会社設立とは?メリットとデメリットを紹介

法人口座開設を完全ガイド|経営者が失敗しない銀行の選び方とは

個人事業主と会社はどちらも事業をしているという共通点がありますが、その違いが分からない人は多いのではないでしょうか。実は同じ業務内容であっても会社を設立した方が良いことがたくさんあります。この記事では、個人事業主と比較して会社設立にはどのようなメリットがあって、どのように設立したらよいのかを徹底解説していきます。

1.個人事業主と法人の違いとは?

1.個人事業主と法人の違いとは?

個人事業主と法人の基本的な違いについて紹介していきます。個人事業主とは、自分で事業を営んでいる個人のことを指します。屋号を持っていることもありますが、会社名のように登記など法的な裏付けがあるわけではありません(商号の登記をしている場合を除く)。個人事業主の場合、事業年度は一律1月1日から12月31日までと決まっています。この期間の売り上げや経費を税務署に報告する確定申告を行い、それに対応した税金を納める義務があります。確定申告は3月15日までに提出が必要です。

一方で法人とは事業を営む組織のことであり、一人の人として扱われます(法人格といいます)。個人事業主の開業時の手続きは、税務署などに『個人事業の開業・廃業等届出書』という書面を出す程度ですが、法人の開業は法務局への登記の手続きが必要で複雑となっており、各種手続きの料金や日数もかかります。

2.会社の種類

日本で会社を設立する場合は、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」という4つの形態から選ぶことができます。このうち、日本において事業で一般的なのは「株式会社」と「合同会社」です。合名会社と合資会社は無限責任であるなどデメリットが多く、特殊な例がない限り起業するときに選択する人は少ないでしょう。株式会社とは株式と引き換えに出資をし、議決権を持つ人と経営権を持ち経営をする人が異なる、所有と経営の分離がなされた会社のことを指します。ただし、株主と役員が同一で所有と経営が分離していない株式会社も数多く存在します。日本で最も多い企業形態です。

合同会社は出資者と経営者は同一で、より柔軟な運営が可能となっています。会社を設立する過程で必ず払う必要のある登録免許税は、株式会社の最低額が15万円に対し、合同会社は6万円と安くなっています。

3.会社設立の条件

3.会社設立の条件

かつて会社の設立に必要な最低資本金は「有限会社の場合、最低300万円」「株式会社の場合、最低1千万円」と決められていました。これは債権者を保護するための規定でした。しかし、この規定が会社選択の自由を狭め、本来の債権者保護の役割も果たしていないと判断され、2006年から会社法の改正によって最低資本金の制度が撤廃されました。その結果、「資本金1円」から会社を設立できるようになり、株式会社設立のハードルは大幅に下がりました。

また、旧商法では株式会社を設立する際、複数人の取締役等(取締役3名以上、監査役1名以上)が必要とされていましたが、2006年から「取締役1名以上」に緩和されました。この2つの規制緩和によって、会社は現在「1円」で「1名」でも設立できるのです。

4.会社設立の流れ

4.会社設立の流れ

会社設立の流れは以下のようになっています。まずは、基本事項の決定です。社名の決定、印鑑の作成、資本金額などを決定します。次に、法人の名称や事業内容、事業目的、設立の際の出資額、本社の所在地など、会社の根本的なルールを定めた定款を作成します。定款は登記の際に必ず必要となります。続いて、定款で定めたそれぞれの出資額に基づいて、資本金を発起人の銀行口座に振込みます。登記前は会社の法人口座は作れないので、この工程が必要となります。

次に、法務局に提出する登記書類の作成をしていきます。会社の種類や形態によっても必要な書類や用意すべき枚数は異なるため、事前相談などで必要書類を確認しておくとスムーズに進みます。登記の申請日は会社の設立日になるので、こだわる場合は気をつけましょう。登記ですが、3月などの繁忙期は時間がかかることがあるので余裕をもって申請しましょう。無事登記が完了したら、履歴事項全部証明書(登記簿謄本と呼ばれることもあります)を取得し、各種行政などへの手続きを行います。税務署への届け出、地方自治体への開業届の提出、社会保険の加入も行います。

5.会社設立のメリット

5.会社設立のメリット

会社設立による大きな2つのメリット、信用の増大、節税について説明していきます。

5-1.信用の増大

会社は商号、住所、代表者、資本金、役員など、さまざまなヒト・モノが開業手続きで必要になり、審査に時間が割かれることになるので、一般的に紙1枚でなることができる個人事業主よりも信用度が高いといわれています。大手企業では、取引の際に「口座を開く」として口座情報のやり取りを行いますが、この口座の対象を法人口座のみとしている会社もあり、個人事業者ではそもそも取引自体ができないことがあり、会社の信用の高さの裏付けとなっています。

5-2.節税できる

法人税は利益が増えても、原則一定税率なのに対し、個人事業主では所得が増えるほど税率が高くなる累進税率で課税されてしまうため、売り上げが大きくなる場合は法人の方が節税になります。おおよその法人の実効税率は約30%といわれており、個人事業者の最高税率は約45%ですから、1.5倍近い税率の差があると考えられ、会社であればその分節税となるのです。

会社であれば自分の生活費を役員報酬として経費として処理することもできますし、個人事業者では専従者給与といって経費として認められるためのハードルが高かった配偶者や家族の給与も簡単に経費にすることができます。また、スポーツジムの法人会員や医療保険なども経費として認められる範囲が広いため、生活レベルを落とすことなく課税の対象金額を減らすことができます。

6.会社設立のデメリット

6.会社設立のデメリット

反対に会社設立のデメリットを紹介します。設立時や運営のコスト、社会保険の加入義務、事務負担の増加などが挙げられます。

6-1.設立と運営のコスト

会社はまず設立のためにコストがかかります。定款の作成、登記の諸経費として20万円近くかかります。また、それらの手続きを行うための時間的コストも必要となります。設立後も毎年税務申告を行う際に、たとえ会社が赤字であっても法人住民税の均等割を支払う必要があります。資本金の額、地方によっても異なりますが、例えば東京都の場合であれば赤字であっても年間7万円は必ず納めなくてはなりません。

6-2.社会保険の加入義務

法人は、社長を含めて一人でも従業員がいれば健康保険と厚生年金保険に加入しなければならない義務があります。これは、将来給付される年金や傷病手当などの面において個人事業主が支払う国民健康保険や国民年金と比べて手厚いというメリットがありますが、その分、保険料は高額です。その保険料は、会社と社員が半分ずつ負担する決まりとなっているため、社員が多いほど、会社が負担する金額は高くなってしまいます。

6-3.事務負担の増加

会社の場合、税の申告などが複雑となります。株式会社の場合は、株主総会の開催など、法律上必要となる事務仕事が個人事業主と比べて増えるため、その段取りもしっかり組んでいくことが業務の負担になる可能性もあります。

7.会社設立の判断基準

7.会社設立の判断基準

会社設立の判断基準の1つは資金です。事業資金が個人でまかなえない場合は、会社化して株主の出資を募ったり、会社化して信用度を上げた状態で金融機関へ融資の申し込みをしたりするのが効果的です。事業拡大を望む場合は、会社の方が動きやすく、拡大しやすい傾向にあります。また、一定の金額以上の請負工事など事業内容によっては会社でなければ行うことのできないものもあるので、そういった仕事を受注することがありそうかどうかも一つの判断基準となるでしょう。

なお、以下の記事で個人事業主と会社設立の違いと会社設立時の最適なタイミングを解説しておりますので参考にしてください。
>>会社設立と個人事業主どちらが良い?法人化に最適なタイミングも解説

まとめ

会社の設立の手続き方法とメリットを詳しく説明させていただきました。できるだけかみ砕いて説明しましたが、理解いただけたでしょうか。デメリットもあるものの、事業の拡大を目指す人は、早いタイミングで会社化することがおすすめです。節税効果も高い会社設立のための準備をさっそく始めましょう。設立までは時間がかかるため、早めにとりかかることが大切です。

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※ 本コラムは2022年1月17日の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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