イベント情報&レポート

sunabarコミュニティイベント第27弾

こんにちは。sunabarイベント担当です。
2025年6月12日(木)に、sunabarコミュニティイベント#27を開催しました。

今回は「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の5周年という記念すべき回であり、「組込型金融とAPIサンドボックスが拓く未来」と題し、日本銀行決済機構局 FinTech副センター長 デジタル通貨検証グループ長の鳩貝さま、 株式会社Layer X 代表取締役CTOの松本さまをお迎えし、日本におけるAPIサンドボックスの最新動向、組込型金融の発展、それらが切り拓く決済エコシステムの未来について、業界のリーダーのみなさんと徹底討論を行いました。

本イベントは、一般社団法人Fintech協会 オープン・イノベーション分科会とGMOあおぞらネット銀行共催イベントとなりました。

sunabarコミュニティイベント#27
イベントはドリンクを片手に「完勝(かんしょう)」(GMOインターネットグループ流の乾杯)からスタート 左から、司会の小野沢、鳩貝さま、当社CTO 矢上、BaaS事業部長 宇津井
鳩貝 淳一郎 氏 日本銀行 決済機構局 FinTech副センター長 デジタル通貨検証グループ長
鳩貝 淳一郎 氏日本銀行 決済機構局 FinTech副センター長 デジタル通貨検証グループ長
日本銀行 決済機構局 FinTech副センター長 デジタル通貨検証グループ長
2002年、日本銀行に入行。2020年~2024年、決済機構局フィンテックグループ長。2024年より現職。東京大学大学院経済学研究科CARF招聘研究員。
松本 勇気 氏 株式会社LayerX代表取締役CTO
松本 勇気 氏株式会社LayerX代表取締役CTO
株式会社Gunosy、合同会社DMM.comのCTOを経て、2021年3月よりLayerX 代表取締役CTO就任。開発や組織づくり、およびFintechとAI・LLM事業の2事業の推進を担当。2019年日本CTO協会理事に就任。

「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の意義と貢献

当社のCTOである矢上 聡洋と、組込型金融事業統括部 事業部長の宇津井 悠史から、「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の設立背景とビジネスへの貢献について説明がありました。

矢上:「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」は、サンドボックス(Sandbox)を意味する「砂場」と、人が集いグラスを交わす「Bar」という言葉の掛け合わせから命名されました。2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症の第一回緊急事態宣言が発出された日に合わせて公開されたこの環境は、当時銀行APIの利用開始までに数カ月を要していたという課題を解決するため、「すぐに試せる環境」を提供することを目指して作られました。

「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の意義と貢献
「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の意義と貢献

宇津井からは、「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」が銀行の世界をより広く開放し、イノベーションを促進していると語りました。特に、事業者さまがアイデアを集中して試したり、複数のアイデアの中から技術的にスムーズに進むものを検証する場として活用されている点を強調しました

これにより、アプリケーションレイヤーの事業者が組み込みやすく、お客さまにとって役立つサービスを生み出すことに貢献しています。現在では、GMOあおぞらネット銀行のAPI契約法人顧客数は700社を超えています。

日本銀行のCBDC(中央銀行デジタル通貨)への取り組み

日本銀行の鳩貝さまからは、日本銀行が進めるCBDCの概念とサンドボックスの取り組みについて解説いただきました。

CBDCを中央銀行が発行し、誰もが利用できるデジタル通貨であり、現金と並ぶ決済手段となる可能性や、様々な民間サービスをサポートする役割が期待されると説明しました。

日本銀行のCBDC(中央銀行デジタル通貨)への取り組み

また、CBDCフォーラムとサンドボックスについても説明いただきました。日本銀行では2023年からCBDCの「パイロット実験」を開始しており、この実験を支えるために「CBDCフォーラム」を設立、64社の民間事業者と議論を重ねています。このフォーラムのワーキンググループ内で開発されたのが、日本銀行の基本データベースと民間企業のAPI実装を連携させるサンドボックスであり、10社が協力して実用的な開発を進めているそうです。「民間事業者の創造性を引き出し、新たな決済手段の可能性を広げていきたい」と意気込みを語られていました。

LayerXから見たサンドボックスの価値

LayerXの松本さまからは、ユーザー企業の視点からサンドボックスの価値について意見が述べられました。LayerXでは現在、法人支出管理や人的資源管理などの業務効率化AIクラウドサービス経費精算などの効率化サービス「バクラク」を提供しています。

「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」の存在は大きな意味を持っていると述べました。従来、金融サービスの開発には多くの人員と時間がかかっていたが、検証スピードが大幅に上がり、少人数でも短期間で新しいサービスを立ち上げられるようになったそうです。

>LayerXから見たサンドボックスの価値

またAIに関しても、人間とAIが協調して業務を行う中で、最終的な意思決定と責任の所在をどのように設計していくかが重要な課題だと指摘。AIがさまざまな業務を自動化していく中で、金融分野においてもAIが考え、人間がそれに対して承認を与えるといった新しい仕組みが生まれてくると期待しているそうです。

組込型金融とAPIサンドボックスが拓く未来

本イベントでは、GMOあおぞらネット銀行の「sunabar -GMOあおぞらネット銀行API実験場-」が組込型金融の発展に大きく貢献していること、そして日本銀行もCBDCの実証実験において独自のサンドボックスを構築し、民間企業との連携を深めていることが示されました。

FintechとAIの融合が加速する中で、APIエコシステムの重要性は増しており、今回のイベントは金融の未来を考えるうえで非常に有意義な場となりました。

※本レポートは2025年6月12日時点の情報です。

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