よろず開発支援室|活用事例(株式会社MEMEさま)
子供の金融リテラシー教育を組込型金融で支援!
株式会社MEMEさま
スタートアップ企業の株式会社MEME(ミーム)さまと当社は、子ども向けの金融教育サービスの提供を目的に業務提携を締結しました。当社は「かんたん組込型金融サービス」で、MEMEの子ども向け金融教育サービス「manimo(マニモ)」(以下、manimo)の2022年夏ごろの提供開始に向けて支援してまいります。
「manimo」はデビットカードと連携してお手伝いをしてお金を「稼ぐ」「貯める」、そして「使う」「管理する」といった金融リテラシーを親子で学び、育むことができる先進的なサービスです。今回の業務提携は、当社のsunabar「よろず開発支援室」へMEMEさまからお問い合わせをいただいたことがきっかけです。
MEMEさまが、「よろず開発支援室」にお問い合わせされた経緯や、当社との業務提携に至る過程、そして子どもの金融リテラシー向上を目的に開発された「manimo」サービスに対する想いをうかがいました。
株式会社MEME:https://memetech.co.jp
※ 掲載されている内容はインタビュー当時のものになります。
記事作成日:2022年4月5日
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株式会社MEME 代表取締役
齋藤 舞さま -
貿易会社にて海外事業部にて貿易業務・バイヤー業務、新規事業の企画・広報に従事。2019年8月に株式会社エムズインクを設立。お母さんと赤ちゃんの為の金融教育セミナーの企画・運営を行う。2021年3月に自身も産後お金について悩んだ経験と親子の金融教育セミナーを行ったときの課題が忘れられず、株式会社MEME設立。株式会社エムズインクを任期満了で退任。
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株式会社MEME 代表取締役
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株式会社MEME 取締役/エンジニア
鈴木 一成さま
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株式会社MEME 取締役/エンジニア
子供のころ、だれも教えてくれなかった「金融の教育」
「MEME設立のきっかけのひとつに、当時話題になっていた老後2,000万円問題がありました。結婚・出産を機に教育費用と老後資金について、ファイナンシャルプランナーと算出をしたところ、2,000万円では足りなかったのです。これでは生きていけないと思いました。」開口一番、齋藤氏はそう語られました。
生きる上で重要なお金の問題を、なぜいまさら突き付けられなければいけないのか、齋藤氏は大きな疑問を持ったと言います。そして当時企画・運営に携わった「お母さんと赤ちゃんの金融教育セミナー」において、さらにその疑問が深まったと言います。。出産後の資産運用を目的としたセミナーでしたが、齋藤氏を含め周りのお母さんたちもお金・金融に関する深い知識をもっておらず、資金運用を行うノウハウや元手が乏しいという状態の方が多い印象だったそうです。そこで齋藤氏はひとつの大きな疑問を持ったといいます。
齋藤氏「生きていくのに必要不可欠な、家計管理や貯蓄について、なぜ教わってこなかったのか、教わる場がなかったのか、子供のころから金融教育を受ける機会がなかったのか、大きく疑問に思いました。海外を見ると、義務教育として小学生のころからお金に関して教わる環境があり、日本の金融教育の遅れを感じました。」
子どもの金融教育に関する教科書は日本国内にも存在していますが、子どもに本を渡しただけではなかなか身につきません。実際、齋藤氏も、自身が中学生のころ、父親から株式投資の本を渡されたものの、興味を持てずに終わった経験があったそうです。
齋藤氏「そこでテクノロジーと教育を組み合わせ、さらに実際に家庭内でお金を流れを親子で共に体験し習慣化することで、金融リテラシーが身につくのではないか。そうした想いで「manimo」のサービスを立ち上げることにしました。」
「manimo」が目指す実践的な金融教育
齋藤氏「manimo」の革新性は、子どもが安全に使えるか、そして親が安心して子どもに使わせることができるのか、つまりサービスの使い手である“子ども”にフォーカスした決済サービスである点にあります。
「manimo」は、「働き(おてつだいをする)」、お金を「稼ぐ」「貯める」「使う」「管理」という4つの機能を柱としたサービスとなっています。
プライベートアクセス
- ※ 本サービスのご利用には、MEMEさまの「manimo」サービスサイト、ならびに「manimo」アプリから、「manimo」サービスご利用者さま向け専用支店「マニモ支店」での親御さま(親権者)およびお子さまの口座開設申込が必要となります。サービスの詳細が決定いたしましたら、MEMEや当社Webサイトなどでお知らせいたします。
- ※ 上記ビジュアルはイメージです。「manimo」アプリの実際のデザインは変更となる場合がございます。
齋藤氏の調査によると、もらったお小遣いをすぐに全額使い切ってしまうお子さまも多いと言います。そこで「manimo」は、お金を「貯める」だけでなく、計画的に「管理」できる金融リテラシーを身につけることを目的にサービス設計を行っています。具体的には「使えるお金」と「貯めるお金」に分けて管理できる機能です。貯めるお金は、目的・目標別に分類することができ、親子ではもちろん、子どもが自身でルールを決めてお金を「管理」することができます。
齋藤氏「どれだけ稼いでも、使ってしまえばお金は残らないし、マイナスにもなってしまう、ということを小さいときから学んで欲しいです。またご家庭によって変化する経済状況に左右されず金額を設定することができるのも「manimo」サービスならではの大きな魅力のひとつだと思います。」
日本では学習指導要綱の改定により2022年度から高校生に対しての金融教育が本格的にスタートします。10歳から使うことができる「manimo」サービスも、現在の若年層への金融教育をスタートさせる世の中の流れとマッチしており、ますます期待が高まります。
デビットカードと銀行APIで知った当社のよろず開発支援室
齋藤氏「manimoを実現させるにあたり、最初はほかの決済手段や家計簿アプリのみでの実現も考えていましたが、manimoで実際に現金やATMを子どもに使ってもらうことに意味があると考えました。そこでデビットカードを通じて現金が利用でき、銀行APIとの接続により、「manimo」アプリ内で、シームレスな支出管理が実現できる「かんたん組込型金融サービス」を提供しているGMOあおぞらネット銀行にお問い合わせしました。」
「GMOあおぞらネット銀行が提供している無償のAPI実験場「sunabar(スナバー)」の存在も大きかった」と語るのは、株式会社MEME 取締役 兼 エンジニアの鈴木一成氏。
鈴木氏「問い合わせと同時にsunabarの銀行API実験場も利用しました。sunabarで技術検証を行いながら問い合わせできたので適切に問題が抽出できました。」
また、銀行APIの利用料の安さも当社を選んだ大きな理由になったそうです。
齋藤氏「API利用料はハードルのひとつでした。manimoは少額で複数の取引を行う場合も考えられます。例えば子どもが10円送金するだけで、10円以上の利用料を支払うことになるとサービスが成り立ちませんから。」
「manimo」で採用されている当社「かんたん組込型金融サービス」
共存ができる「かんたん組込型金融サービス」
齋藤氏がよろず開発支援室に問い合わせてまず感じたのは「GMOあおぞらネット銀行のかんたん組込型金融サービスを使えば、MEMEのサービスの世界観を損なうことなく、金融機能を組み込むことが可能だ。」という点だったと言います。
齋藤氏「他社さまとも協議を進めていましたが、どうしても他社のサービスや決まりごとに依存するサービスになると感じていました。しかしGMOあおぞらネット銀行さんとディスカッションを進めていくうちに、依存せずに、むしろ共存できるのではないかと感じました。」
齋藤氏によると、海外ではチャレンジャーバンク対銀行、日本ではベンチャー企業と銀行の市場争いをしているというイメージが少なからず存在すると言います。しかしGMOあおぞらネット銀行との協議の中では、そうした業態や市場の垣根を感じることはなかったと、齋藤氏は語ります。
齋藤氏「デビットカードを15歳以下のお子さまが所有し利用することについて、法律上の問題はありませんでしたが、前例がありませんでした。前例がないことに対してもGMOあおぞらネット銀行さんとはさまざまなケースを想定して協議を重ねることができました。」
また齋藤氏は、当社との業務提携に関しての質問をほかのスタートアップ企業の担当者からもらう機会が増えたと言います。MEMEさまとの業務提携にいたるまで、フロントにたって協議を進めてきた当社CTOの矢上は、次のように語ります。
矢上「当社でも金融教育を広げたいという想いを以前よりもっておりました。また、銀行APIを活用し、事業の効率化・拡大を目指す企業さまの支援をさらに進めていきたいと考えていたところ、MEMEさまより「よろず開発支援室」にお問い合わせをいただきお取り組みがスタートしました。」
No.1テクノロジーバンクを目指す当社のサポート体制
鈴木氏「最初の打ち合わせから、GMOあおぞらネット銀行のエンジニアの方が同席され、技術的な質問をその場で議論できたため、その後のお話もスムーズに進めることができました。」
齋藤氏「サービスを実現させるのにあたって、実現の可能性やオペレーションなど多岐に渡って検討すべき課題がありましたが、GMOあおぞらネット銀行さんと、都度協議しサポートいただいたからこそ「manimo」サービスの提供に向けて準備を進めることができたと思います。この経験は、MEMEにとっても今後の強みになってくると思います。銀行はとてもお堅いイメージがありましたが、GMOあおぞらネット銀行さんとはレスポンスが早くコミュニケーションが取りやすいため、今後もたくさんご相談したいと考えています。」
矢上 「当社社員の4割近くがエンジニアです。そのため、当社はシステム開発を内製化している強みを武器に、スピード感をもって、スタートアップ企業さまのニーズにもお応えしています。お困りのことがございましたら、ぜひお気軽に「よろず開発支援室」といった当社サービスのご利用問わず、お問い合わせいただければと思います。」
FinTechとスタートアップ企業さまのビジネスを加速させるよろず開発支援室
日本の金融教育の現状が株式会社MEME設立のキッカケとなり、「manimo」サービスの提供に向けて日夜開発を続けている齋藤氏。開発で忙しい時期にも関わらず、わざわざ当社に足を運んでいただき取材を受けてくださいました。当社までお越しいただいた理由を尋ねると、「弊社(株式会社MEME)のオフィスはまだ写真映えしないんです(笑)」との答えが。取材を通して感じたサービスを広く、より良く知ってもらいたいという強い信念とこだわりを感じることのできる一コマでした。
当社は新しいFinTechサービスやスタートアップ企業さまを支援する取り組みとして、よろず開発支援室を提供しています。具体的に銀行の機能をどのようにサービスやビジネスに組み込むことができるのか、その先に広がるUXなど、ご相談の段階から当社の組込型金融チームがサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
お気軽にご相談ください
よろず開発支援室では、組込型金融に関わる事業に関するご相談を幅広く承っています。エンジニアを含む当社の組込型金融チームがスピーディーに対応いたします。
主なご相談の例
「既存のサービスに銀行APIを組み込む際のサポートを受けたい」
「デビット機能付きキャッシュカードを、自社サービスに組み込みたい」
「新しい金融サービス構築に必要な、金融ライセンスに関してアドバイスが欲しい」
「自社サービスに最適な金融機能や、その組み合わせ・活用方法の提案が欲しい」
「組込型金融で、自社の顧客ニーズやペインにお応えする方法を相談したい」
など、さまざまなご相談にお答えします。
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当社のかんたん組込型金融サービスでは、銀行APIをお試しいただけるサンドボックス「sunabar-GMOあおぞらネット銀行API実験場-」、組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)の理解を深めることやビジネスのマッチングも可能なコミュニティ、そして開発した組込型金融パーツを出品させることができるマーケットプレイスをご用意しています。
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