【法人向け】経理の仕事内容や経理職で採用すべき人の特長を解説

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企業の経営を円滑に進めるために欠かせないのが「経理業務」です。日々の取引を記録し、決算業務や税務処理を行うことで、企業の財務状況を正確に把握し、健全な経営を支えます。

しかし、経理と会計、財務の違いが分かりにくいと感じる方も多いでしょう。

本記事では、経理の仕事内容や採用すべき人材の特長、業務の効率化方法について詳しく解説します。経理業務をスムーズに行うためのポイントを押さえましょう。

1.【法人向け】経理とは

具体的には、日々の取引を記録し、帳簿を作成することから始まり、決算業務や税務申告、財務諸表の作成など、多岐にわたる業務が含まれます。経理は企業の「お金の流れ」を正確に把握する役割を担っており、その情報は経営判断において非常に重要です。

経理業務は、単に数字を扱うだけでなく、企業の経営戦略や方針に基づいて、財務状況を分析し、改善策を提案することも求められます。

経理は企業の成長を支える重要な役割を果たしているのです。また、経理業務は法令遵守が求められるため、正確性や信頼性が特に重要です。

このように、経理は企業の基盤を支える重要な業務であり、経営者やほかの部門との連携を通じて、企業全体の健全な運営を実現するために不可欠な存在です。

2.経理と似た用語との違い

経理業務を理解するためには、経理と似た用語との違いを明確にすることが重要です。

経理、会計、財務、簿記といった用語は、しばしば混同されがちですが、それぞれ異なる役割と機能を持っています。ここでは、これらの用語の違いについて詳しく解説します。

2-1.経理と会計の違い

経理と会計は、企業の財務管理において重要な役割を果たす用語ですが、実際には異なる意味を持っています。まず、経理は日々の取引を記録し、財務データを整理する業務を指します。

具体的には、売上げや仕入れ、経費などの取引を帳簿に記入し、正確な財務状況を把握するための基盤を作ります。経理業務は、企業の運営に欠かせない日常的なものであり、正確性が求められます。

一方、会計は経理で集められたデータを基に、財務諸表を作成し、企業の経営状況を分析する業務です。会計は、経理のデータを整理し、外部の利害関係者に対して企業の財務状況を報告する役割を担っています。

つまり、経理が日常的な取引の記録を行うのに対し、会計はそのデータを用いて企業の全体像を把握し、戦略的な意思決定を支援するのです。

2-2.経理と財務の違い

経理と財務は、企業の財務管理において重要な役割を果たしますが、それぞれの業務内容や目的には明確な違いがあります。

まず、経理は日々の売上げや仕入れのデータを正確に記録し、帳簿を作成することが主な業務です。また、経理は決算業務や税務処理を通じて、企業の財務状況を把握し、報告書を作成する役割も担っています。

一方、財務は企業の資金調達や運用に関する戦略的な業務を担当します。財務部門は、資金の流れを管理し、投資や資金調達の計画を立てることで、企業の成長を支える役割を果たします。具体的には、資金繰りの管理や投資先の選定、資本政策の策定などが含まれます。

2-3.経理と簿記の違い

経理と簿記は、企業の財務管理において重要な役割を果たす用語ですが、その内容には明確な違いがあります。

まず、簿記は、企業の取引を記録するための技術や方法を指します。

具体的には、日々の取引を帳簿に記入し、正確な記録を保持することが主な目的です。簿記は、取引の発生から記録、報告に至るまでの一連のプロセスを体系的に行うための基礎となります。

一方、経理業務には、決算業務や税務処理、予算管理などが含まれます。単なる記録作業にとどまらず、企業の経営戦略に直結する重要な業務です。

3.経理の仕事内容とは

経理業務は主に日次、月次、年次の3つの業務に分類され、それぞれ異なるタスクが存在します。

1つずつ詳しく解説します。

3-1.日次業務

経理の業務は、日々の取引を正確に記録することから始まります。日次業務は、企業の財務状況をリアルタイムで把握するために非常に重要な役割を果たします。

具体的には、売上げや仕入れ、経費などの取引データを記録し、これらの情報を基に日々の帳簿を更新します。

また、日次業務には現金出納帳の管理も含まれます。現金の入出金を正確に把握し、必要に応じて銀行口座との照合を行うことで、資金の流れを明確にします。

これにより、企業の資金繰りを適切に管理し、無駄な支出を防ぐことが可能になります。

さらに、日次業務では請求書の発行や支払いの処理も行います。取引先への請求書を迅速に発行し、支払い期限を守ることで、企業の信用を維持することができます。これらの業務は、経理部門が円滑に機能するための基盤となり、企業全体の運営に大きな影響を与えます。

3-2.月次業務

経理の月次業務は、企業の財務状況を把握し、経営判断に必要な情報を提供するために非常に重要な役割を果たします。

具体的には、月末に行う取引の締め作業や各種帳簿の確認、試算表の作成などが含まれます。

これにより、企業は毎月の収支を把握し、必要に応じて経営戦略を見直すことが可能になります。

まず、月次業務の一環として、売上げや経費の集計を行います。これには、請求書や領収書の整理、取引先との確認作業が含まれます。正確なデータを基に集計を行うことで、企業の収益性やコスト構造を明確にすることができます。

次に、試算表の作成が行われます。試算表は、企業の財務状況を示す重要な資料であり、経営陣や株主に対して開示する情報に透明性を持たせるためにも欠かせません。試算表を通じて、月ごとの利益や損失を把握し、必要な対策を講じることができます。

さらに、月次業務では、税務申告に向けた準備も行います。

特に消費税や法人税の計算は、正確性が求められるため、慎重に進める必要があります。これによって税務リスクを軽減し、適切な納税を行うことが可能になるためです。

3-3.年次業務

年次業務は、経理業務の中でも特に重要な役割を果たします。この業務は、企業の財務状況を総括的に把握し、次年度の経営戦略を立てるための基礎データを提供するものです。

具体的には、決算業務や税務申告、財務諸表の作成などが含まれます。

まず、決算業務では、年間の取引を整理し、収益や費用を正確に計上します。このプロセスでは、各部門からのデータを集約し、正確な財務諸表を作成することが求められます。

特に、損益計算書や貸借対照表は企業の経営状態を示す重要な指標となるため、慎重に作成する必要があります。

次に、税務申告も年次業務の一環です。企業は、税法に基づいて適切な税金を計算し、期限内に申告を行わなければなりません。

この作業は複雑で、法律の改正にもきちんと対応する必要があります。税務申告を正確に行うことで、企業は不必要な税負担を避けるとともに、法令を遵守することができます。

年次業務では、財務諸表の監査も重要なポイントです。外部の監査法人による監査を受けることで、企業の財務情報の信頼性を高め、投資家や取引先からの信頼を得ることができます。

4.経理職で採用すべき人の特長とは

ここからは理解しておきたいポイントを3つご紹介します。

4-1.正確な作業が苦にならない人

経理職に求められる重要な特長の一つは、正確な作業が苦にならないことです。経理業務は、日々の取引や財務データを正確に記録し、分析することが求められます。数字やデータを扱う仕事であるため、ミスが許されない環境です。

例えば、請求書の処理や経費精算、決算業務など細かな数字の確認や計算が必要です。これらの業務を正確に行うためには、集中力と注意深さが不可欠です。

また、経理業務はルーチンワークが多く、同じ作業を繰り返すことが一般的です。そのため、単調な作業に対してもストレスを感じず、むしろ楽しめるような人が向いています。

正確な作業を行うことに喜びを感じる人は、経理職において高いパフォーマンスを発揮することができるでしょう。

さらに、経理職では、業務の正確性を保つために、自己管理能力も重要です。締め切りを守り、必要なデータを適切に整理する能力が求められます。これにより、経理業務が円滑に進むだけでなく、ほかの部署との連携もスムーズになります。

4-2.数字に強く抵抗がない人

経理職において、数字に強く抵抗がない人は非常に重要な存在です。

経理業務は、日々の取引や財務データを正確に処理することが求められます。そのため、数字に対する理解力や計算能力が高いことは、業務を円滑に進めるための基本的な条件となります。

また、経理業務では複雑な数値を扱うことが多く、時には大量のデータを迅速に処理する必要があります。

数字に対する抵抗感が少ない人は、こうした業務に対してストレスを感じにくく、むしろ楽しんで取り組むことができるでしょう。

さらに、数字を扱うことに自信がある人は、業務の効率化や改善提案を行う際にも積極的になりやすく、チーム全体の士気を高める要因にもなります。

4-3.外向的でコミュニケーションをとることが好きな人

経理職において、外向的でコミュニケーションをとることが好きな人は、非常に重要な存在となります。

経理業務は数字やデータの処理が中心ですが、実際には社内外のさまざまな関係者とのやり取りが欠かせません。

例えば、経理担当者は営業部門や購買部門と連携し、取引の内容や支払い条件について確認する必要があります。また、外部の税理士や監査法人とのコミュニケーションも求められます。

このような環境において、コミュニケーション能力が高い人は情報を正確に伝えたり、相手の意図を理解したりすることが得意です。これにより業務の進行がスムーズになり、誤解やトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

さらに、経理業務は時にストレスがかかる場面もありますが、外交的な性格を持つ人は、周囲との良好な関係を築けるほか、チーム全体の士気を高める役割も果たします。

5.経理業務を効率化するための方法

経理業務は企業の財務管理において重要な役割を果たしますが、その業務は時に煩雑で時間がかかることがあります。経理部門の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できる環境を整えることができるでしょう。

そこで、経理業務を効率化するための方法を5つご紹介します。

5-1.ネットバンクに口座変更する

経理業務を効率化するための方法の一つとして、ネットバンクへの口座変更が挙げられます。

従来の銀行口座では、取引の確認や振込手続きに時間がかかることが多く、特に忙しい経理部門にとっては大きな負担となります。しかし、ネットバンクを利用することで、これらの業務を大幅にスピードアップすることが可能です。

ネットバンクは、インターネットを通じて原則24時間いつでも取引ができるため、時間に縛られずに業務を進めることができます。

例えば、振込手続きや残高確認が、窓口の営業時間等に縛られることなく、迅速に行えるため、日々の業務の効率が向上します。また、取引明細のダウンロード機能を活用することで、経理業務に必要なデータを簡単に取得でき、手作業での記録作業を減らすことができます。

さらに、ネットバンクは多くの場合、各種手数料が安価に設定されているため、コスト削減にも寄与します。特に、頻繁に振込を行う企業にとっては、手数料の差が経費に大きな影響を与えることがあります。

5-2.ペーパーレス化の推進を行う

ペーパーレス化の推進も、効率性の向上やコスト削減に直結します。

従来の紙ベースの業務フローでは、書類の管理や保管に多くの時間とスペースが必要でしたが、デジタル化を進めることでこれらの課題を解消できます。

まず、電子データとしての書類管理を行うことで、必要な情報を迅速に検索・取得できるようになります。これにより業務のスピードが向上し、ミスのリスクも軽減されます。また、物理的な書類の保管スペースが不要になるため、オフィススペースの効率的な利用が可能になります。

さらに、ペーパーレス化は環境への配慮にもつながります。企業が持続可能な経営を目指す中で、紙の使用を減らすことは重要なステップです。デジタル化を進めることで、企業の社会的責任を果たすことができ、顧客や取引先からの信頼も高まります。

5-3.クラウド会計ソフトを導入する

経理業務の効率化を図るための方法の一つとして、クラウド会計ソフトの導入が挙げられます。

従来の会計ソフトはインストール型が主流でしたが、クラウド型のソフトウェアはインターネットを通じてアクセスできるため、場所を選ばずに業務を行うことが可能です。リモートワークや外出先からの業務遂行も容易になり、柔軟な働き方を実現します。

さらに、クラウド会計ソフトは自動更新機能を備えているため、最新の税制や会計基準に則した処理が行えます。手動でのアップデート作業が不要になるため、業務の負担を軽減することができます。また、データのバックアップも自動で行われ、万が一のデータ消失のリスクを大幅に減少させることも可能です。

加えて、クラウド会計ソフトは複数のユーザーが同時にアクセスできるため、チームでの協力がしやすくなります。
経理担当者だけでなく、経営者やほか部門のスタッフも、リアルタイムで財務状況を確認できるため、迅速な意思決定が可能になります。これにより企業全体の業務効率が向上し、経営戦略の策定にも役立つでしょう。

5-4.経理業務のアウトソーシングを活用する

経理業務のアウトソーシングは、企業が効率的に経理業務を運営するための有力な手段です。

特に中小企業においては、限られたリソースの中で経理業務を行うことが難しい場合が多くあります。専門的な知識やスキルを持った外部の専門家に業務を委託することで、業務の質を向上させることができるでしょう。

アウトソーシングの最大の利点は、コスト削減です。自社で経理部門を設ける場合、社員の給与や福利厚生、教育訓練などのコストや仕組みづくりが必要ですが、アウトソーシングを利用することで、必要な業務に応じた料金を支払うだけで済みます。

また、専門の業者に依頼することで、最新の税制や会計基準に基づいた正確な処理が期待でき、ミスを減らすことにもつながります。

さらに、経理業務をアウトソーシングすることで、社内のリソースをほかの重要な業務に集中させることが可能になります。経営者や社員が本来の業務に専念できる環境を整えることで、企業全体の生産性向上にも寄与するでしょう。

5-5.会計関連書類フォーマットを統一する

経理業務を効率化するためのステップの一つは、会計関連書類のフォーマットを統一することです。

異なるフォーマットの書類が混在していると、情報の整理や確認に時間がかかり、ミスが発生するリスクも高まります。統一されたフォーマットを使用することで業務の流れがスムーズになり、作業効率が向上します。

まず、書類のフォーマットを統一することで、各担当者が同じ基準で情報を記入できるようになります。データの整合性が保たれるため、後の集計や分析が容易になるでしょう。

フォーマットを統一する際には、必要な項目や記入ルールを明確に定めることが重要です。例えば、日付の表記方法や金額の単位、必要な添付書類などを事前に決めておくことで書類作成時の混乱を防ぐことができます。これにより業務の標準化が進み、全体の生産性が向上します。

フォーマットの統一は一度行ったら終わりではなく、定期的に見直しを行うことも大切です。業務の変化や新たな法令の施行に応じて、フォーマットを適宜更新することで、常に最適な状態を保つことができます。

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まとめ

経理業務は企業の健全な運営に欠かせない重要な役割を果たしています。

日々の取引の記録から始まり月次や年次の決算業務、さらには税務処理に至るまで、経理は企業の財務状況を正確に把握し、経営判断に必要な情報を提供します。

経理と会計、財務、簿記の違いを理解することで、経理業務の全体像を把握しやすくなるでしょう。

経理職に求められる人材の特長としては、正確な作業が苦ではないこと、数字に強いこと、そしてコミュニケーション能力の高さが挙げられます。

これらの特性を持つ人材を採用することで、経理業務の効率化が図れ、企業全体の生産性向上にも寄与します。

経理業務の重要性を再認識し、適切な人材の採用と業務の効率化を進めることで、企業の成長を支える基盤を築いていきましょう。

※ 本コラムは2025年4月16日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です。

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