飲食店の開業は、起業の中でも特に人気の業種です。飲食店を開業するための準備ポイントは大きく分けて2つあります。1つ目は、飲食店を繁盛させるための戦略立案です。2つ目は、保健所へ届け出る「飲食店営業の許可」の申請手続きです。
どちら一方でも対応漏れがあっては、継続的に事業を運営していくことが難しくなります。それぞれのポイントを一つ一つ紹介していきます。
目次
1.飲食店の開業に必要な準備
1-1.ターゲットの選定
まずは、ターゲットを選定します。自分が思い描いている飲食店は、どのような顧客層がターゲットになるのかを具体的に考えてみましょう。ターゲットを選定するときは、ペルソナを考えます。ペルソナとは、商品やサービスを利用している人を具体的にイメージしたユーザー像です。年齢や性別、居住地域、年収、家族構成、趣味、交友関係などを具体的にイメージします。ここで設定したペルソナが、ターゲットを選定するうえで重要になります。ターゲットを選定することにより出店場所やメニュー、店舗の雰囲気づくりなどコンセプトが決まってくるため、ペルソナの設定から、ターゲットへの落とし込み・選定作業はとても重要なポイントになります。
1-2.立地を決める
飲食店を開業するにあたっては、立地の良し悪しが一番重要です。出店場所を検討する際に覚えておくべきことは、立地にどのような種類があるかを知ることが必要です。
立地には、
と大きく5つに分類するころができます。開業を予定している飲食店のターゲットとなるお客さまが、どこにいるのか、どの立地だと利用いただけるかをきちんと見極めて選定していく必要があります。
1-3.メニューを決める
飲食店の成功には、お店の看板となるメニューが必要です。ターゲットが好みそうなメニューは何なのか、他社にはないオリジナルメニューが作れるかが重要です。ただし、ターゲットが若い男性だから大盛で安ければよいなどと、容易に決めつけてしまうのは危険です。
1-4.価格設定を決める
材料費や賃料、人件費などのコストから提供価格を検討します。一般に材料費は、提供価格の3割以内が適正価格と言われています。コストだけでなく競合店がいくらで提供しているのか、世間的にはいくらで提供されているのかもあわせて検討しましょう。コストからアプローチするだけではお値打ち感がなく、まったく売れない魅力のない商品になりかねません。また、お店の立地やターゲット、雰囲気によっても、価格設定は変わってきます。自分のお店がどのようなコンセプトのお店で、お客さまに何を提供しご満足いただくのか、ビジネスプランを練って価格設定を行いましょう。
2.開業までの手続き
2-1.保健所に事前相談をする
飲食店営業許可は保健所が窓口となります。出店予定地を管轄する保健所で事前に相談しましょう。相談は店舗の図面が出来上がった後のタイミングが良いです。なぜなら、手書きの簡単なものでも良いので、図面があった方がより正確なアドバイスをもらいやすくなるからです。図面に基づいて、不足している備品や設備、配置などを的確にアドバイスを受けることができます。また許可手続きの流れ、その他の注意点についても教えてもらえます。
2-2.飲食店営業許可申請を保健所に提出
店舗ができたら、営業開始予定の10日くらい前に許可申請を提出します。
営業許可申請書や設備の概要・配置図などを提出します。これらの申請書類は、保健所でもらうことができます。
2-3.申請に基づき保健所の立ち入り調査
施設検査のポイントは、一言でいうと、
清潔で安全な施設であるかどうか。壁や天井が清掃をしやすい構造であるか 手洗い設備があるかなどですが、飲食店を含むすべての食品関係の業種に必要な「共通基準」と、十分な冷蔵設備がある、洗浄槽は2槽以上あるといった飲食店向けに定められた「特定基準」に基づいて行われます。
これらの施設基準に適合しない場合は、許可されません。指摘事項を改善してから、再度許可申請となってしまいます。事前確認を行うことで、改善工事をする手間や費用の発生を未然に防ぐことができます。
3.飲食店の開業に必要な資格
3-1.食品衛生責任者
食品衛生責任者とは、食品衛生上の管理運営を行う人のことです。飲食店開業する場合、店舗ごとにオーナー自らが食品衛生責任者となるか、または店舗の従業員から1名、食品衛生責任者を選定しなければなりません。
食品衛生責任者になるには、各地の食品衛生協会の行う講習会を受講する必要があります。東京都の場合は、(社)東京都食品衛生協会が、東京都内の会場で毎月開催しています。昼休みの休憩をはさんで6時間の講義です。なお、調理師や栄養士の資格を持っていれば、講習会の受講は不要で、申請のみで食品衛生責任者の資格を取得できます。
3-2.防火管理者
防火管理者とは、多数の人が利用する建物などの「火災による被害」を防止するため、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者をいいます。
飲食店の場合、店舗の収容人数が30名以上の場合、防火管理者が必要となります。30名以上の場合で店舗の延べ床面積が300㎡未満の場合乙種防火管理者もしくは甲種防火責任者の届け出が必要で、300㎡以上の場合は甲種防火管理者の届け出が必要です。建物の収容人数により、30人未満でも必要な場合があります。30人とはお客さまの数ではなく、アルバイトや従業員すべてを含む人数となるので注意が必要です。
まとめ
飲食店開業の際には、事前に準備するポイントがたくさんあります。一つ一つが大事な事項となります。また、各都道府県で定めている新型コロナウイルス感染防止対策ガイドライン等もあわせてチェックしておきましょう。不安がある場合は、許認可に詳しい行政書士や起業の専門家に事前に相談してみてはいかがでしょうか。
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※ 本コラムは2022年11月14日の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。