イベント情報&レポート
sunabarコミュニティイベント第6弾
スタートアップ企業さま向け!
AWSと始める銀行連携APIソリューション
こんにちは!sunabarイベント担当の村田です。
今回は、2020年12月18日(金)に開催されたsunabarコミュニティイベント第6弾「スタートアップ企業さま向け!AWSと始める銀行連携APIソリューション」についてレポートいたします。
スタートアップ企業における「銀行API」の活用方法をアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 (以下、AWS)の齋藤さまに詳しく解説いただいた後、Fin Tech企業で活躍する方々にお越しいただき「金融に求められる顧客体験価値」をテーマとした座談会をメインに開催しました。
- ■イベント名:
- スタートアップ企業さま向け!AWSと始める銀行連携APIソリューション
- ■日時:
- 2020年12月18日(金)18:30~20:00
- ■セッション1:
-
AWSを使って送金機能を実装してみよう
- スピーカー:
- 齋藤 祐一郎 さま(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 スタートアップ事業本部 技術統括部 ソリューションアーキテクト)
- ■セッション2:
- 座談会~金融に求められる顧客体験価値を大胆に斬る!~
- パネラー:
- 齋藤 祐一郎 さま (同上)
宮尾 拓 さま (株式会社カンム BizDev)
矢部 寿明 さま (Crezit株式会社 代表取締役)
AWSを使って送金機能を実装してみよう
まずは、AWSの齋藤さまにご登壇いただきました。
AWSについて
AWSは、世界で最も包括的で広くから採用されているクラウドプラットフォームです。世界中のデータセンターから200以上のフル機能のサービスを提供しています。急成長しているスタートアップ、大企業、主要な政府機関など、何百万ものお客さまがAWSを使用してコストを削減し、俊敏性テムでの共有利用が難しくなる。
セミナーでお話しいただいた「AWSを使って送金機能を実装してみよう」の内容を一部抜粋してご紹介します。
送金(振込)について
送金には大きく分けて下記の2つがある。
① 振込振替
ATMなどでおなじみの方法であり、1件ずつ送金する。一般的に営業時間内なら即時性がある方法。
② 総合振込
法人が取引先などに送金する際に使う方法で、対象送金先に纏めて振込する。送金スケジュールが決まっている。
ネットバンキングで総合振込をする場合
ネットバンキングを利用して総合振込を行う場合は、下記のステップが想定される。
- 銀行口座の預金残高が足りているかの確認
- 振込先が記載された全銀フォーマットのCSVを手動で出力
- ネットバンキングのシステムにCSVを手動で取り込む
- 振込日に振込結果のCSVをネットバンキングのシステムから手動で出力
- 振込結果をサービス利用者に通知する
- 振込が失敗している場合は、手数料を引いて利用者の残高に戻す
通常、ネットバンキングで総合振込をする場合は、これらのステップを予定通り、一部手動で誤りなく実施しなければならない。 しかし、銀行APIと連携し、送金システムを開発することで、これらの作業をほぼ全て自動化できる。
クラウドを活用してこの問題を解決する参考アーキテクチャ
伝統的なアーキテクチャ(オンプレミス)でも、自動化を実装することはできる。しかし、総合振込はバッチ処理が多く、バッチサーバーに大きな負荷が掛かってしまう。また、パスワードの保管などセキュリティの観点で工夫が必要だった。
クラウドを活用したアーキテクチャによってこれらの課題を解決することができる。
続いては、先ほどご講演いただいた、AWS齋藤さまに、株式会社カンム 宮尾さま、Crezit株式会社 矢部さまをお招きし、当社 酒井をあわせて4名で「金融に求められる顧客体験価値」をテーマに座談会を行いました。
座談会でお話いただいた内容を一部抜粋してご紹介します。
海外のイケてる金融CX(Customer Experience)を
日本にそのまま持ち込むのは勝ちパターン?
宮尾さま;海外では、数百万の顧客を持つFinTechプレイヤーが続々と誕生している。日本のFinTechプレイヤーとの違いとしては、口座維持手数料など、月々数千円のコストが発生する。また、海外ではBaaS(Banking as a Service)事業者の数が日本よりも多く、低コストで参入できるほか、FinTechプレイヤーがアプリ開発やマーケティングなどフロント業務に集中できる土壌が整っている。
一方、日本では、SIerがサービスを開発している場合が多く、新しいFinTechサービスを立ち上げる際には、コストが大きく参入障壁がまだまだ高い。
齋藤さま:アジア圏ではスーパーアプリが主流で、ヨーロッパではプラットフォームが主流にある中で、日本がどの方向性を目指すべきかを明確にすること。
また、日本でオープンAPIがさらに発展して、更新系の情報をやり取りできるシステムが普及すれば金融の顧客体験がさらに進むのに加えて、資産運用の履歴情報を活用できる環境になれば、さまざまなFinTechプレイヤーが市場に増える。
矢部さま:海外では、AffirmやShopify CapitalなどのFinTechプレイヤーが巨大な融資残高を積み上げているが、その背景では、裏にBaaS戦略を持った銀行がしっかりとバックアップをしている。一方、日本の場合は、金融システムがSIerの世界で、新しいサービスを作ろうとすると膨大なコストが掛かるところに課題がある。
日本のFinTechをさらに発展させるためには、クラウドサービスを展開するプレイヤーが出てくる必要がある。
酒井:前提として日本と海外では環境が異なる。また、コンシューマー向けのサービスを提供する上で、日本の場合、一つ一つがきちんとしたサービス提供が求められているが、海外の場合、サービスローンチ後の改善ステップが軽く、機能改善を行いやすい。したがって、海外のサービスのコピーではなく、日本の環境で顧客体験をしっかりと定義してサービス設計することが重要。
座談会は、事業者、プラットフォーマー、銀行といった多方面の観点からディスカッションでき、最初の齋藤さまのご講演同様、大変示唆に富んだ有意義な内容でした。
sunabarデモンストレーションおよび最新使用事例
最後のパートは、sunabarイベントでは毎回実施している当社のCTOの矢上が実演する、デモンストレーションです。今回はAmazon Alexaを使用したsunabarのデモンストレーションを行いました。
Amazon Alexaに残高照会・振込依頼の音声で指示を出すと、デモ用に開発したAlexa botがその指示をハンドリングしsunabar環境の銀行APIをコール、残高照会や振込が実行される仕組みです。座談会でディスカッションした、新しい金融顧客体験が垣間見えたデモンストレーションとなりました。
以上、sunabarコミュニティイベント第6弾「スタートアップ企業さま向け!AWSと始める銀行連携APIソリューション」についてレポートいたしました。
ありがとうございました。
※ 本レポートは2020年12月18日時点の情報です。