「法人口座とはどのようなものなのか。個人口座を使い続けるのではダメなのだろうか。」
会社を設立したら法人口座を開設すべきと聞いたものの、そもそも法人口座についてよく知らない人も多いでしょう。
法人口座とは、法人名義の銀行口座のことです。
個人口座とは下図のような違いがあります。
会社を設立するなら、法人口座を開設するべきです。
法律的には個人口座を使っていても問題はありませんが、いつまでも振込先が個人口座のままだと取引先に不安を与えてしまうこともあります。
また、個人の資産と混同してしまいスムーズな経営の妨げにもなったりと、必要なときに融資を受けられないおそれもあります。
上表のとおり、法人口座の審査は約1~4週間ほどかかるため、法人口座の開設準備は、会社設立前から(既に設立後ならできるだけ早く)取り掛かるようにしましょう。
さらに、法人口座は、銀行選びや必要書類の準備、審査対策など、事前準備にも数日~数週間必要です。
ほかの創業準備で忙しいからと後回しにしていると、会社が設立できても、法人口座がない状態が長くなってしまいます。
法人口座がないと、売上が立っても請求書を発行できないなど、経理業務がスムーズに行えない可能性があります。このような状態では、早く事業に専念したくてもなかなか思うようには進まないですよね。
最速で法人口座を開設するために、下記の流れで進めていくようにしましょう。
【法人口座開設までの流れ】STEP2.審査対策を行う|数日~
~会社設立登記完了~
STEP3.必要書類をそろえる|数日~1週間
STEP4.口座開設を申し込む|数時間
STEP5.審査を通過できたら口座を開設できる|約1~4週間
本記事では、法人口座について次の内容をお伝えしていきます。
この記事で分かること |
---|
●法人口座とはどういうものか ●法人口座を開設すべき理由 ●法人口座を開設するスケジュール ●法人口座の選び方 |
本記事を読めば、法人口座について理解を深め、開設に向けて何をすべきかが分かるようになります。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
検証あり!法人口座のメリット4つ|メリットを最大化するには銀行選びが重要
目次
1.法人口座とは|個人口座と比べる5つの特長
法人口座とは、法人名義の銀行口座のことです。
事業専用の口座として、代表者個人の財産とはっきりと区別し、売上入金や支払いなど会社のお金のやりとりを行います。
法人口座には、どのような特長があるのかを個人口座との違いで下表にまとめました。
【法人口座とは:個人口座との違い】項目 | 法人口座 | 個人口座 | |
---|---|---|---|
利用に ついて |
サービスの特長 | 融資や総合振込など 経営に役立つサービスが充実 |
生活に役立つサービスを展開 |
費用 | 平均3,000~15,000円/月 (インターネットバンキング利用料や維持費、サービス利用料等、 月々にかかる費用がある場合も) |
平均0~数千円/月 | |
開設に ついて |
必要書類 | ・本人確認書類 ・会社の実態や事業内容に関する書類2~8点 |
本人確認書類など2~4点 |
審査 | 個人口座よりも厳しく、断られる可能性もあり | 審査あり | |
審査期間 | 約1~4週間 | 約1週間(窓口だと即日の場合も) |
上表の5つの項目について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1.法人口座のサービスの特長|経営に役立つサービスが充実
法人口座には、下記のような経営に便利なサービスが充実しています。
【法人口座で利用できるサービスの一例】融資 | 事業のためにお金を借りられ、借入の上限額も個人口座より高いことも多い |
---|---|
ビジネスサポート | ・窓口で資金や事業に関する相談を受けられる ・地域密着型の銀行なら、ビジネスマッチングを受けられる ・金融機関主催の商談会やセミナーに参加できる ・補助金・助成金の紹介や申請手続きのサポートをしてもらえることも |
振込 | 複数の振込を一括で実行できるサービスも |
法人カード | 法人名義のビジネスカードを発行できる、法人名義の口座の場合、個人名義のカードよりも利用限度額が高いことが多い |
複数口座 | 用途別や事業所別・店舗別などに複数の口座を作成できることも |
※上記は一例です。申し込む銀行によっては上記のサービスを取り扱っていないところもあります。
上記のように、法人口座には事業の向上や業務の効率化につながるサービスが充実しているため、あらゆるビジネスシーンで役立つでしょう。
法人用サービスを上手く活用することで、さらなる事業の発展を実現しやすくなります。
1-2.法人口座にかかる費用|平均3,000~15,000円/月
法人口座は、開設するだけでは料金は発生しないことが多いですが、提供しているサービスの中には有料のサービスがあります。
利用する銀行や利用頻度によって差はありますが、大体月々3,000~15,000円ぐらいかかると思っておきましょう。
【比較一覧あり】法人口座の利用料は約3,000〜15,000円 /月!
1-3.法人口座の開設に必要な書類|本人確認書類をはじめ、会社の実態や事業内容を確認できる書類2~8点
個人口座と違い、法人口座を開設するためには、申込時に何点か必要書類の提出が求められます。
必要書類は、一般的には下記のような会社の実態や事業内容を確認できる書類になります。
【法人口座の開設に必要な書類(例)】・法人の印鑑証明書
・本社確認書類(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)
・事業内容確認書類(会社案内・パンフレットなど)
・事業実態確認書類(契約書・請求書など)
・法人設立届出書(税務署受付印があるもの)
・法人番号指定通知書
・許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)
・銀行印
・本人確認書類(運転免許証など)
※銀行によって求められる書類が異なりますので、必ず申込前に銀行のWebサイトで確認するようにしましょう。
中には、官公署から取り寄せるものや、取得に時間がかかるものもあります。
1-4.法人口座開設の審査|断られる可能性もある
法人口座を開設するためには、審査があります。
法人口座は審査が厳格に行われ、その結果、開設を断られるケースも少なくありません。
審査が厳しいことの大きな理由は、法人口座が不正に利用されることを防ぐためです。
近年、振り込め詐欺をはじめ、還付金詐欺、フィッシング詐欺など、金融犯罪が横行しています。
また、銀行口座の売買、マネー・ローンダリング、口座の不正利用など、色々なところで銀行口座が狙われています。
※マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金の送金を転々と繰り返し、出所や所有者を分からないようにする行為です。
法人名義の口座開設が厳しくなった理由は、口座がテロ等の犯罪資金のローンダリングに利用される恐れがあることが1つ挙げられます。
テロ資金供与を防止するための国際間合意であるFATF(Financial Action Task Force)をはじめ、世界規模で犯罪資金に対する規制が強化されています。
このような流れを受けて銀行口座を作成する際には、審査が厳重かつ、慎重に行われています。
1-5.法人口座開設の審査期間|約1~4週間
個人口座は申し込み後その場ですぐに開設できることもありますが、法人口座は申込から開設まで平均して約1~4週間かかります。
前節で述べたとおり、審査を厳格に行うため、一定の期間を要するのです。
ただし、審査期間の目安は銀行によって大きく異なります。
少しでも早く法人口座を開設したい場合は、ネット銀行がおすすめです。
ネット銀行だと、申込から書類提出まですべてオンラインで行えるところが多く、店舗型銀行と比較すると審査期間が短い傾向にあります。2.会社を設立するなら法人口座を必ず開設すべき!3つの理由
法人口座について理解できたものの、「個人口座を使い続けるのはダメなのか」と疑問に感じる人も少なくないでしょう。
法人口座の開設は義務でなく任意ですが、会社を設立するなら必ず開設すべきです。
その理由について、下記3つ紹介していきます。
【法人口座を必ず開設すべき理由3つ】2.個人の財産と分けて管理できるから
3.融資を受けやすくなるから
2-1.取引先から社会的な信用を得やすいから
法人口座があると、取引先から社会的な信用を得やすくなります。
法人口座は、銀行の審査を通過できないと開設できません。つまり、法人口座を持っているということは、銀行からお墨付きを得ているということの証明になります。
会社の社会的な信用度が向上するので、取引先からの印象も良くなるでしょう。新たなビジネスチャンスもつかみやすくなります。
言い換えれば、個人口座を使い続けていると、「法人口座の審査に通らないレベルの会社なのでは」と思われてしまうリスクがあります。
また、「法人口座がない会社とは取引をしない」という方針の会社も少なくありません。
このように、法人口座を持っていないと、ビジネスの機会損失につながるおそれがあります。
2-2.個人の財産と分けて管理できるから
法人口座があると、代表者個人の財産と分けて管理できるようになります。
法人口座には事業のお金しか入出金がないので、財務状況が一目で把握できます。経理業務の効率が上がり、資金面の課題も見つけやすくなるでしょう。
個人口座で事業の資金と個人の財産を混同すると、まずはどちらのお金なのかを仕分けるところからはじめなければいけません。
時間と労力が無駄にかかるうえに、経理業務でミスも起きやすくなるでしょう。税務調査でも細かく追及されるおそれがあります。
2-3.融資を受けやすくなるから
事業拡大等で会社として資金調達が必要な際、一般的には融資金は法人口座に振込されることが多く、個人口座だと融資を受けられない金融機関も少なくありません。
また、法人口座で事業の取引実績を積んでいれば、金融機関から信頼を得られるため、融資の審査に通る可能性が高くなるのです。
法人口座があれば、いざというときの資金調達に対応でき、事業の拡大や経営危機に迅速に対応できます。
融資が必要になったタイミングで法人口座を開設しても、借入までに時間がかかったり、好条件で融資を受けられなかったりと、資金調達で困ってしまう可能性があるでしょう。
3.法人口座はできるだけ早く開設すべき!会社設立前から準備をはじめよう
法人口座は設立登記後、できるだけ早く開設するようにしましょう。
早く開設すれば、それだけ早く前章でお伝えした法人口座のメリットが得られ、速やかに会社の経営体制を整えられます。
しかし、法人口座は法務局への「法人設立登記」が完了してからでないと原則申し込めません。
そのうえ、前述したとおり法人口座の開設審査には約1~4週間かかります。
(※freee株式会社が提供する「freee会社設立」を利用した場合)
最速で法人口座を開設するためには、会社設立前から事前準備に取り掛かり、登記の完了が確認でき次第、すぐに申し込めるようにしておくことが重要です。
ではどのような準備をはじめればいいのか、どのような手順・スケジュールで進めていけばいいのかについて、次章で詳しく見ていきましょう。
4.法人口座を開設する流れ
法人口座の開設は、次の流れで進めていきましょう。
【法人口座開設までの流れ】STEP2.審査対策を行う
STEP3.必要書類をそろえる
STEP4.口座開設を申し込む
STEP5.審査を通過できたら口座を開設できる
各ステップの平均的な所要時間と、設立登記完了のタイミングに合わせた手順は下図のとおりです。
スムーズに口座を開設するためには、会社の設立登記完了までに、「STEP1.銀行を選ぶ」と「STEP2.審査対策を行う」、それから「STEP3.必要書類をそろえる」のできるところまでを終わらせておきましょう。
では各ステップについて紹介していきます。
4-1.STEP1【登記完了前】銀行を選ぶ|数日
まずすべきことは、どこの銀行で法人口座を開設するかを決めることです。
法人口座を申込できる銀行は、大きく下記5種類に分かれます。
【銀行の種類と特長】種類 | 特長 | 向いている会社 |
---|---|---|
都市銀行 (メガバンク) |
・全国的に支店を展開している銀行 | ・規模が大きい会社向け |
地方銀行 | ・地域に根ざした銀行 | ・地域で事業を行う会社向け |
信用金庫 | ・地域に根ざし、会員による出資で運営される金融機関 ・設立直後でも開設しやすい |
・地域で事業を行う、中小企業向け |
ゆうちょ銀行 | ・日本郵政公社の民営化によって生まれ、全国的に支店展開している銀行 | ・中小企業向け(1,300万円以上の金額は預けられない) |
ネット銀行 | ・オンライン上での取引が中心となるインターネット専業銀行 ・設立直後でも開設しやすい |
・あらゆる業種・会社規模に向いている |
上記のうち、設立したばかりの会社に向いているのは、信用金庫とネット銀行です。信用金庫とネット銀行は、実績がない設立直後の会社でも柔軟に審査してもらえる可能性があります。
銀行選びの注意点については、次章でも詳しく見ていきましょう。
4-2.STEP2【登記完了前】審査対策を行う|数日~
申込銀行を選んだら、審査に向けての対策を行います。
審査では、一般的に下記の項目について厳しく審査が行われます。
【法人口座の審査項目】審査項目 | 確認すること |
---|---|
事業目的・内容 | ・明確な具体性があるか ・本気で事業を行っているか(行う予定なのか) |
代表者の人格・経歴 | ・信用性があるか ・能力や経験が十分であるか |
資本金 | ・事業を行うのに十分な金額であるか |
住所 | ・登記の住所と実際に事業を行っている住所が一致しているか (※バーチャルオフィス利用の場合は一部の店舗型銀行ではマイナスになることも) |
固定電話 | 申込銀行によって必須 |
ホームページ | 申込銀行によって必須(必須ではないところでも、あれば開設審査にプラスに働くことも) |
具体的な審査基準については、各銀行で公開していません。
ですが、申込に必要な項目(例えば、固定電話が必要等)は申込する銀行のWebサイトを見て確認するようにしましょう。
4-3.STEP3【登記完了前・後】必要書類をそろえる|数日~1週間
次に、申込銀行に必要な書類をそろえていきます。
法人口座の開設に必要な書類については、1-3.法人口座の開設に必要な書類|本人確認書類をはじめ、会社の実態や事業内容を確認できる書類で紹介しました。
一部の書類については、設立登記完了後でないとそろえることができないものや、税務署など各官公署への手続き後でないとそろえられません。
しかし、あらかじめどんな書類が必要で、どのように取得するのかを確認しておけば、取得できるようになったタイミングで、スムーズに準備することができます。
4-4.STEP4【登記完了後】口座開設を申し込む|数時間
法人登記が完了し、審査対策と必要書類の準備ができたら、いよいよ法人口座を申し込みます。
申込方法は、窓口・オンライン・郵送の3種類あり、申込する銀行によって方法が決められています。オンラインが口座開設まで最も早く、窓口の場合は面談も行われるケースが多いです。
申込についても、詳細は各申込する銀行のWebサイトをご確認ください。
4-5.STEP5【登記完了後】審査を通過できたら口座を開設できる|1~4週間
審査を通過できたら、無事法人口座を開設でき、各種サービスが利用できるようになります。
口座開設後は、会社設立前に個人口座に振り込んだ資本金を、法人口座に移すようにしましょう。
5.法人口座は銀行選びが最重要!陥りがちな失敗4選
法人口座は、最初に行う銀行選びが非常に重要です。
自社に合っていない銀行を選ぶと、ビジネスに役立つどころか、スムーズな会社経営の妨げになってしまいかねません。
本章では、銀行選びで陥りがちな4つの失敗事例を紹介します。同じ事態にならないよう、選び方の参考にしてください。
【銀行選びで陥りがちな4つの失敗事例】・都市銀行を選び、審査で落ちてしまった
・サービス内容をよく確認せず銀行を選んだら、使い勝手が悪かった
・手数料の高い銀行を選び、コストがかさんでしまった
5-1.申込準備が大変&審査期間が長い銀行を選び、開設までに時間がかかってしまった
選んだ銀行が、法人口座開設の申込準備が大変で、審査期間も長いところであったため、開設までに時間がかかってしまった、というのはよくある失敗事例のひとつです。
実際、「法人口座に関するアンケート」によると、法人口座を開設した人の中で、開設時に困ったこととして、「時間がかかった」ことを挙げた人が37.8%と最多数でした
(出典:創業手帳「経営者はどうやって法人口座を選んでいるのか? 」)。
会社を設立しても、法人口座が決まっていなければ、事業も経理業務も足止めされるという事態に陥ってしまいます。
繰り返しますが、法人口座開設に必要な書類・審査対策・審査期間は、銀行によってかなり差があり、準備から開設までの期間に大きく影響します。
参考に、3つの銀行の例を見てみましょう。
【銀行ごとの必要書類・審査対策・審査期間】GMOあおぞらネット銀行 | 審査対策 | 審査期間 | |
---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 | ・本人確認書類 ・下記書類1点以上 (Webサイト・締結調印済みの各種契約書の一式・他社発行の請求書、発注書、納品書 など) |
事業内容が分かる書類の用意が必要 | 最短即日~2営業日 |
銀行A | ・本人確認書類 ・履歴事項全部証明書(法務局に要申請) ・法人の印鑑証明書(法務局に要申請) ・建物登記簿謄本(法務局に要申請)または賃貸契約書 |
特別な審査対策は必要なし | 約1カ月 |
銀行B | ・本人確認書類 ・履歴事項全部証明書(法務局に要申請) ・法人の印鑑証明書(法務局に要申請) ・事業実態の確認できる資料 ・実質的支配者に関する届出書 |
固定電話必須 | 約2週間 |
上表を見ると、各銀行によって全く対応が異なることが分かりますね。
初めて法人口座を開設する場合は、手間なくスピーディーに開設できることが最優先事項のひとつです。
審査期間だけでなく、「必要書類はすぐにそろえられそうか」「審査条件は満たしているか」も、必ずチェックして申込銀行を決めましょう。
5-2.都市銀行を選び、審査に落ちてしまった
都市銀行を選び、審査に落ちてしまうのも、失敗例として多い事例です。
知名度の高い都市銀行の法人口座を持っていると、会社の対外的な信用度がより高くなります。そのため、会社にハクをつけようと、都市銀行で口座開設しようとするケースがよくあります。
しかし、都市銀行はほかの銀行よりも審査が厳しい傾向にあります。特に、設立したばかりで事業実績のない会社は、審査を通過するのは簡単ではありません。
設立間もない会社が、大手の都市銀行ばかりに申請をしていると、断られ続けて法人口座の開設が遅くなってしまいます。
都市銀行で法人口座を持ちたい場合でも、まずは設立直後でも比較的審査を柔軟に行っている信用金庫かネット銀行で申し込みましょう。
ある程度取引を積み重ねた後に、あらためて都市銀行に申し込むと、実績があるので審査に通りやすくなります。
5-3.サービス内容をよく確認せず銀行を選んだら、使い勝手が悪かった
サービス内容をよく確認せず銀行を選んだら、使い勝手が悪くて後悔してしまうケースも少なくありません。
例えば、店舗型銀行でも、金融取引をオンライン上で行うインターネットバンキングのサービスを提供していります。
しかし、そのサービス内容は銀行によって異なり、24時間365日利用できるところもあれば、夜間や土日は利用時間が制限されているところもあります。
利用時間が限られていることを知らずに開設すると、利用したいときに使えず不便に感じるでしょう。
同様に、開設した後に気づく使い勝手が悪い点として、下記の項目も挙げられます。
【開設した後に気づく使い勝手が悪い点(例)】・15時までしか当日振込扱いにできない
・税金や社会保険料の支払いに対応していない
・提携ATMが少ない
など
後から後悔しないように、自社の法人口座の利用シーンを想定して、必要な機能を兼ね備えている銀行を選ぶようにしましょう。
5-4.手数料の高い銀行を選び、コストがかさんでしまった
手数料の高い銀行を選んでしまい、いざ利用してみるとコストがかさんでしまったという失敗もよくあることです。
法人口座の費用については、1-2.法人口座にかかる費用|平均3,000円~15,000円/月で紹介しましたが、銀行によってかなり差があります。
例えば、インターネットバンキングは、無料で利用できるところもあれば、月額数千円の利用料がかかるところもあります。
振込手数料も、他行宛ての場合は安いところで145~200円、高いところでは500~600円です。1件あたりの金額差は数百円でも、月10件、20件と振込を行えば、年間では数万円の差額になるでしょう。
法人口座の費用で経営を圧迫しないよう、よく使うサービス内容の料金設定を比較して、銀行を選ぶことが大切です。
6.初めての法人口座開設で失敗したくないならネット銀行がおすすめ
前章の失敗談もふまえて、初めて法人口座を開設するなら、ネット銀行がおすすめです。
ネット銀行は、初めての法人口座に求められるニーズに対応したサービスが備わっています。
【初めての法人口座にふさわしいネット銀行の4つのメリット】・設立直後の会社でも審査を柔軟に対応してくれる
・24時間365日いつでも・どこからでも利用できる
・インターネットバンキング利用料無料&安い振込手数料でコストカットできる
具体的に、店舗型銀行(都市銀行・地方銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行)と比べるとそのメリットがよく分かります。
【ネット銀行と店舗型銀行の違い】ネット銀行 | 店舗型銀行 | |
---|---|---|
店舗 | 原則なし | あり |
ATM | 原則専用ATMなし コンビニ等にある提携ATMを利用 |
専用ATMあり |
営業時間 | 24時間365日利用可能 (システムメンテナンス時を除く) |
窓口:原則平日9時~15時 インターネットバンキング利用にも時間制限がある場合もある |
振込手数料 | 同行内:約0~100円 他行宛て:約150~250円 |
同行内:約100~200円 他行宛て:約250~350円 |
インターネットバンキング 月額利用料 |
0円~ | 約1,000~4,000円 |
口座開設の審査期間 | 約1~2週間 | 約2~4週間 |
審査の難易度 | 比較的柔軟 | 厳しい |
ネット銀行なら、会社設立後すぐに法人口座を持ちやすいので、事業のスタートダッシュを切れるでしょう。
そして、使い勝手が良く低コストなので、初めから業務の効率化と費用削減を期待できます。7.GMOあおぞらネット銀行|スピーディーな口座開設&おトクな手数料
ネット銀行の中でもおすすめしたいのはGMOあおぞらネット銀行です。
GMOあおぞらネット銀行は、下表のような強みを持ち、利用者さまに満足していただけるサービスを提供しています。
・振込手数料は145円で業界最安値水準!振込手数料月20回まで無料の開設特典あり
・便利なサービスが充実!使い勝手抜群
7-1.最短即日~2営業日で口座開設可能!スピーディーで手間のない口座開設
GMOあおぞらネット銀行では、スピーディーで手間なく法人口座を開設していただけます。
法人口座開設の特長は下記のとおりです。
【GMOあおぞらネット銀行法人口座開設】・印鑑レス・ペーパーレス・郵送レスで完全オンライン完結
・必要書類は《本人確認書類》と《事業内容確認書類1点以上》のみ(※1)
※1 申込内容によってはほかの書類の提出が必要になる場合もあります。詳細はこちら:法人口座ご利用までの流れ
申込準備の手間も少ないので、設立後すぐに法人口座を持つことが可能です。
7-2.振込手数料は145円で業界最安値水準!振込手数料月20回まで無料の開設特典あり
GMOあおぞらネット銀行は、他行宛ての振込手数料が145円/件と、業界最安値水準(※1)です。GMOあおぞらネット銀行間の振込手数料と口座維持費用は無料です。
※1 2024年4月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行。各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除く。
【GMOあおぞらネット銀行の手数料】振込手数料(当社間) | 0円/件 | |
---|---|---|
振込手数料 (他行宛て) |
通常 | 145円/件 口座開設月の翌々月まで(設立1年未満なら登記上の設立月から12カ月間)毎月20回まで無料 |
振込料金とくとく会員(※2) | 129円/件(月額利用料500円) | |
口座維持費用 | 0円 |
※2 振込料金とくとく会員:毎月末日に翌月分の月額利用料をお支払いいただくことで、各種サービスにて、さまざまな優遇を受けられる法人のお客さま向けサービスです。詳細はこちら:振込料金とくとく会員
さらに、口座開設月の翌々月までは他社宛ての振込手数料も、毎月20回まで無料になります。設立1年未満の会社なら、登記上の設立月から12カ月間、毎月20回無料です。
設立当初からGMOあおぞらネット銀行を利用すれば、法人口座にかかる経費を大きく抑えることができるでしょう。
7-3.便利なサービスが充実!使い勝手抜群
GMOあおぞらネット銀行は、便利な法人向けサービスを幅広く提供しています。
【GMOあおぞらネットの銀行の便利な法人向けサービス】・税金・社会保険料の口座振替、さらにPay-easy(ペイジー)も対応しているので法人に必要な支払いが網羅できる!
・代表口座1つにつき、追加口座を最大19口座まで開設可能
・総合振込利用で一度に最大9,999件の振込可能
・創業期・赤字でも借入可能な融資(利用)枠型ビジネスローン「あんしんワイド」
・安くて、早くて、便利な海外送金「GMOあおぞらネット銀行海外送金(法人)powered by Wise」
など
※税金や公共料金など一部キャッシュバック率が異なる利用先あり。キャッシュバック率の詳細はこちら
GMOあおぞらネット銀行は、システム開発を内製化しており、ユーザーが使いやすいサービス設計を行っています。
充実した法人向けサービスをさまざまなビジネスシーンで上手く活用し、経理の効率化や競争力の強化につなげていただければと思います。
まとめ
最後に、本文のポイントを振り返りましょう。
法人口座とは、事業のお金のやりとりをする法人名義の銀行口座のことです。
個人口座と比べて、下表の違いがあります。
【法人口座とは:個人口座との違い】項目 | 法人口座 | 個人口座 | |
---|---|---|---|
利用に ついて |
サービスの特長 | 融資や総合振込など 経営に役立つサービスが充実 |
生活に役立つサービスを展開 |
費用 | 平均3,000~15,000円/月 (インターネットバンキング利用料や維持費、サービス利用料等、 月々にかかる費用がある場合も) |
平均0~数千円/月 | |
開設に ついて |
必要書類 | ・本人確認書類 ・会社の実態や事業内容に関する書類2~8点 |
本人確認書類など2~4点 |
審査 | 個人口座よりも厳しく、断られる可能性もあり | 審査あり | |
審査期間 | 約1~4週間 | 約1週間(窓口だと即日の場合も) |
法人口座の開設は義務ではありませんが、下記の理由から、会社を設立したら法人口座をつくることを強くおすすめします。
【法人口座を必ず開設すべき理由3つ】2.個人の財産と分けて管理できるから
3.融資を受けやすくなるから
上記のメリットを得るためにも、できるだけ早く開設するようにしましょう。開設は下記手順で進めていきます。
【法人口座開設までの流れ】STEP2.審査対策を行う
STEP3.必要書類をそろえる
STEP4.口座開設を申し込む
STEP5.審査を通過できたら口座を開設できる
以上、あなたのビジネスに法人口座を生かせるよう、本記事が役に立てば幸いです。
※ 本コラムは2024年4月19日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。