起業に関するお役立ち情報
- ※ 本コラムの内容は執筆者個人の見解です。
#48法人口座開設のポイントを解説
会社をつくったら、最初にするべきこと。それは、銀行の法人口座開設手続きです。銀行決済が当たり前となった今では、法人口座を持つことは、ビジネスを行ううえで必須です。ただ、法人口座の開設は、個人口座のように簡単に開設することはできません。順調に進んでいる起業や会社設立の手続きが、法人口座開設の段階で途切れることがないよう、あらかじめ知識を身につけておきましょう。
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1.口座開設の確認ポイント
実店舗がある銀行では、会社の代表者自身が口座開設手続きのため窓口に出向きましょう。最近は、個人口座の開設にあたっては、必要書類をインターネットや郵送で受け付けてくれる銀行もありますが、法人口座の開設は、そう簡単ではありません。必要な書類を揃えたうえで、口座を開設したい支店の窓口で手続きを進める必要があります。会社の経営者として、スーツなどしっかりとした服装で訪れることを心がけましょう。
口座開設をするうえでの主な確認ポイントは次のとおりです。
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1-1.事業実態があるか?
近年は、個人口座の開設においても本人確認義務が厳格化されており、法人も同様に事業実態の確認が厳格に行われております。
銀行によっては法人口座の開設には、オフィスや店舗の賃貸借契約書などの書類提出が必要になる場合もあり、メガバンクや地方銀行、信用金庫などでは事業が本当に行われているかどうかを金融機関担当者による現地確認が行われたりと審査が厳格化しております。
バーチャルオフィスのように、オフィスが存在しない場合は、口座開設は通常より困難であるものの、銀行によってはバーチャルオフィスでも口座開設可能な銀行もあります。バーチャルオフィスで事業を始めている場合は申込する銀行がバーチャルオフィスでも口座開設可能かどうか確認をしたうえで申込するようにしたほうがよいでしょう。 -
1-2.事業内容が明瞭か?
定款にて事業内容が分かりにくい場合は、窓口で事業内容の詳細についてより具体的に聞かれる場合があります。このときに、事業内容について担当者に分かるようにはっきりと答えられない場合は、口座開設を断られる可能性が高いでしょう。また、担当者によっては、ホームページや会社案内、パンフレットなど事業内容について分かるものの提出を求められることもあります。
また、経験も重要なポイントです。会社員が独立するにあたって、それまでの経歴とまったく違う事業を行おうとしている場合は、金融機関の担当者が不安や不審感を抱くことも考えられます。この場合も、なぜその事業を行うに至ったのかをしっかりと説明できるようにしておきましょう。
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1-3.自己資金が一定以上あるか?
自己資金、つまり当初の資本金額は、おおよその事業規模を表します。資本金が多いほど、それなりの取引があるだろうと予想がつきます。金融機関としても、口座を維持するのにコストはかかりますし、休眠口座となるのは避けたいでしょう。そのため、金融機関によっては、一定の資本金額を口座開設の要件としているところがあります。
ちなみにネット銀行の場合は、インターネットや郵送での受付がほとんどです。ネット銀行だから審査が甘くなるということはありませんが、窓口に出向かなくてもWebや郵便でのやりとりで手続きが済むという点は、忙しい起業家にとってメリットが大きいです。比較的審査も早いので、まずはネットバンクの法人口座開設を申し込んでおくというのもよいかもしれません。ただし、社会保険料や日本政策金融公庫の口座振替ができない場合があるので、注意が必要です。
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2.会社が銀行口座を開設するために必要なものは?
金融機関によって必要書類は異なりますので、インターネットや電話などであらかじめ確認しておきましょう。参考までに、一般的に求められる可能性があるものを以下に挙げておきました。必須のものはもちろんですが、口座開設の審査を早く済ませるためにも、その他の書類もなるべく準備して持参しましょう。
履歴事項全部証明書 必須 いわゆる登記簿謄本。法務局での登記が完了すると取得可能となる。 銀行届出印 必須 銀行に届け出る印鑑。代表者印とは分けたほうが管理上望ましい。 本人確認書類 必須 代表者の運転免許証などの本人確認書類。 印鑑証明書 金融機関により必須 法務局での登記完了後に取得可能となる。 法人開設届 金融機関により必須 登記完了後、税務署に提出する書類。受付印が押されているものが必要。 定款の写し 金融機関により必須 会社の基本ルールを定めたものであり、金融機関に提出が必要となる場合がある。 事業計画書 あればなおよい どのような事業を行うかを金融機関に説明する際に必要となる場合がある。 オフィス賃貸契約書 あればなおよい 事業の実態確認に必要となる場合がある。 -
3.口座が開設できるまでの期間
窓口での担当者による受付が完了すると、次は金融機関内部で審査が行われます。審査に通れば、無事に法人口座開設となります。受付から法人口座開設までの日数は、金融機関によって異なります。概ね審査には二週間ほどかかることが一般的です。口座開設手続きを踏まえると約一カ月間を要すると想定しておくとよいでしょう。
ネット銀行によっては、法人口座であっても、書類や条件が揃えば、最短即日で口座開設ができるところも出てきています。事業をスピーディに立ち上げたいなどのニーズによって、選択肢の1つとしておくのもよいでしょう。
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会社設立の専門家に相談しておこう
このように、法人口座の開設手続きひとつをとってみても、会社設立後の手続きは多岐に渡る知識が必要です。口座開設以外にも、創業融資や税務会計、社会保険、役員報酬、許認可など、会社設立後に検討するべき課題は山ほどあります。思わぬところでつまずかないように、起業の専門家に、総合的に相談しておくことをオススメします。
- ※ 本コラムは2022年11月28日現在の情報に基づいて執筆したものです。
- ※ 本コラムの内容は執筆者個人の見解です。
GMOあおぞらネット銀行の法人口座について詳しくはこちら
執筆者情報
V-Spirits グループ代表
税理士・社労士・行政書士・CFP®
中野 裕哲 監修
■起業コンサルタント®、税理士、特定社労士、行政書士、CFP®。V-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル・経営戦略研究所株式会社)。
年間約300件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。経済産業省後援 起業支援サイト「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)、『ネコ先生がやさしく教える 起業のやり方』(アスカビジネス)など、16冊、累計20万部超。
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