1. 1. 共同起業のメリット

   

   共同起業のメリットは、少ない資金を互いに持ち寄って大きなビジネスが始められることです。特に若い起業家は一人ひとりの自己資金は少ないですが、共同で資金を持ち寄ることで、初期投資がかかるビジネスを行うことができます。もうひとつのメリットは、それぞれの強みを掛け合わせて、新たな価値を創出することができる点です。人は強みもあれば弱みもあるように、全員の秀でた能力を掛け合わせることでさらにビジネスを拡大していくことができます。

2. 2. 共同起業の難しさ

   

   共同起業の場合、事業を進めていく中で考え方の違いや、責任分担で対立してしまうことがあります。売上が順調に上がり業績が良いときは、大きく揉めることはありませんが、いざ業績が悪くなると互いに責任転嫁をしたり、意見が平行線をたどり対立したりすると、最後は不仲になって空中分解してしまいます。
   空中分解すると、これまで負担したお金をどのように精算するかなど、借入金の分担割合や、株式の買い取り条件をどうするかなど、特にお金のことで大きく揉めることになります。

3. 3. 共同起業で気をつけるポイント

   

   まず、一緒に起業をする参加者のモチベーションを確認しましょう。特に人数が多くなるほどモチベーションに差が出ます。本当にそのビジネスを一生かけて共にやっていきたいと思っているのか、ただお付き合いで参加するのかでは大きく違います。後者の場合は、離脱率が高くなります。モチベーションの低い参加者の場合は、経営への参加度合を同等にするのではなく、経営への参加度合を低く設定するなど、モチベーションに見合った負担と役割にとどめておいた方がよいでしょう。

   また、主従関係を出資割合で決めておいた方がよいでしょう。参加者全員が同額出資の場合、表面上は全員が均等に意見を言うことができます。特に揉めているときに意見が割れてしまうと、重要な方針を決めるときに決められず、事業が進められなくなる危険性があります。最初から主たる代表者が多く出資していれば発言権も高くなり、意見を通しやすくなります。
   出来る限り、揉めごとが発生していないときに、意見が対立した場合や分裂したときの条件を決めておくとよいでしょう。仲違いしてからでは、お互いが感情的になってしまい何も決めることができません。あらかじめ誰が株式を買い取るのか、いくらで買い取るのかなどを事前に決めておくと、揉めごとを減らせるでしょう。

4. 4. 共同起業を成功させるには

   

   一緒に志高く持って起業をする仲間であっても、上下関係をつけることが大事です。事業が軌道に乗り内部留保が積みあがってくると株価も上昇します。退社時にどのくらいの金額で買い取るかなども問題になってきます。旗振り役となる人が社長になるのが自然です。社長になる人が多めに出資をして、権限を持つようにしておきましょう。その段階で不平不満が出たのであれば、いずれ起こるであろう問題が早めに表面化してきたと思いプラスに捉えましょう。
   また、共同起業が難しい場合は、それぞれがお互いに独立した会社などをつくり、一緒に取り組む事業についてのみ提携関係を構築するのも一つの方法かもしれません。

いかがでしたでしょうか。これから共同起業を検討している方、既に共同起業している方にとっては気になる内容だったのではないでしょうか。ぜひ、覚えておいていただき活用してみてください。