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#9ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、製造業といったものづくりに関わる産業以外の商業・サービス業でも対象になります。そのポイントについてご紹介します。

  1. 1.補助対象となる事業者

    日本国内に本社と補助事業の実施場所を有する中小企業者・小規模事業者が補助対象です。

    小規模事業者とは、常勤従業員数が、製造業その他・宿泊業・娯楽業の場合では20人以下、卸売業・小売業・サービス業では5人以下の会社または個人事業主です。

    中小企業者とは、資本金または常勤従業員数が下表の数字以下となる会社および個人です。

    業種 資本金 常勤従業員数
    製造業、建設業、運輸業、旅行業 3億円 300人
    卸売業 1億円 100人
    サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
    小売業 5,000万円 50人
    ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
    ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
    旅館業 5,000万円 200人
    その他の業種(上記以外) 3億円 300人

    上記に該当すれば、ものづくり補助金は、創業間もない会社でも申請することができます。

    ただし、発行済株式の総数または出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有しているような会社(みなし大企業)や、財団法人、社団法人、医療法人、学校法人などは、ものづくり補助金の補助対象にはなりません。(一定の要件を満たすNPO法人は、対象となります。)

  2. 2.ものづくり補助金の基本要件

    ものづくり補助金は、以下をすべて満たす3~5年の事業計画の策定および実行が要件となっています。

    1. ① 事業計画期間において、付加価値額を年率平均3%以上増加させる
    2. ② 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる
    3. ③ 事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

    付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。
    給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)および役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)です。

    また、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠およびグリーン枠については、基本要件に加えて、別途要件があります。

  3. 3.ものづくり補助金の申請類型

    ものづくり補助金には「一般型」、「グローバル展開型」、「ビジネスモデル構築型」の3つの事業類型があります。以下は、基本となる「一般型」についての説明となります。「一般型」には、「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」の4つの枠が設定されており、それぞれ補助金額・補助率や要件などが異なります。

    補助金額 補助率
    通常枠
    従業員数 補助金額
    5人以下 100万円~750万円
    6人~20人 100万円~1,000万円
    21人以上 100万円~1,250万円
    原則 1/2
    小規模事業者等 2/3
    回復型賃上げ・
    雇用拡大枠
    2/3
    デジタル枠
    グリーン枠
    従業員数 補助金額
    5人以下 100万円~1,000万円
    6人~20人 100万円~1,500万円
    21人以上 100万円~2,000万円

    ●回復型賃上げ・雇用拡大枠
    業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が申請できる枠です。補助率については、原則1/2の通常枠に対して2/3と手厚くなっています。基本要件に加えて、以下の要件も満たす必要があります。

    1. ① 前年度の事業年度の課税所得がゼロ以下であること
    2. ② 常時使用する従業員がいること
    3. ③ 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること

    ●デジタル枠
    DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発またはデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善に取り組む事業者が申請できる枠です。基本要件に加えて、以下の要件も満たす必要があります。

    1. ① 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構に対して提出していること
    2. ② 独立行政法人情報処理推進機構が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること

    ●グリーン枠
    温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発または炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善に取り組む事業者が申請できる枠です。基本要件に加えて、以下の要件も満たす必要があります。

    1. ① 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
    2. ② これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと
  4. 4.補助対象となる経費

    一般型の対象経費は、以下の8種類になります。

    ① 機械装置・システム構築費
    • 専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費
    • 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
    • 上記と一体で行う改良・修繕又は据付けに要する経費
    ② 技術導入費 本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費
    ③ 専門家経費 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
    ④ 運搬費 運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
    ⑤ クラウドサービス利用費 クラウドサービスの利用に関する経費
    ⑥ 原材料費 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
    ⑦ 外注費 新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
    ⑧ 知的財産権等関連経費
    • 新製品・サービスの事業化に当たって必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用
    • 外国特許出願のための翻訳料等の知的財産権等取得に関連する経費

    幅広い経費が対象になりますが、ものづくり補助金では、単価50万円(税抜)以上の設備投資が必要になっていますので、①機械装置・システム構築費への投資割合が高くなる傾向にあります。また、第9回公募で受付終了となった「低感染リスク型ビジネス枠」を除き、広告宣伝・販売促進費は対象経費になりませんので注意しましょう。

  5. 5.申請方法について

    申請は、電子申請システムでのみで受け付けています。申請には、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。未取得の方は、お早めに利用登録を行ってください。また、申請は公募期間中に行う必要がありますので、ものづくり補助金のWebサイトなどで申請受付期間を確認してください。

ものづくり補助金のポイントについてご紹介しましたが、いかがでしたか。
手厚い補助が受けられますので、革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資を考えている場合は、ものづくり補助金の申請の検討をおすすめします。

  • ※ 本コラムは2022年9月14日現在の情報に基づいて執筆したものです。
  • ※ 本コラムの内容は執筆者個人の見解です。
  • ※ ものづくり補助金の制度詳細については、中小企業庁等のWebサイト等で最新の情報を直接ご確認ください。

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執筆者情報

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V-Spirits グループ代表
税理士・社労士・行政書士・CFP®
中野 裕哲 監修

■起業コンサルタント®、税理士、特定社労士、行政書士、CFP®。V-Spiritsグループ代表(税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人・株式会社V-Spirits/V-Spirits会計コンシェル・給与コンシェル・FPマネーコンシェル・経営戦略研究所株式会社)。
年間約300件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。経済産業省後援 起業支援サイト「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)、『ネコ先生がやさしく教える 起業のやり方』(アスカビジネス)など、16冊、累計20万部超。

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