220~275円
※1 設立1年未満のお客さまは設立月から最大12ヵ月間月20回無料、設立1年以上のお客さまは口座開設月の翌々月まで月20回無料

また、振込件数が多い方には、月額500円の利用料で、振込手数料がすべて129円になるプランもあります。

GMOあおぞらネット銀行は振込手数料が安いので、会社設立をする方には特におすすめです。

8-2. 条件を満たせば最短即日口座開設も可能

GMOあおぞらネット銀行は、最短で申込日当日に開設することも可能(※1)です。
(※1 (1)取引責任者さまと代表者さまが同一の場合(2)自撮り動画(セルフィー)で本人確認を行う場合)

自宅からオンラインで申込が完結し、必要書類もアップロード提出でオンライン完結。
後日、郵送物を受け取れば、その日から口座が利用できます。

口座開設の比較
GMOあおぞらネット銀行   他ネット銀行
アップロード
(原則オンライン完結可能)
必要書類の提出方法 書類アップロードまたは一部郵送対応
自撮り動画(セルフィー動画)で提出または書類アップロード 本人確認 書類アップロードまたは一部郵送対応
(一部自撮り動画(セルフィー)で提出も可能)
最短即日~1週間程度 申込~開設までの日数 最短翌営業日~10日程度

他のネット銀行は、書類を郵送で提出しなければならないところもあり、、手間がかかったり、口座開設までに時間がかかったりします。

法人口座開設には、手間が少なく、スピーディーに完結できるGMOあおぞらネット銀行がおすすめです。

8-3. もちろん24時間365日振込対応可能

GMOあおぞらネット銀行は、24時間365日(※1)振込に対応しており、15時過ぎに振込手続きをしても、当日の振込扱い(※2)になります。
※1システムメンテナンス時を除く
※2都度振込の場合、また、着金のタイミングは相手先銀行による

会社の創業期は資金管理が重要です。
特に、売上が伸びたり、成長すればするほど、大きな資金が必要になり、効率よく資金を回転させる仕組が必須となります。

そのため、ギリギリまで振込に対応できるGMOあおぞらネット銀行は、創業期に最適なのです。

8-4. ほかにもこんなに嬉しい機能がたくさん

GMOあおぞら銀行は、ほかにもたくさんのメリットがあります。

・Pay-easy (ペイジー)に対応しているので起業後に発生する税金や社会保険料のお支払いにも対応。ダイレクト納付に対応しているのはGMOあおぞらネット銀行だけ!
・主要会計ソフトと無料で連携可能。起業後の経理業務を軽減
・創業融資の融資金返済の口座振替にも対応
・取引に応じて8種類のセキュリティで万全
・初めてでも直感的で操作しやすい画面構成

起業後に必ず支払いが発生する税金や社会保険料のお支払いに、ネット銀行は対応していないところが多いですが、GMOあおぞらネット銀行ならPay-easy (ペイジー)に対応しているので、税金や社会保険料の支払いにも対応可能。またネット銀行初「ダイレクト納付」にも対応しております。
詳しくはこちら:ネット銀行初「Pay-easy(ペイジー)」ダイレクト納付に対応!地方税の共通納税も対応開始し、一層便利に

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まとめ

この記事では、会社設立で必要となる印鑑について、くわしく解説しました。
最後に記事の内容をおさらいしましょう。

まず、会社設立時に用意すべき印鑑は、次の3種類の印鑑です。

・会社代表印(会社実印)
・会社銀行印
・発起人・代表取締役の個人実印

そして、この3種類の印鑑について、特長や使い方を紹介しました。

会社代表印 定款を作る際や、契約・取引、会社の証明をする際に必要

会社銀行印 銀行の法人口座開設に必要
会社代表印と分けて作ることで、不正や盗難・紛失などのリスクを限定することができる

発起人・代表取締役の個人実印 会社設立の登記申請、定款認証の際に、発起人や代表取締役の印鑑証明書を求められるため、必要電子定款でも必ず使う

これから印鑑を用意する方のために、印鑑の選び方も解説しています。

会社設立で必要になる印鑑のサイズ
会社代表印 辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるもの。
直径18mm程度
会社銀行印 特に規定はない。会社代表印より一回り小さいもの。
直径16.5mm程度
発起人・代表取締役の個人実印 8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形に収まるもの。
直径13.5mmや15mm
会社設立で必要になる印鑑の書体
篆書体 読みにくく偽造されにくい 会社代表印、会社銀行印
吉相体 篆書体をさらに読みにくく偽造されにくくした書体
スキマが少なく、朱肉をつけすぎるとにじみやすい
会社代表印、会社銀行印、個人実印

吉相体の方がセキュリティ性は高いですが、字数や画数が多いと、にじみやすく判別が難しくなってしまいます。
画数が多い社名の場合は篆書体を選び、迷ったときは印鑑業者に相談しましょう。

会社設立で必要になる印鑑の素材
素 材 特 長 用 途
チタン もっとも丈夫な素材 会社代表印、会社銀行印
水 牛 水牛のツノを使用した素材 会社代表印、会社銀行印、個人実印
彩 樺 天然木と樹脂を高圧過熱処理した素材 会社代表印、会社銀行印、個人実印

会社設立で必要になる印鑑は、法務局や金融機関などに登録します。
できるだけ破損しにくく、丈夫で長く使える素材を選ぶことで、変更や届出の手間を減らすのにつながります。

印鑑の準備ができたら、それぞれ「印鑑登録」を行います。
業務や取引、登録などで印鑑証明書が必要になるので、あらかじめ印鑑登録をしておくのが一般的です。
印鑑登録をしたら、その場で「印鑑証明書」を発行しておきましょう。

印鑑登録の流れ
STEP1 印鑑を用意する
STEP2 地方自治体に個人実印の印鑑登録をする
STEP3 法務局に会社代表印の印鑑登録をする

会社代表印をオンラインで印鑑登録する際は、印鑑届出書を600dpi程度でPDFデータ化した後、「電子署名」を付与するなどの手続きが必要です。
もし難しい場合は管轄の法務局へ行って相談するのがいいでしょう。

印環登録が済んだら、必ず印鑑証明書を発行します。
この記事では、会社代表印の印鑑証明書の発行方法を4つ紹介しました。

会社代表印の印鑑証明書発行方法4つ
法務局の窓口 法務局へ直接行って「印鑑証明書交付申請書」「印鑑カード」を提示する。
管轄の法務局でなくてもよい。
法務局の証明書発行請求機 印鑑証明書交付申請書を記入しなくてもいい。
請求機に請求情報を入力し、印鑑カードを読み込む。
オンライン 申請用総合ソフトへログインし、請求書様式に入力後、電子署名付与が必要。
郵 送 「印鑑証明書交付申請書」「収入印紙」「返信用封筒」「印鑑カード」を書留郵送する。

印鑑や印鑑証明書が準備できたら、法務局もしくはオンラインで会社設立をしましょう。

最後に、会社設立で必要になる印鑑について、よくある質問をまとめました。

会社設立で必要になる印鑑について よくある質問
会社の印鑑や印鑑カードを紛失したら?
「改印鑑届」を提出し、新しい印鑑に変更する。
すぐに新しい印鑑を用意できないときは、「印鑑・印鑑カード廃止届書」を提出して不正を防ぐ。
会社の印鑑の購入費は経費にできる?
「創立費」として処理できる。
個人事業主やフリーランスも専用の印鑑が必要?
不要。
プライベートと分けたい場合や、事業を拡大して行きたいときは、専用の印鑑を用意するといい。
印鑑登録の書類に不備があったら?
当日に不備が見つかればその場で訂正できる。
後日、不備が見つかったら、郵送で訂正するか、再度法務局へ行く。

この記事を最後まで読んでくださった方は、会社設立の際に必要になる印鑑や、その種類についてよく理解できたと思います。
また、印鑑登録をする理由や、印鑑証明書の取得方法などについてもよく理解できたはずです。

この記事が、あなたが会社設立をスムーズに進めるための助けとなることを祈っています。

※ 本コラムは2023年12月20日現在の情報に基づいて執筆したものです。

※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です。

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