イベント情報&レポート

sunabarコミュニティイベント第26弾

こんにちは。sunabarイベント担当です。
2024年3月5日(火)に、sunabarコミュニティイベント#26 を開催しました。

金融庁では、日本のフィンテックの魅力を世界に発信し、フィンテックのさらなる発展に向けたビジネス機会を創出する取り組みとして、「Japan Fintech Week 2024」を初めて開催し、今回のsunabarイベントは、この取り組みに参加しました。
Japan Fintech Week 特設サイト:https://www.fsa.go.jp/policy/japanfintechweek/2024/index.html

今回は、外資系企業として初めて金融サービス仲介業(*)の登録を行った、株式会社Habitto(以下、Habitto)の代表取締役 COOで創業メンバーの久米 保則氏(以下、久米氏)とチーフアーキテクトのリヤブセブ・アレックス 氏(以下、アレックス氏)をゲストにお迎えし、組込型金融を活用した新たな金融サービスや、日本市場におけるビジネスの魅力や発展性などグローバルな視点で語りました。
本レポートではイベントの一部をご紹介します。

(*)金融サービス仲介業:2021年11月に創設された、銀行(預金・資金移動・貸金)・保険・証券のサービス仲介を1つのライセンスで可能となる業態。それまで事業者が前述したサービスを行うためには、業種ごとのライセンス登録が必要でした。

sunabarコミュニティイベント#26
イベントはドリンクを片手に「完勝(かんしょう)」(GMOインターネットグループ流の乾杯)からスタート 左から、司会の小野沢、BaaS事業部長 宇津井、久米氏、アレックス氏、当社CTO 矢上
久米 保則 氏 株式会社Habitto 代表取締役COO
久米 保則 氏株式会社Habitto 代表取締役COO
若い世代がお金に対して抱く「何となく不安でモヤモヤした薄グレーの雲のようなもの」を吹き飛ばすために、Habittoの創業に参画。 BaaSをフル活用して日本で初めての「アドバイスするデジタルバンク」をつくる。これまで30年にわたり金融・保険業界で働き、2008年から2019年までカーディフ生命の日本代表を務めた。
リヤブセブ・アレックス 氏 株式会社Habitto チーフアーキテクト
リヤブセブ・アレックス 氏株式会社Habitto チーフアーキテクト
リトアニア出身。約20年前にリトアニアのビリニュス大学で修士号を取得した後、日本に移住しITキャリアをスタート。ITの力でエンドユーザーに最高の金融体験を提供することに情熱を注いでいる。Habittoに参画する前は、カーディフ生命で副CIOとして勤務し、大規模なシステム移行とデジタルトランスフォーメーションのプロジェクトを担当していた。

銀行・投資・保険を統合した新しい金融サービス「Habitto」

Habittoは「お金のアドバイスをするデジタルバンク」として、貯蓄・投資・保険の金融サービスをワンストップで利用できるHabittoアプリの提供を2023年10月より開始しました。アプリでは、お客さまそれぞれのライフスタイルに寄り添ったお金に関するアドバイスを受けることもできます。
2023年4月、GMOあおぞらネット銀行(以下、当社)と業務提携を結び、組込型金融サービス(BaaS byGMOあおぞら)を活用することで、Habittoアプリに貯蓄口座といった銀行機能を持たせています。

Habitto Webサイト:https://www.habitto.com/

久米氏 「Habittoはお金に関する不安やもやもやとした悩みを抱えている若い世代の手助けと、投資といった新しいチャレンジ、つまり行動変容を促すサービスを目指しました。従来の銀行・証券・保険といった金融機関の縦割りの規制体系は、供給者側の線引きに過ぎず、ユーザ側にとってお金とは、今日使うお金、明日使うお金、それをどう管理していくのかくらいのものと思っています。供給側が勝手に決めた縦割りを解消し、顧客のニーズに合わせて横串しを通したサービス提供に取り組みました。金融機関の中でも一番馴染みがある銀行に高い金利という魅力をつけることで新しいチャレンジの後押しをできるサービスを考えました。」

「新しい金融サービス」を日本ではじめた理由

続いて日本でビジネスをはじめた理由をお伺いしました。久米氏は保険業界で長年仕事する中で、日本の若い世代の金融リテラシーへの課題を述べました。

久米氏「私は直近十年間、住宅ローン専門の生命保険会社の代表を務めていました。お客さまに話を聞くと、住宅ローンに付けた保障の内容や、金利の固定と変動の割合などをちゃんと理解して覚えている方がとても少ないのに驚きました。そういう金融のわかりにくさや不安を吹き飛ばしたいと思っていた中、Habittoの創業者に出会い、このビジネスに関わることにしました。」

久米氏「Habittoの創業者はイタリア出身とオーストラリア出身の2名で、ともに自身の出身国を離れてシンガポールでデジタル保険会社を経営していました。そこで得た経験を生かした別の事業に挑戦したいと考え、色々な市場をリサーチしていました。つまり、最初から日本と決めていたわけではありません。」

「新しい金融サービス」を日本ではじめた理由

久米氏「またHabittoは業界の縦割りに捉われない金融サービスを届けたいと考えていたタイミングで、それが実現できる法制度がちょうどそのタイミングで日本で創設されました。それが金融サービス仲介業という新しい制度です。レギュレーションの変更が新たなビジネスモデルを生み出し、市場を変革するといった例は多くありますから、日本市場は金融ビジネスとしてとても魅力的でした。」

一方で、日本における金融サービス仲介業の認知度はまだ低く、規制面での課題もあります。今後の組込型金融の発展に向けて、当社のBaaS事業部長の宇津井はパートナー企業との協業における課題について語りました。

宇津井「パートナー企業との協業において、銀行内部のセクショナリズムを乗り越え、共通の目標に向かって進むことが重要です。また、APIの提供だけでなく、パートナー企業さまのニーズを深く理解し、ともに成長していくことが必要ですので、当社としてもHabittoさまからの要望をただ受け止めるだけでなく、一緒に議論しながら、より良いサービスを作り上げていきたいと考えております。」

Habittoアプリのアーキテクチャ

続いて、Habitto チーフアーキテクトのリヤブセブ・アレックス氏(以下、アレックス氏)よりHabittoアプリのアーキテクチャのについて解説いただきました。
Habittoアプリは、当社のAPIを活用することで口座開設からお金の移動まで、シームレスなユーザー体験を実現しています。また、Habitto独自の優遇金利を設定するなど、差別化を図ることができているそうです。

アレックス氏 「APIラインアップの豊富さ、フレキシブルな対応ができる点など、我々の要件に最も適していたのがGMOあおぞらネット銀行のBaaSでした。」

Habittoアプリのアーキテクチャ

日本と海外のシステム開発環境の違い

続いて、日本と海外の開発環境の違いをお聞きしました。

日本では法規制への対応が重視される一方、海外ではUXデザイン(ユーザーが良い体験ができるように設計されたデザイン)や内製化によるイノベーションのスピードが速いと指摘し、日本の金融機関がこれらの点で改善の余地があることを示唆しました。

アレックス氏 「海外では配色などのデザインのバランスや、細かく設計されたカスタマージャーニーを大切にしています。一方、日本では法令遵守を意識するあまり、UXデザインが犠牲になっている面も感じます。また、日本ではシステム開発の外部委託依存度が高く、内製化によるイノベーションが進みにくいという印象も受けます。」

小野沢「お客さまの体験や開発のスピードにネガティブな影響が出ている点もあるということで、当社としても改善するために頑張っていきます。」

矢上「ソフトウェアエンジニアがキャリアを積んでいける環境を整備することも重要ですね。また、金融庁はオープンAPIの推進によって、金融機関とスタートアップ企業の連携を後押ししていますが、この動きをさらに加速させ、日本の金融サービスを国際的に競争力のあるものにしていく必要がありますね。」

まとめ

今回のイベントでは、スタートアップ企業と金融機関の協業により、ユーザーを中心にした金融サービスを実現するうえで、APIを介した連携が重要な役割を果たすことが示されました。今回のHabittoと当社の取り組みが、いかに革新的なサービスを生み出せるかを示す好例となるためにも、互いのビジネスを深く理解し、ともに成長していく関係を築いていくことが重要だと改めて認識いたしました。
今後、金融サービスの発展には、オープンAPIを通じた金融機関とスタートアップ企業の連携が欠かせません。同時に、日本の金融セクター全体が、技術革新と規制改革に積極的に取り組むことで、国際的な競争力を高めていくことが求められます。革新的なスタートアップ企業が日本の金融機関と協業を通じて、世界をリードする存在になられることを期待しています。

セミナー終了後は、会場限定で懇親会を行いました。
今後ともみなさまのご参加をお待ちしております!

※本レポートは2024年3月5日時点の情報です。

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