イベント情報&レポート

最先端のFinTech「組込型金融」でセカイを変えよう!
組込型金融特化 ichibarハッカソン開催レポート

「ichibarハッカソン」の参加者(オフライン)と審査員の集合写真

2022年5月22日~29日に、当社主催の組込型金融に特化したハッカソンイベント「ichibarハッカソン」を、オンラインとG's ACADEMY原宿校舎のハイブリッド形式で開催しました。
ハッカソンとは、プログラマーや設計者などのソフトウエア開発者が、短期間に集中的に開発作業を行うイベントのことです。

本記事では、イベントの様子や入賞作品の概要、審査員の講評などをレポートします。 
※本レポートは2022年5月時点の情報です。

ichibarハッカソン概要

ichibarハッカソンは次のルールに沿って行われました。

・テーマ(以下のいずれかを選択)

  1. 銀行機能をみんなの手に渡せるプロダクトか
  2. 独創性と汎用性のバランスがとれたプロダクトか
  3. 技術的な実現性の高さ

・賞金
最優秀賞:50万円、優秀賞:30万円、特別賞:20万円
※希望者にはsunabarの「エンジニアコミュニティ」や「よろず開発支援室」、ichibarの「ビジネスアイデア検証環境」や「マーケットプレイス機能」などのサービスを通じて、製品化まで支援も可能です。

・期間
2022年5月22日~29日の8日間(168時間45分)

・審査員
矢澤 麻里子(Yazawa Ventures Founder and CEO)
ニューヨーク州立大学を卒業後、BI・ERPソフトウェアのベンダにてコンサルタント及びエンジニアとして従事。国内外企業の信用調査・リスクマネジメント・及び個人与信管理モデルの構築などに携わる。その後、サムライインキュベートにて、スタートアップ70社以上の出資、バリューアップ・イグジットを経験した後、米国Plug and Playの日本支社立ち上げ及びCOOに就任し、150社以上のグローバルレベルのスタートアップを採択・支援。出産を経て、2020年Yazawa Venturesとして独立。

佐野 健(Zoom ISVビジネスディベロップメントマネージャー)
ZoomでISVビジネスディベロップメントマネージャーとしてZoomをアプリやサービスに組み込むためのAPIやSDK製品の事業開発を担当。 IT業界で20年以上の経験を有し、Zoomの前は富士通、Microsoft、PayPal、Dropboxなどでシステムエンジニア、営業、マーケティング、事業開発、アライアンスなどに従事。

児玉 浩康(G’s ACADEMY ファウンダー デジタルハリウッド株式会社 執行役員)
25年間で11ブランドの新学校設立を総合プロデュース。デジタルハリウッドスクール総括後の2016年6月にG’s ACADEMY TOKYO BASEを設立。卒業生専用スタートアップ支援機関「DROCKETS」を創立し、創業指導や支援などをおこなう。年間で300本の創業企画メンタリングを実施中。卒業生による起業数が70社、資金調達額は累計80.5億円。

金子 岳人(当社 代表取締役会長)
細田 暁貴 (当社 執行役員 コーポレートコミュニケーショングループ長)
矢上 聡洋(当社 CTO)

Day1:ichibarハッカソンスタート!

「ichibarハッカソン」の初日となる5月22日に「ichibarハッカソン」の初日を迎え、参加数は12グループ、21名となりました。5月29日の審査会までの8日間(168時間45分)で、組込型金融を理解しながらアイデアを出していき、組込型金融作品の完成を目指します。初日をDay1とし、8日後の審査会をDay2とする日程を行われました。

「ichibarハッカソン」開催にあたり、当社代表取締役会長の金子は開会の挨拶で次のように語り、日本の組込型金融の発展への期待を寄せました。

金子「組込型金融は、世界では発展を見せているものの日本では成熟しているとは言えない状況です。みなさんの素晴らしい知恵、アイデア、エンジニアとしてのスキルや経験を結集していただき、ichibarハッカソンが日本の組込型金融の歴史の1ページとして刻まれることを期待しています。」

開会の挨拶を行う金子 岳人(当社 代表取締役会長)
ichibarハッカソンの開催により、日本の組込型金融の発展に期待を寄せる当社会長の金子。

続いて各チームの自己紹介と、ichibarハッカソンのテーマとなる組込型金融に関する概要説明とアウトプット要件の説明を行いました。銀行機能の開発環境として、当社の銀行APIの開発支援をするためのサンドボックス環境、sunabarの「銀行API実験場」のアカウント(*)を提供しました。
(*)sunabarの「銀行API実験場」のアカウントは当社の個人・法人いずれかの口座があれば20種類以上の当社銀行APIを無料で自由にお試しできます。当社の口座は最短即日で開設することが可能です。

組込型金融に関する概要説明と参加チームの自己紹介

ハッカソン開始にあたり、組込型金融に関する概要説明と参加チームの自己紹介が行われました。

そしていよいよ8日間にわたるichibarハッカソンがスタート、さっそく各々が開発やディスカッションを進めていきます。
ハッカソン期間中は、Slackによる質問の受付や相談会を行い、参加者が開発を進めやすくなるサポート体制を心がけました。

ハッカソン開始と同時に検討を始める各チーム

ハッカソン開始と同時に検討を始める各チーム。オンラインで打ち合わせするチームも目立ちました。

Day2-1:1チームの発表時間は12分。最終日に行われた審査会

最終日となる5月29日。会場では審査会の開始直前まで作品の調整を続けているチームが目立ちました。

審査会直前まで真剣に取り組む参加者の皆さん

審査会まであと30分と迫る中、真剣に取り組む参加者の皆さん。

審査会はG’s ACADEMYの児玉 浩康氏による進行で、下図の順で発表されました。

ichibarハッカソン審査会の発表順
計12チームによる審査会がいよいよ始まります。
G’s ACADEMY ファウンダーの児玉 浩康氏
進行を務めるG’s ACADEMY ファウンダーの児玉 浩康氏

1チームの発表時間はプレゼンテーション・デモンストレーション・質疑応答を含めて12分間で行われました。熱のこもった発表と審査員による鋭い質問が繰り広げられ、緊張感のある審査会が続きました。

ichibarハッカソン審査会の様子

審査会の様子。組込型金融に関するアイデアに富んだ様々なプレゼンテーションが続きました。

Day2-2:審議の結果、入賞チームが決定!

全12チームの発表が終わり、審査員による審議が行われました。
評価は接戦だったそうで、予定時間を超えた議論が審査室で行われていました。

ichibarハッカソン審議の様子
各審査員の採点をもとに、ディスカッションを進める審査員の表情は真剣そのものでした。

審議が終わり、最優秀賞、優秀賞、特別賞の3つのチームが次のように決定しました。

〇最優秀賞:贈与でお金の循環を加速(チーム名:FANCY)
作品内容:サービス内に生前贈与の電子契約を有し、贈与金額を送金する仕組み

チームFANCYによる、サービス内に生前贈与の電子契約を有し、贈与金額を送金する仕組み
チームFANCYによる、デモ画面
最優秀賞を受賞した「チームFANCY」は、わかりやすいプレゼンテーションと
sunabarを活用したデモンストレーションで好評を博しました。

最優秀賞を受賞したチーム「FANCY」は、組込型金融で贈与を簡略化したサービスを発表しました。
FANCYは発表時間の大半をデモンストレーションに割いていました。アカウントの作成と銀行口座の連携。そして贈与契約書の締結から、実際の振込(贈与)までの一連の動作を、実際の画面でプレゼンテーションしました。

質疑応答では、贈与だけでなく、募金などにも使える可能性にも触れ、この作品の汎用性の高さをアピールしていました。
社会性もあり、汎用的でありながらもこれまでありそうでなかった新サービスで、3つの審査基準に対してバランスよく高得点を獲得され、最優秀賞となりました。

最優秀賞発表の瞬間、ガッツポーズをするチームFANCY
最優秀賞を受賞したチームFANCY
最優秀賞が決まり大きなガッツポーズをする「チームFANCY」。
トロフィーと賞金が授与されました。

〇優秀賞:エシカルな事業者同士がつながるソーシャルネットワーク(チーム名:Pororo)
作品内容:他己紹介と金融機関による本人確認で、エシカルな事業者同士がつながる信頼性の高い個人間ネットワークを構築できるSNSを介した、決済・送金システム

チームPororoによる、エシカルな事業者同士がつながるソーシャルネットワーク
当社銀行口座を中心としてエシカル・チェーンが可視化されていく信頼のネットワーク
銀行のKYCと他己評価の活用などが評価されたチーム「Pororo」

優秀賞を受賞したチーム「Pororo」は、組込型金融を駆使して、SDGsを小規模事業者から推進するソーシャルネットワークサービスを発表しました。バックエンドにはFirebase、フロントエンドにはReact Nativeが使われています。

チーム「Pororo」はオンライン参加で、1人のチームでしたが、SDGsの現状や小規模事業者同士の信頼性を銀行口座で担保する概念といったサービス面の説明から、実際のデモンストレーションまでバランスよくプレゼンテーションしていました。
質疑応答でも、実際に動作するデモンストレーションに対しての評価が高く、マネタイズのポイントや小規模事業者同士の信頼性の担保など、サービスに対する踏み込んだ質問が行われていました。

SDGsという世界全体が目指すべきゴールに向けて、組込型金融の可能性を示し、銀行のKYCと他己評価を活用したことなどが評価され、優秀賞を受賞しました。

オンライン経由で授賞式を行うチームPororo
チーム「Pororo」はオンラインから1名での参加でした。

〇特別賞:Virtual Wallet(チーム名:シン・チルドレン)
作品内容:バーチャル空間で、日本円での支払い・チャージ機能を可能にするAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)とVR(バーチャル・リアリティ)のUI(ユーザー・インターフェイス)アセット提案

バーチャル空間でデモンストレーションを行うチームシン・チルドレン
現実空間ではVRゴーグルを着用
VRゴーグルを装着して、バーチャル空間でプレゼンテーションを行うチーム「シン・チルドレン」。

チーム「シン・チルドレン」は、バーチャル空間で現金(円)の.NET CoreとMicrosoft Azureで構成された、ウォレットサービスを実現するAPIと、Unityを使用したVRのUIアセットを発表しました、銀行APIはsunabarの振込依頼のAPIを使用しています。
発表時間では、バーチャル空間で銀行口座上の現金(円)の決済とチャージをするデモンストレーションを、実際にVRゴーグルを装着して行われました。
仮想通貨ではなく現金(円)を流通させることで、仮想空間に経済インフラを構築することをコンセプトのひとつとして挙げていました。質疑応答でも、バーチャル空間で現金(円)を扱う仕組みと運用方法に質問が集中していました。

メタバースのプラットフォーマーに対し金融機能を提供が可能となる、まさに組込型のパーツといえるサービスであることが評価され、特別賞を受賞しました。

特別賞を受賞したチームシン・チルドレン
メタバースのプラットフォーマーに対し金融機能を提供するサービスが評価されたチーム「シン・チルドレン」。

審査員からの総評・講評

矢澤さま「本イベントの機会を活用して、GMOあおぞらネット銀行さんに提案をしたり、今回をきっかけにご自身の気づきを新たな技術につなげて、ぜひ起業いただきたいです。私はVCなのでご出資できる機会があればと考えています。」

佐野さま「様々な銀行APIがあるなかで、チーム「Pororo」が提案したKYCによる本人確認のAPIを使って信用度を高める仕組みについて、組込型金融の可能性を強く感じました。」

参加チームを労うYazawa Venturesの矢澤さま(左)とZoomの佐野さま(左)
参加チームを労うYazawa Venturesの矢澤さま(左)とZoomの佐野さま(左)。

金子「みなさんの作品は私の想像を超えるほど成果の高いものばかりでした。ichibarハッカソンが日本の組込型金融の歴史の1ページになったのではないかと私は思っています。今回は本当にありがとうございました。」

細田「組込型金融のハッカソンは珍しいと思い、テーマ選びも難しかったと思いますが、果敢にチャレンジした12チームの方に本当に感謝いたします。」

矢上「sunabarと銀行APIを使って、こんなにも新しいチャレンジを見せてくれたことに、開発スタッフを含め感動を覚えています。イベント期間中にsunabarの機能に対するご要望もいただきましたが、今後も要望があればぜひ教えてほしいです。」

総評を行う当社の金子(左)、細田(右上)、矢上(右下)
イベントを通して組込型金融の質の高い発表が続き、当社の金子(左)、細田(右上)、矢上(右下)の総評も熱のこもった内容に。

ichibarハッカソンを終えて

ハッカソン終了後には参加者と審査員を交えた懇親会が行われました。積極的に組込型金融に関して質問をする参加者も多く、深いコミュニケーションが行われていました。

8日間(168時間45分)で組込型金融を理解しながらアイデアを出し、組込型金融の作品を完成させることは容易なことではないと思います。走り切ってくださった参加者のみなさまには本当に感謝いたします。

ichibarハッカソン参加チーム一覧

最優秀賞:FANCY
優秀賞:Pororo
特別賞:シン・チルドレン

株式会社vanishing company
地方の旅館に売上と宿泊客を届ける
技術戦線
めちゃラク
一橋チーム
パラチョコ
kikikiさんと他99名
sumire
※受賞、審査会発表順

ハッカソン終了後には参加者と審査員を交えた懇親会が行われました。積極的に組込型金融に関して質問をする参加者も多く、深いコミュニケーションが行われていました。

8日間(168時間45分)で組込型金融を理解しながらアイデアを出し、組込型金融の作品を完成させることは容易なことではないと思います。走り切ってくださった参加者のみなさまには本当に感謝いたします。

当社CTOの矢上の総評にあったように、sunabarを活用して実際に画面で動作する作品が次々と発表される光景は、組込型金融に関わるスタッフとして壮観でした。今後も多くの方に、FinTechの最先端である組込型金融の一端を気軽に試せるsunabarで、組込型金融の可能性に触れてほしいと感じました。

ichibarハッカソンに参加されたチームの皆さまとは、sunabarの「エンジニアコミュニティ」や「よろず開発支援室」、ichibarの「ビジネスアイデア検証環境」や「マーケットプレイス機能」などのサービスを通じて、製品化まで支援も想定しています。参加者の皆さまが開いてくださった、日本における組込型金融の歴史の1ページを開くため、当社は全面的にバックアップしていけたらと思います。

また今回のichibarハッカソンに参加できなかったエンジニアやスタートアップ企業の皆さまで、FinTechや組込型金融にご興味のある方は、sunabarとichibarは常時開設中ですので、活用をぜひご検討ください。

「ichibarハッカソン」の参加者(オフライン)と審査員の集合写真
受賞者を囲んでの集合写真。参加者のみなさまありがとうございました!
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