イベント情報&レポート

sunabarコミュニティイベント第20弾

野村総合研究所 城田 真琴氏と探る
「業界を変えるエンベデッド・ファイナンス」

こんにちは。sunabarイベント担当の門馬です。
2022年11月10日(木)に、sunabarコミュニティイベント#20 野村総合研究所 城田真琴氏と探る「業界を変えるエンベデッド・ファイナンス」を開催しました。

城田さんと言えば、2021年12月に発行された著書「エンベデッド・ファイナンスの衝撃」(東洋経済新報社)が、日本初のエンベデッド・ファイナンス(組込型金融)の解説書として話題になりました。城田さんがリサーチした膨大な国内外の様々な事例や、当社の「かんたん組込型金融サービス」を通じて、エンベデッド・ファイナンスの深堀りを行いました。

本レポートではイベント内容の一部をご紹介します。

左から、城田 真琴 氏(株式会社野村総合研究所)、当社 小野沢 宏晋、岩田 充弘

左から、城田 真琴 氏(株式会社野村総合研究所)、当社 小野沢 宏晋、岩田 充弘

城田 真琴 氏(株式会社野村総合研究所 DX基盤事業本部 プリンシパル・アナリスト)
城田 真琴 氏株式会社野村総合研究所 DX基盤事業本部 プリンシパル・アナリスト

2001年、野村総合研究所にキャリア入社後、IT基盤技術戦略室長などを経て現職。
ITアナリストとして先端技術・先端ITビジネスの動向調査/分析を担当。著書に『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』のほか、『クラウドの衝撃』『ビッグデータの衝撃』『FinTechの衝撃』『デス・バイ・アマゾン』などがある。
総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT融合フォーラム」パーソナルデータWG委員などを歴任。
野村総合研究所:https://www.nri.com/jp

業界変動を起こすエンベデッド・ファイナンス

エンベデッド・ファイナンスはFinTechにおける第3の波であると、城田さんは定義しています。

城田 真琴 氏(以下、城田氏)「まずフィンテックブームが2015年頃に始まり、銀行機能のアンバンドリング化が進みました。そして、2018年頃の改正銀行法の施行を境にオープンAPI化が進み、銀行とFinTech企業との協業が増加しました。」

城田氏「さらに2021年頃からは、非金融企業とFinTech企業の協業や、BaaS(Banking as a Service)による金融機関との協業、さらにはエンベデッド・ファイナンスによりエコシステムを作る方向性に進んだと捉えています。」

エンベデッド・ファイナンスはFinTechにおける第3の波であると語る、城田さん

小野沢「非金融企業がエンベデッド・ファイナンスを行う目的について、どのようにお考えでしょうか。」

城田氏「新しい収益機会の獲得や、マネタイズモデルの転換が第一に挙げられますが、顧客体験(UX)の向上にも貢献します。例えば国内の運輸会社では、自社サービスに決済機能を組み込むことで、運賃を割引することでお客さまにメリットが生まれますが、配達ドライバーさんが現金を扱わなくて済むという、事業者側にもメリットが生まれる、双方にとっての体験が向上する興味深い事例があります。」

また会場では、海外の大手IT企業の事例や、ライセンスホルダーとの関係なども詳しく紹介いただきました。その中で、エンベデッド・ファイナンスが世界中で広まっている理由のひとつとして、次のように話します。

小野沢 宏晋(当社 執行役員 企画・事業開発グループ長)

城田氏「エンベデッド・ファイナンスは、ステークホルダーそれぞれがwin-winになりやすいビジネス構造であると感じています。」

小野沢「ライセンスホルダーも事業者も、収益性を確保できる良いサイクルが生まれているからこそ、エンベデッド・ファイナンスが世界中で広がっているのでしょうね。」

エンベデッド・ファイナンス成功へのシナリオ

小野沢「エンベデッド・ファイナンスでは、スーパーアプリ化による利便性の提供や、または新しい価値を提供するなどいくつかの方向性があると思います。日本におけるエンベデッド・ファイナンスはどのような方向に進むとお考えでしょうか?」

エンベデッド・ファイナンスを成功させるためのディスカッションが続きます。

城田氏「当面はそれぞれが個別に進化していくと考えています。その中で一部の企業がスーパーアプリ化に進むと思いますが、企業の規模やリソースによって、エンベデッド・ファイナンスの形が変化すると考えます。」

小野沢「エンベデッド・ファイナンスは、インボイス制度やデジタルペイロール(給与デジタル払い)など、お金に関する新しい動きに対しても追い風になっていると感じていますが、その点の期待感などはありますか?」

城田氏「日本で少額の個人間送金サービスが始まり注目しています。海外でも同様のサービスが2013年から始まっています。海外のサービスではビットコインや株も送ることが可能で、サービスのエコシステムでキャッシュフローが発生し、クロスセルが促進されています。」

岩田「当社の法人向けサービスとして、BaaS機能や銀行APIを通じ、インボイス制度や電帳法(電子帳簿保存法)などに対応していくことが大切だと考えます。法人向けSaaS事業者さまと当社が力を合わせて、お金に関するフリクションを解消することが、当社におけるエンベデッド・ファイナンスのひとつの目標と考えています。」

岩田 充弘(GMOあおぞらネット銀行株式会社 組込型金融プロダクトチーム長)

NRI城田真琴氏が当社「かんたん組込型金融サービス」にズバリ切り込む!

このコーナーでは、城田さんから当社に質問をいただきました。会場では鋭い質問も飛び出してきました。その中でひとつご紹介します。

当社の「かんたん組込型金融サービス」に関して質問をする城田さん

城田氏かんたん組込型金融サービスをやって良かったなと思える点はありますか?」

小野沢「銀行APIや口座を始めとした銀行機能をサービスに組み込んでいただくことで、大きな可能性の広がりを感じた点です。実現にあたっては多くの議論が必要な場合もありますが、実際にエンベデッド・ファイナンスのビジネススキームを事業者様と立ち上げていくことにやり甲斐を感じています。」

念願のリアル開催で、質疑応答、懇親会も盛況

sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-の由来は、サンドボックス(Sandbox)と、「Bar」を組み合わせて生まれ、sunabarイベントには人が集いグラスを交わす目的があります。

新型コロナウイルスの影響を考慮し飲食の提供は叶いませんでしたが、今回はようやくオフラインでのイベントを開催することができました。

質疑応答も顔と顔を合わせて行うことができ、イベント後の懇親会では城田さんや参加者の皆さまによる交流が行われました。

会場には多くの皆さまにご来場いただきました

※本レポートは2022年11月10日時点の情報です。

登壇者Twitter

  • プロダクト&オペレーショングループ
    執行役員
    小野沢 宏晋

  • プロダクト&オペレーショングループ
    岩田 充弘

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  • #GMOあおぞらネット銀行
  • #sunabarAPIs
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