法人口座開設を断られる5つのケース|理由と対策&銀行の審査事情

「会社を設立したので法人口座を開設しようと思うが、口座開設の審査が厳しいと聞いた。審査に通るためにはどうすればいいのか。」
「個人口座を作る感覚で法人口座を申し込んだら、法人口座の開設ができず、びっくりした。」

ビジネスに欠かせない法人口座ですが、開設には審査があるため、無事審査に通過できるかどうか不安ですよね。
具体的な審査基準については各銀行で公開していませんが、下記5つのいずれかに当てはまると、一般的に断られる可能性が高いでしょう。

法人口座の開設は、断られてしまうケースが多くあります
法人口座の開設審査では「どんな事業内容を行っているのか(行う予定なのか)」「本当に事業を行っているのか(行う予定なのか)」について、厳格なチェックがあります。事業内容や事業実態に疑わしい点があると、開設を断られてしまうのです。

法人口座開設を断られやすい5つのケース

法人口座開設で断られないようにするためには、まず上記に当てはまる項目を対策する必要があります。

いずれも難しい内容ではなく、事業活動にしっかり取り組んでいれば実践できることばかりです。

そして、銀行選びも重要です。ネット銀行は店舗型銀行(都市銀行や地方銀行、信用金庫等)よりも法人口座の開設審査が比較的柔軟といわれているので、会社を設立したばかりの創業期であれば、まずはネット銀行へ申し込んでみるのもおすすめです。

審査対策と銀行選び、この2つを適切に行うことで、法人口座開設を断られるリスクを低減することができるでしょう。

この記事で分かること
●法人口座開設の審査の状況&開設審査が厳しい理由
●法人口座開設を断られる5つのケース別の理由と対策
●法人口座開設の審査通過率を上げるポイント
●審査が比較的柔軟な銀行の選び方

本記事を読めば、法人口座開設の審査通過率を上げるためのポイントを理解し、実践できるようになります。

ぜひ、最後まで読んでくださいね。

目次

1.法人口座開設は断られるケースもあり!審査が厳しい理由

1.法人口座開設は断られるケースもあり!審査が厳しい理由

法人口座の開設は、断られてしまうことが珍しくありません。

実際どの程度断られているのか、審査がなぜ厳しいのかについて紹介していきます。

【法人口座の開設審査について】
1.法人口座開設は意外と断られている|口コミ調査結果
2.法人口座開設の審査が厳しい理由

1-1.法人口座開設は意外と断られている|口コミ調査結果

法人口座の開設は、断られるケースが多くあります。

実際に法人口座の申込をした人の口コミをまとめると、「申し込んだ銀行のうち、約半数の口座開設審査に落ちている」という状況でした。

1-2.法人口座開設の審査が厳しい理由

ではなぜ、法人口座の開設は断られてしまうケースが多いのでしょうか。

開設審査では、「事業内容」と「事業実態」について厳しくチェックします。その理由は下記2つです。

【法人口座の開設審査が厳しい理由】
1.法人口座が不正利用されることを防ぐため
2.会社が廃業してしまうおそれがあるため

銀行側の事情を知っておくことで、断られないためにはどうするべきかが、より理解しやすくなるでしょう。

1-2-1.法人口座が不正利用されることを防ぐため

審査が厳しいことの大きな理由は、法人口座が不正に利用されることを防ぐためです。

近年、振り込め詐欺をはじめ、還付金詐欺、フイッシング詐欺など、金融犯罪が横行しています。
また、銀行口座の売買、マネー・ロンダリング、口座の不正利用などいろいろなところで銀行口座が狙われております。

※マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金の送金を転々と繰り返し、出所や所有者を分からないようにする行為です。

法人名義の口座開設が厳しくなった理由は、口座がテロ等の犯罪資金のロンダリングに利用される恐れがあることが原因の1つです。
テロ資金供与を防止するための国際間合意であるTATF(Financial Action Task Force)をはじめ、世界規模で犯罪資金に対する規制が強化されております。

このような流れを受けて銀行口座を作成する際には、審査が厳重かつ、慎重に行われております。

1-2-2.会社が廃業してしまうおそれがあるため

もう1つ審査の背景として、会社が廃業してしまうおそれがある、という点も挙げられます。

銀行は、会社から得られる利用料や融資の利息で利益を得ています(ただし信用金庫は非営利法人)。そのため、銀行は自社のサービスを長く利用してもらえる会社と、良好な関係を築きたいと考えています。

中小企業庁によると、2020年の廃業率は3.3%です(出典:2022年版中小企業白書・小規模企業白書|中小企業庁)。設立してもすぐに廃業してしまう会社が多いので、銀行は慎重に経営状態と将来性を見極める必要があるのです。

また、会社が廃業してしまうと最悪の場合、法人口座が売買されて、犯罪に悪用されてしまう事態も考えられます。
会社が廃業せずとも廃業する恐れのある会社は会社ごと売買され、結果、口座を悪用されてしまうこともあります。

そのようなリスクを避けるためにも、会社の健全性が疑わしい場合、審査で断るようにしているのです。

2.法人口座開設を断られやすい5つのケース&対策

2.法人口座を複数持つメリット4つ

では、実際にどのようなケースだと法人口座開設が断られるのでしょうか。

本章以降では、法人口座開設が断られやすい、よくあるケースを5つ紹介していきます。

【法人口座開設を断られやすい5つのケース】

銀行は原則、審査に落ちた理由を教えてくれません。また、各銀行によって審査基準は異なります
しかし、一般的には上記のケースだと審査を通過しづらい傾向があります。

次章以降では、各ケースの具体的な審査落ちの理由と、対策について紹介していきます。

自社の状況と照らし合わせて、1つずつ解消するようにしていきましょう。

気になる項目を先に読みたい場合は、リンクから移動していただけます。

3.法人口座開設を断られるケース《1》事業の実績がない

3.法人口座開設を断られるケース《1》事業の実績がないつ

事業の実績がないことは、法人口座の開設を断られる要因のひとつです。

会社を設立したばかりで、個人事業主として活動していたわけでもなく、「これから1から事業を始める」という場合は、審査が厳しくなる傾向があります

その理由と対策について見ていきましょう。

3-1.断られる理由《1》本当に事業を行っているのか(行う予定なのか)が分からないから

事業の実績がないと、銀行はその会社が本当に事業を行うかどうかが分かりません。

「架空の会社が事業を行うフリをして、口座を悪用しようとしているのではないか」と疑い、審査で断られる可能性が高くなります。

実績があると、しっかり活動していることを証明できるので、一気に信頼性が増すでしょう。実績とは具体的に、取引先との契約書や請求書、または運営状況が分かるホームページなどです。

取引実績を証明できる書類がほとんどない状況だと、審査通過は厳しくなるでしょう。

3-2.断られる理由《2》会社の将来性が分からないから

また、事業の実績がないと、会社の将来性をはかることもできません。

銀行は、事業の実績で会社の経営状態を見ますが、その実績がないので判断が難しくなります。

3-3.対策《1》事業内容が分かる資料を作成する

事業の実績がない場合、できる対策としては、事業内容が分かる資料を作成して、銀行の担当者に本気度と将来性をアピールすることです。

「事業内容が分かる資料」とは、会社案内やパンフレット、企画書、プレゼン資料などが当てはまります。いずれもない場合は、事業計画書を作成しましょう。

資料は、事業の内容やサービスの魅力などが伝わるよう、具体的にかつ分かりやすいものを用意する必要があります。Wordでメモ書きしたようなものや、1、2枚程度の薄い内容では逆効果になりかねません。

作成方法については、「事業計画書の書き方」を参考にするのがおすすめです。事業計画書は、下記の項目を盛り込んで作成します。

【事業計画書の記載項目】
・商品やサービスの魅力と独自の価値
・事業コンセプト
・ビジネス戦略
・市場調査
・経営計画
など

詳細は、下記記事を参考にしてみてください。
GMO起業の窓口「事業計画書とは?わかりやすい書き方やテンプレート・作成ポイントをご紹介!」

3-4.対策《2》創業期の会社に積極的な銀行を選ぶ

事業の実績がない場合は、創業期の会社に積極的な銀行に開設申込をすれば、口座の開設ができる可能性が高まります。

法人口座を扱う銀行の中には、創業期の会社に柔軟な対応を取っている銀行も少なくありません。

創業期の会社でも比較的開設しやすい銀行は下記のとおりです。

【創業期の会社の法人口座開設に積極的な銀行】
・一部のメガバンク
・ネット銀行
・地域の信用金庫
など

設立して間もない会社なら、上記の銀行に申し込んでみてみるのもおすすめです。

3-5.対策《3》個人口座で実績を積んでから、再度法人口座の開設申込をする

どうしても法人口座を開設できない場合は、個人口座で事業実績を積んでから、再度法人口座の開設申込をするようにしましょう。

一度断られたところでも、再度申込することは可能です。

しかし、前回申し込んだ状況と何も変わっていなければ結果は同じことなので、しっかりと事業実績を証明できる書類が揃ってから、再チャレンジしましょう。

4.法人口座開設を断られるケース《2》事業内容や目的が分かりにくい

4.法人口座開設を断られるケース《2》事業内容や目的が分かりにくい

事業内容や目的が分かりにくいことも、法人口座の開設を断られる要因のひとつです。

銀行は、申込書または定款、登記事項証明書で事業内容や事業目的を確認します。その内容が分かりにくかったり、まとまりのない記述だったりすると、審査が厳しくなるでしょう。

その理由と対策について見ていきましょう。

4-1. 断られる理由《1》:事業を行うつもりがないと疑われるから

事業内容や目的がよく分からないと「事業を行うつもりがないのでは」と疑われます。

特に、事業目的を20種も30種も記載していると、どれを本業にして活動するのかが分からず、銀行にネガティブな印象を与えてしまうでしょう。

事業目的は、定款作成の時に設定するのが通常です。定款で設定している事業以外の売上は、雑収入として計上しなければいけないこともあります。
将来的な事業展開を見据えて、多めに設定してしまうケースが多いでしょう。それがかえって審査では不利に働いてしまうおそれがあります。

4-2.対策《1》:事業内容・目的を絞って、具体的に書く

申込書や事業計画書では、事業内容・目的をメインの事業に絞って、具体的に分かりやすく書くようにしましょう。

書き方については、3-3.対策《1》事業内容が分かる資料を作成するを参照してください。事業目的を複数書く場合は、多くとも5~10種までにとどめる方が印象が良いです。

そして、事業内容がよく分かるような資料(商品企画書や提案書など)も多めに準備しておきましょう。

5.法人口座開設を断られるケース《3》資本金が少ない

5.法人口座開設を断られるケース《3》資本金が少ない

資本金が少ないことも、法人口座の開設を断られる要因のひとつです。

業種によって最適な資本金の額は異なりますが、100万円に満たない場合は、審査が通りにくくなる傾向があります。

その理由と対策について見ていきましょう。

5-1. 断られる理由《1》事業を行う気がないと思われるから

資本金が少ないと、「事業を行う気がない」と見なされ、やはり架空会社だと疑われてしまいます。

今は法律上、1円から会社を設立することができますが、1円で行える事業は、ほぼありません。

そもそも資本金とは、会社が事業を行うために必要な原資という性質を持っており、客観的に見ると、
あまりにも少ない資本金だと会社としての健全な運営を行っていると判断されるのは難しいでしょう。

そのため、資本金が著しく少額であると、架空会社を立ち上げて法人口座を悪用するのではないかと、不審がられてしまうのです。

5-2. 断られる理由《2》債務超過に陥る可能性が高いから

資本金が少ないと、すぐに債務超過に陥るおそれがあります。

健全な経営が期待できず、口座開設には不適格と判断される可能性が高いでしょう。

5-3.対策:資本金の額を重視しない銀行を選ぶ

少額の資本金で会社を設立してしまった場合は、資本金の額を口座開設の審査で重視しない銀行を選ぶようにしましょう。

ネット銀行には、資本金の額を重視しないところがいくつかあります

例えば、GMOあおぞらネット銀行は、資本金の額のみで判断することはありません。
(詳細:創業手帳「GMOあおぞらネット銀行の担当者に聞いてみた「法人口座開設の審査のポイントとは?」

既に会社を設立してしまった後では、資本金の額は簡単に変えられません。資本金の額のみで判断をしない銀行を選ぶことが、法人口座を開設する近道といえるでしょう。

6.法人口座開設を断られるケース《4》代表者が信用性に欠ける

6.法人口座開設を断られるケース《4》代表者が信用性に欠ける

代表者が信用性に欠けることも、法人口座開設を断られる要因のひとつです。

具体的には、代表者の経歴が怪しかったり、これまでの職歴が会社の事業とまったく関係なかったりする場合です。

その理由と対策について紹介します。

6-1. 断られる理由《1》経歴詐称や架空会社を疑われるから

代表者の経歴に不審な点があると、「経歴詐称をしているのではないか」「何か後ろめたいことがあるのではないか」と怪しまれます。

また、代表者の経歴と事業内容が一致していないと、やはり「事業を行う気のない、架空の会社ではないか」と疑われてしまうでしょう。

銀行の担当者に、いまひとつ信用できない人物だと思われてしまえば、審査の通過が難しくなります。

6-2. 断られる理由《2》事業に関して素人だと、事業の将来性が見込めないから

代表者が会社の事業に関してまったくの素人である場合は、事業の将来性が見込めません。

取り扱う商品やサービスに関する知識や経験がないと、早々に事業が失敗に終わってしまうおそれがあります。

繰り返しになりますが、すぐに廃業する可能性が高いと判断されると、審査通過は厳しくなるでしょう。

6-3.対策:職務経歴書を用意する

補足資料として、代表者自身の職務経歴書を用意すれば、銀行の担当者の印象も良くなる場合もあります。

代表者がどのような人物であるかということも、審査の結果を左右する要素です。設立したばかりの創業期の会社は、代表者の能力や経験、人柄が業績に直結するからです。

職務経歴書を作成する際は、下記ポイントをおさえて、銀行から信頼を得られるようにアピールしましょう。

【職務経歴書のポイント】
・これまでどのような業務に携わり、どのような能力を培ってきたか
・これまで仕事でどのような成果を上げたか
・どのような経緯で今の事業を始めるに至ったか
・これまでの経験を今の事業にどう生かせるか
など
POINT!

代表者が過去に金融事故を起こしていたり、反社会的勢力と関わりを持っていたりする場合は厳しい!
代表者が過去に2カ月以上の滞納や自己破産、債務整理などの金融事故を起こしたことがある場合は、信用性が著しく低いとして、法人口座の開設は難しくなるでしょう。特に都市銀行などは、厳格に個人の信用情報を確認します。また、仮に法人口座を開設できても、融資を受ける場合、さらに難易度が上がります。
万が一、代表者が反社会的勢力と関わりを持っていたりする場合は、法人口座の開設はほぼ不可能です。

7.法人口座開設を断られるケース《5》登記した住所で事業を行っていない

7.法人口座開設を断られるケース《5》登記した住所で事業を行っていない

登記した住所で事業を行っていないと、法人口座開設を断られやすくなります。

具体的には、登記情報の住所と、申込書の住所または実際に事業を行っている場所が一致していないケースです。

その理由と対策について見ていきましょう。

7-1. 断られる理由:本当に事業を行っているか分からないから

登記した場所と現住所が不一致だと、本当に事業を行っているかが把握できません。住所を悪用するのでないかと疑われて、審査に通らないということになります。

バーチャルオフィスやレンタルオフィスを利用している場合は、開設不可の銀行もあるので注意が必要です。

一部の店舗型銀行(都市銀行や地方銀行、信用金庫等)だと、実際に担当者が確認のため訪れることもあります。

7-2.対策:銀行に事情を説明し、住所確認書類を提出する

登記された住所と異なる場合は、申込時に銀行に事情を説明しましょう。

大体の場合は、下記いずれかの住所確認書類を追加で提出すれば、認められやすくなります。

【住所確認書類の例】
・国税または地方税の領収書・納税証明書
・社会保険料の領収証
・公共料金の領収証
※いずれも「法人名」「法人の現住所」「領収日付」の3点が確認できるもの

現住所を支店登記すれば、上記の書類は不要です。しかし、支店登記には登録免許税6万円がかかるので、最終手段と考えましょう。

POINT!

要チェック!住所について、他にも断られやすい2つの原因
口座開設審査では、会社の実態を確認するため、住所は重要項目のひとつです。下記ポイントにも気をつけましょう。

◎過去に犯罪に使用されていたことがある住所である
理由:同一グループが別法人を作ったと疑われる

◎銀行から離れている(一部の店舗型銀行の場合)
理由:銀行は担当エリアが定められており、エリア外は対象外の場合もある(特に地方銀行や信用金庫等)

8.法人口座の審査通過率を上げるためのポイント5つ

8.法人口座の審査通過率を上げるためのポイント5つ

前章までに紹介した審査対策を実行するとともに、少しでも法人口座の審査通過率が上がるよう、下記のポイントもおさえておきましょう。

【法人口座の審査通過率を上げるためのポイント5つ】
1.審査内容を調べ、自社が通過できそうな銀行を選ぶ
2.書類の不備をなくす
3.Webサイトを作成する
4.複数の金融機関に申し込む
5.知人や税理士の紹介や、個人口座のツテを利用する

8-1.審査内容を調べ、自社が通過できそうな銀行を選ぶ

各銀行のWebサイトで審査内容を調べ、自社が通過できそうな銀行を選びましょう。

ほとんどの銀行は具体的な審査基準は公開していませんが、「口座申込できる条件」のような情報は一部掲載されています。

例えば、下記のような条件は、一部の金融機関にとっては必須ですが、審査に影響しないところも少なくありません

【一部の金融機関で必須の口座開設の条件】
・固定電話があること
・バーチャルオフィスを利用していないこと
・資本金の額が低すぎないこと
など

上記の中で会社が満たしていない項目がある場合は、該当項目が口座開設の条件ではない銀行を選ぶようにしましょう。

銀行選びについては、次章で紹介します。

8-2.書類の不備をなくす

口座開設に必要な書類は確実に用意しましょう。

必要書類の記載ミスや抜け漏れは、信頼性に欠けると見なされ、審査に悪影響を及ぼすことがあります。

必要書類を不備なく揃えるためには、法人口座を申し込む際にWebサイトでどのような書類が必要かを確認しておきましょう。

銀行によっては、本人確認書類だけで申請できるところもあれば、法務局から取得する「法人の印鑑証明書」「履歴事項全部証明書」や、税務署に提出済の「法人設立届出書」が必要なところもあります

設立からの経過時間によっては、これらの書類がまだ揃えられない状況の会社も多いでしょう。

必要書類の内容を確認して、問題なく揃えられそうな銀行を選ぶようにすべきです。

8-3.Webサイトを作成する

Webサイトがあると審査では好印象です(ECサイトでも可)。

Webサイトには会社や事業の情報、運営状況などが公開されているため、会社の実態を把握しやすいからです。

ほとんどの銀行では、申込フォームにWebサイトのURLを入力する欄があります。Webサイトがないことを理由に審査で落ちることはありませんが、あれば審査でプラスに働くでしょう。

ただし、コンテンツが充実しているWebサイトであることが重要です。

無料ブログで作成したものであったり、内容が粗末であったりすると、かえってネガティブな印象を与えかねません。

独自ドメインを取得して、しっかりと制作しましょう。定期的に更新されており、集客に活用していることが分かるとなお良いです。

8-4.複数の銀行に申し込む

各銀行によって審査基準は異なり、対応もさまざまです。

3~5行の銀行に申し込んでみて、どこかで口座開設ができればそれでOKですが、全滅した場合は会社に問題があると考えられます。一度会社の状態を見直し、改善してから再度申し込むようにしましょう。

8-5.知人や税理士の紹介や、個人口座のツテを利用する

なかなか審査に通らない場合は、知人や取引先の企業、顧問税理士などから銀行を紹介してもらうという方法もあります。

知人・法人が長く法人口座を利用している金融機関だと、信頼関係も構築できているはずです。その知人・法人からの紹介なら、銀行からも信用してもらいやすく、法人口座を開設できる可能性が高まるでしょう。

同様に、ビジネスのつきあいがある税理士がいるなら、提携している銀行を紹介してもらえないか相談してみましょう。

また、自身がメイン口座として長く利用している個人口座や、資本金の振込を行った個人口座の銀行に相談してみるのも有効な手段です。

個人としての取引実績も、審査で考慮してもらえる可能性があるでしょう。

9.ネット銀行&信用金庫は開設審査が比較的柔軟!銀行の選び方

9.ネット銀行&信用金庫は開設審査が比較的柔軟!銀行の選び方

8-4.複数の銀行に申し込むでも伝えたように、各銀行によって審査基準は異なります。

銀行は、下記5つの種類に分けられます。

【各銀行の審査傾向と特長】
銀行 審査 各銀行と法人口座の特長
都市銀行 かなり厳しい ・全国に広く展開している銀行
・規模が大きい会社向け
地方銀行 厳しい ・特定の地域を中心に展開している銀行
・地域の中小企業向け
信用金庫 やや柔軟 ・地域の人々が会員となる共同組織の非営利法人で、地域の繁栄を目指す
・地域の中小企業向け
ネット銀行 柔軟 ・店舗を持たず、オンライン上で取引する銀行
・幅広い会社に向いている

上記の中では、信用金庫とネット銀行が、都市銀行や地方銀行と比較すると、審査が比較的柔軟であるためおすすめです。

この2種類の銀行について、詳しく見ていきましょう。

【銀行の選び方】
1.地域密着型の会社なら信用金庫
2.比較的開設審査が柔軟なのはネット銀行

9-1.地域密着型の会社なら信用金庫

地域密着型の会社なら信用金庫がおすすめです。

信用金庫は、地域の繁栄をはかることを目的とする非営利法人の金融機関です。
地域で経済活動を頑張ろうとする人を応援しているため、管轄する信用金庫の地域内であれば、法人口座開設も比較的柔軟に対応してくれます。

信用金庫は、地域の情報に詳しく、事業や経営に関しても親身に相談に乗ってくれます。ビジネスマッチングも行っているので、手厚いサポートを受けられるでしょう。

逆に、地域外のビジネスの場合は、上記メリットの恩恵はあまり受けられません。また、組合員になれる条件は従業員300人・資本金9億円以下であることです。

以上のことから、信用金庫は地域に根差したビジネスを行う会社に向いています。

9-2.比較的開設審査が柔軟なのはネット銀行

地域密着型以外の会社、特に創業期の会社ならネット銀行がおすすめです。

ネット銀行は、店舗を持たずオンライン上で取引を行うのが特長で、近年ネット銀行をメインバンクにしている会社も多くなるなど、急成長している銀行です。


実店舗を持たず、インターネットバンキングなどオンラインでの金融事業を主力事業とする「ネット銀行(新形態の銀行)」では、他業態に比べ大幅なシェア拡大が続く
ネット銀行のシェアは 0.17%(前年比+0.03pt)、社数で約2500 社に達した。10 年前から社数で 5.5 倍、シェアで約 6倍に拡大している。
出典:帝国データバンク 全国企業「メインバンク」動向調査(2022)

ネット銀行の審査では、設立年数や資本金にこだわらず、事業の内容や実態を重視しているため、創業したばかりの中小企業でも、店舗型銀行(特に都市銀行や地方銀行)と比較すると、法人口座の開設審査は柔軟に対応していることが多いです。

また、ネット銀行は、提供しているサービスも魅力的です。
例えば、店舗維持費がかからないため各種手数料が店舗型銀行と比較して安く設定されていたり、インターネットバンクを利用して24時間365日いつでもどこでも取引できるのがポイントといえるでしょう。

一方で、店舗がないため窓口で気軽に相談に乗ってもらうことができません。

以上のことから、ネット銀行は対面によるサポートが不要な会社に向いているでしょう。

10.ネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行がおすすめ!

10.ネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行がおすすめ!

GMOあおぞらネット銀行は、2023年9月に、法人口座数が10万口座を突破しました。
法人に特化したサービスに力を入れており、多くの企業さまに選ばれている銀行です。
詳細: おかげさまで法人口座開設10万件突破!期間限定 新規法人口座開設キャンペーンをスタート

GMOあおぞらネット銀行のサービスの特長について紹介していきます。

【GMOあおぞらネット銀行のサービスの特長】
1.最短即日口座開設可能!GMOあおぞらネット銀行は口座申込が完全オンラインで完結
2.GMOあおぞらネットの銀行の法人口座のメリット|手数料が安い&充実したサービス

10-1. 最短即日口座開設可能!GMOあおぞらネット銀行は口座申込が完全オンラインで完結

GMOあおぞらネット銀行の法人口座は条件を満たせば(※)最短即日口座開設可能。
また、口座申込に必要な書類はすべてオンラインで完結するため、スピーディーに申込が可能です。
※(1)取引責任者さまと代表者さまが同一の場合 (2)自撮り動画(セルフィー)の場合

口座申込には、次のような特長があるため、申込のハードルが低いのもポイントといえるでしょう。

【GMOあおぞらネット銀行の申込の特長】
・必要書類は《本人確認書類+事業内容が分かる書類1点以上》のみ(※)
・固定電話不要
・印鑑不要
・バーチャルオフィス・レンタルオフィス利用でもOK
・資本金の額は審査に影響しない

※条件によっては追加書類あり

また、GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設の審査のポイントは、「具体的な事業内容や事業活動状況を、客観的に確認できること」です。
参考:審査のポイントを押さえてスムーズな口座開設を

10-2.GMOあおぞらネットの銀行の法人口座のメリット|手数料が安い&充実したサービス

GMOあおぞらネット銀行の法人口座は、法人口座の開設審査以外でも、法人のお客さま向けに、さまざまなサービスを用意しています。

【GMOあおぞらネットの銀行の法人口座のメリット】
他行への振込手数料は145円~と業界最安値水準(※1)、当社宛て振込手数料と月額利用料は0円
・さらに誰でも口座開設から翌々月までは振込無料回数20回/月付き!(合計8,700円相当おトク)
・ビジネスデビットカード利用で最大1%をキャッシュバック(※2)
ネット銀行初「Pay-easy(ペイジー)」ダイレクト納付に対応!Pay-easy(ペイジー)対応で税金・社会保険料の納付も簡単便利。
最低金利 年0.9%~創業期・赤字でも借入可能な融資(利用)枠型ビジネスローン「あんしんワイド」
など

※1:2024年2月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。
調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行を対象にしています。また、各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除いております。
※2:税金や公共料金など一部キャッシュバック率が異なる利用先あり

ビジネスに便利なサービスのラインアップが充実しており、忙しい経営者のみなさまを強力にサポートします。

まとめ

ここまでの内容について、要点を振り返りましょう

まず、法人口座開設は断られるケースが珍しくありません

特に、下記5つのケースに当てはまる場合は、断られる可能性が高いので注意が必要です。

【法人口座を断られやすい5つのケース】
1.事業の実績がない
2.事業内容や目的が分かりにくい
3.資本金が少ない
4.代表者が信用性に欠ける
5.登記した住所で事業を行っていない

上記5つのケースについて、断られやすい理由と対策もあわせて紹介したので、当てはまる項目がある場合は、対策を講じるようにしてください。

5つの対策以外にも、少しでも法人口座の審査通過率を上げるためには、下記のポイントもおさえておきましょう。

【法人口座の審査通過率を上げるためのポイント5つ】
1.審査内容を調べ、自社が通過できそうな銀行を選ぶ
2.書類の不備をなくす
3.ホームページを作成する
4.複数の銀行に申し込む
5.知人や税理士の紹介や、個人口座のツテを利用する

銀行選びでは、ネット銀行か信用金庫なら、都市銀行や地方銀行と比較すると開設審査が比較的柔軟に対応してもらえるのでおすすめです。審査への不安が強い場合は、この2種類に絞って申し込んでみてください。

以上、本記事をもとに、無事法人口座が開設できることを願っております。

※ 本コラムは2024年2月19日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です。

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