
経費削減は、企業の利益率を高めるうえで欠かせない取り組みです。特に固定費や変動費の見直しは、業績改善の第一歩となります。しかし、むやみに経費を削ると、業務効率や品質の低下につながる恐れもあります。
本記事では、固定費・変動費の具体的な削減方法と、優先すべき項目、さらには削減によるリスクについて分かりやすく解説していきます。ぜひ、バランスの取れた経費削減を行う参考にしてください。
目次
1.固定費・変動費などの経費を削減する目的とは
経費削減の目的は、企業の利益を最大化することにあります。特に固定費や変動費の見直しは、経営資源を効率的に活用するための重要な手段と言えるでしょう。
固定費は、売上に関わらず発生する費用であり、変動費は生産量や売上に応じて変動する費用です。これらの経費を適切に管理することで、無駄を省き、資金繰りを改善することが可能になります。
また、経費削減は競争力を高めるためにも欠かせません。市場環境が厳しい中でコストを抑えることは、価格競争において優位に立つために重要です。
さらに、経費を見直すことで、企業の財務状況を健全に保ち、将来的な投資や成長のための資金を確保することにもつながります。このように、固定費・変動費の削減は、企業の持続的な成長を支える基盤となるのです。
2.固定費・変動費に含まれる項目とは
経費削減を考えるうえで、まず理解しておくべきなのは固定費と変動費の違いです。それぞれ見ていきましょう。
2-1.固定費の項目とは
固定費とは、企業が営業活動を行ううえで、売上の増減に関わらず一定の金額が発生する費用のことを指します。主な固定費の項目には、賃料、給与、保険料、光熱費、減価償却費などがあります。
まず、賃料はオフィスや店舗の賃貸契約に基づいて発生する費用で、立地や面積によって大きく変動します。給与は従業員に支払う賃金で、企業の人件費の中でも大きな割合を占めます。さらに、保険料は企業が加入している各種保険に対する支払いで、リスク管理の一環として重要です。
光熱費も固定費の一部であり、電気や水道、ガスなどの基本料金が含まれます。これらは使用量に応じて変動する部分もありますが、基本的な料金は固定的に発生します。減価償却費は設備や資産の価値が時間とともに減少することを反映した費用で、企業の財務状況を把握するうえで重要な指標となります。
これらの固定費を見直すことは経費削減の第一歩であり、企業の利益率を向上させるために欠かせない取り組みです。
2-2.変動費の項目とは
変動費とは、企業の生産や販売量に応じて変動する費用のことを指します。つまり、売上が増えれば増えるほど、または生産量が増えれば増えるほど、これらの費用も増加するという特性があります。変動費の具体的な項目には、主に原材料費、製造コスト、販売手数料、支払手数料(振込手数料など)、運送費、広告宣伝費などが含まれます。
原材料費は、製品を製造するために必要な材料の購入にかかる費用であり、製品の生産量に直接影響を受けます。製造コストは、製品を作るためにかかる人件費や設備の稼働費用などが含まれ、これも生産量に応じて変動します。販売手数料は、販売した商品に対して支払う手数料で、販売量が増えるとその分だけ増加します。
また、運送費は商品の配送にかかる費用で、配送量や距離によって変動します。広告宣伝費も、キャンペーンやプロモーションの実施に応じて変わるため、売上の状況に大きく影響されます。
このように、変動費は企業の業績に密接に関連しており、適切に管理することで経費削減や利益の最大化が可能となります。
3.固定費の削減方法
経費削減は、企業の持続可能な成長を支える重要な要素です。特に固定費と変動費の見直しは、経営資源を効率的に活用するための第一歩となります。このセクションでは、固定費と変動費の削減方法について具体的に解説します。
まず、固定費の削減方法について、効果的なものをご紹介します。
3-1.アウトソーシングの活用
アウトソーシングは、企業が特定の業務を外部の専門業者に委託する手法です。自社内で行うよりもコストを抑えられる場合が多く、専門的な知識や技術を持つ外部の業者に任せることで、業務の効率化も図れます。
例えば、経理や人事、ITサポートなどのバックオフィス業務は、アウトソーシングによって人件費を大幅に削減できる可能性があります。これにより、企業はコアビジネスに集中でき、より高い付加価値を生み出すことが可能になります。また、アウトソーシングを利用することで、必要な時に必要なリソースを柔軟に確保できるため、変動費の管理にも役立ちます。
ただし、アウトソーシングを行う際には業者選定が重要なポイントとなります。信頼性や実績、コストパフォーマンスをしっかりと評価し、自社のニーズに合った業者を選ぶことが成功の鍵と言えます。適切なアウトソーシングを行うことで、経費削減だけでなく、業務の質向上にもつながるでしょう。
3-2.残業の削減
残業の削減は、企業の固定費を見直すうえで非常に重要な施策です。残業が多くなると労働時間が増えるだけでなく、従業員の給与も増加し、結果的に企業の経費が膨らむ原因となります。さらに、長時間労働は従業員の健康やモチベーションにも悪影響を及ぼすため、業務効率の低下を招くリスクもあります。
残業を削減するためには、まず業務の見直しが必要です。業務プロセスを整理し、無駄な作業を排除することで効率的に業務を進めることが可能になります。また、タスクの優先順位を明確にし、重要な業務に集中することで、時間の使い方を最適化することもできます。
さらに、チーム内でのコミュニケーションを強化し、業務の進捗状況を共有することも効果的です。問題が早期に発見され、なおかつ迅速に対処できるため、残業を減らすことができるでしょう。
加えて、フレックスタイム制度やリモートワークの導入も、従業員が自分のライフスタイルに合わせて働ける環境を提供し、残業を減少させるのに効果的な方法です。
3-3.オフィス賃料の見直し
オフィス賃料は、企業にとって大きな固定費の一つです。特に都市部では賃料が高騰しているため、経営に与える影響は計り知れません。
まず、現在のオフィスの立地や広さを再評価します。業務のスタイルや従業員数に応じて、必要なスペースを見極めることで、無駄な賃料を削減できます。例えば、リモートワークの導入により、オフィスの面積を縮小することが可能な場合もあります。
次に、賃貸契約の見直しも重要です。契約更新のタイミングで、賃料の交渉を行うことや、ほかの物件と比較検討することで、より良い条件を引き出すことができます。また、長期契約を結ぶことで賃料を固定化し、将来的なコストの予測を立てやすくすることも一つの手段です。
さらに、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用も検討してみましょう。これらの選択肢は柔軟なスペース利用が可能であり、必要に応じてコストを調整できるため、経費削減に大きく寄与します。
3-4.節電・節水
節電や節水も、経費削減に大きな効果があります。これらは直接的なコスト削減だけでなく、環境への配慮や企業の社会的責任(CSR)を果たすうえでも重要な取り組みと言えるでしょう。
まず、節電について考えてみましょう。オフィス内の照明をLEDに変更することで、電力消費を大幅に削減できます。また、使用していない部屋の照明をこまめに消す、パソコンやコピー機などの電源を使わないときには切るといった小さな習慣も、積み重ねることで大きな効果を生むことができます。さらに、エネルギー効率の良い機器を導入することも、長期的なコスト削減につながります。
次に、水道料金の削減には、トイレや洗面所の水栓に節水型の器具を取り入れることが効果的です。また、業務の中で水を多く使用する場合は使用量を見直し、必要な分だけを使う意識を持つことが重要です。例えば、洗浄作業や清掃時に水の使用量を減らす工夫をすることで、無駄な水道代を抑えることができます。
3-5.デジタル化の推進
デジタルツールやシステムを導入すると、業務の効率化やコスト削減が実現できます。例えば、ペーパーレス化を進めることで、印刷費や保管スペースのコストを大幅に削減することが可能です。また、クラウドサービスを利用することで、サーバーの維持管理にかかる固定費を軽減し、必要な時に必要な分だけのリソースを利用できる柔軟性も得られます。
さらに、業務プロセスの自動化も重要です。例えば、経理業務や顧客管理を自動化することで、人的リソースを削減し、業務のスピードを向上させることができます。従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、全体の生産性が向上するでしょう。
デジタル化を進める際には、初期投資が必要となる場合もありますが、長期的にはコスト削減や業務効率の向上につながるため、十分なリターンが期待できます。
また、経理業務のデジタル化も効果的です。例えば、ネット銀行を活用すれば、振込のためにわざわざ銀行の窓口やATMに行く必要がなくなり、業務時間を大幅に短縮できます。これにより、人件費という固定費の削減にも間接的に貢献します。
4.変動費の削減方法とは
変動費は、売上や生産量に応じて変動する経費ですが、具体的にはどのような削減方法が効果的なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
4-1.ネット銀行に切り替える
意外と見過ごされがちなのが、銀行の振込手数料です。仕入れ先への支払いや各種経費の振込など、事業を行っていれば必ず発生するこの手数料も、積み重なれば大きなコストになります。
店舗型銀行に比べ、ネット銀行は店舗を持たない分、振込手数料が安価に設定されているケースが多いです。毎月の振込件数が多い企業ほど、ネット銀行に切り替えるだけで、毎月数千円〜数万円のコスト削減につながる可能性があります。
さらに、メリットは振込手数料に限りません。銀行によっては毎月発生する口座維持手数料が無料であったり、そのほかの手数料も低く設定されていたりします。こうした日常的な取引コストを総合的に抑えられる点が、ネット銀行の大きな魅力です。
例えば、GMOあおぞらネット銀行は、他行宛ての振込手数料が一件あたり143円と業界最安値水準(※1)なのはもちろん、口座維持手数料も無料です。ネット銀行への切り替えによるコスト削減効果を最大限に引き出したいとお考えなら、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。
※1:2026年1月時点の各社公表資料等による当社調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行を対象にしています。また、各社の手数料割引のプログラムや期間限定のキャンペーン、当社提携サービス口座等は除いております。
また、ネット銀行は、原則24時間いつでも取引ができるため、業務の効率化にも寄与します。店舗に足を運ぶ必要がなく、オンラインでの手続きが完結するため、時間の節約にもつながります。また、ネット銀行は多くの場合、スマートフォンアプリを通じて簡単にアクセスできるので、経理業務の負担を軽減することができます。
加えて、ネット銀行は資金管理の面でも優れた機能を提供しています。リアルタイムで残高や取引履歴を確認できるため、資金の流れを把握しやすく、無駄な支出を防ぐ手助けとなります。企業はより戦略的な資金運用が可能となり、経費削減の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
4-2.仕入れ方法・量の見直し
企業が商品やサービスを提供する際は、仕入れコストが発生します。
経費を削減するには、まず、仕入れ先の選定を見直します。複数の仕入れ先から見積もりを取り、価格や条件を比較しましょう。また、長期的な関係を築くことで、ボリュームディスカウントや特別な条件を引き出すことも可能です。
次に、仕入れの量についても再評価が必要です。過剰な在庫は、保管コストや廃棄リスクを引き起こすため、需要予測を基に適切な量を仕入れることが重要です。需要の変動に応じて柔軟に対応できる仕入れ体制を整えることで、無駄なコストを削減し、資金の流動性を高めることができます。
さらに、仕入れ方法のデジタル化も効果的です。オンラインプラットフォームを活用することで、リアルタイムでの価格比較や在庫管理が可能になり、効率的な仕入れが実現します。これにより、業務の効率化とコスト削減を同時に達成することができるでしょう。
4-3.値引きの抑制
変動費の削減において重要なポイントの一つが、値引きの抑制です。企業が商品やサービスを提供する際、競争が激化する中で値引きを行うことは一般的ですが、これが利益率を圧迫する要因となります。特に、頻繁に値引きを行うことで、顧客が「通常価格では購入しない」と感じるようになり、長期的にはブランドの価値を損なうリスクもあります。
値引きを抑制するためには、まずは商品の価値を明確に伝えることが重要です。顧客に対して、なぜその価格で提供しているのか、商品の品質やサービスの特徴をしっかりとアピールすることで、値引きなしでも購入を促すことが可能になります。また、顧客のニーズに応じた付加価値を提供することで、価格競争から脱却することも一つの手段です。
さらに、値引きの代わりにキャンペーンや特典を用意することで、顧客の購買意欲を高めることができます。例えば、購入金額に応じたポイント還元や、次回購入時の割引クーポンを提供することで、顧客にとっての魅力を維持しつつ、利益を確保することができるでしょう。
4-4.過剰在庫の回避
過剰在庫は、企業にとって大きな負担です。在庫が多すぎると、保管コストや管理コストが増加し、資金繰りにも悪影響を及ぼしますし、在庫が古くなることで商品価値が下がり、最終的には廃棄処分を余儀なくされることもあります。
過剰在庫を防ぐためには、需要予測を正確に行うことが不可欠です。市場の動向や顧客のニーズを把握し、適切なタイミングで必要な量だけを仕入れることが求められます。また、在庫管理システムを導入することにより、リアルタイムで在庫状況を把握し、適切な発注を行うことが可能になるでしょう。
さらに、仕入れ先とのコミュニケーションを密にし、柔軟な発注体制を整えることも効果的です。例えば、少量多頻度での発注を行うことで、在庫を最小限に抑えることができます。
5.まずは固定費から削減していくべき
経費削減を進める際は、まず固定費から削減することをおすすめします。賃料や人件費、保険料といった費用は、企業の経営において大きな負担となることが多く、見直しを行うことで即効性のあるコスト削減が期待できるためです。
また、固定費の削減は、企業の利益率を向上させるだけでなく、資金繰りの改善にもつながります。特に、経済環境が不安定な時期や業績が伸び悩んでいる場合には、固定費の見直しが重要な戦略となるでしょう。
さらに、固定費の削減は、企業の競争力を高める要因ともなります。経費を効率的に管理することで、余剰資金を新たな投資や人材育成に回すことができ、結果として企業全体の成長を促進することができます。
6.経費を削減しすぎると起こりうるリスク
経費削減は企業にとって重要な戦略ですが、過度に削減しすぎるとさまざまなリスクを伴います。詳しく見ていきましょう。
6-1.社員のモチベーションが低下する
経費削減を進める中で、特に注意が必要なのは社員のモチベーションへの影響です。経費を削減するために、給与や福利厚生の見直しを行うと、社員は自分の価値が低く評価されていると捉えてしまうでしょう。このような状況が続くと、社員の士気が下がり、業務への取り組みが消極的になる恐れがあります。
また、経費削減の一環として、残業を減らすことや人員削減を行う場合も、社員の不安感を招く要因となり得ます。特に、業務量が変わらない中で人員が減少すると、残された社員にかかる負担が増え、ストレスが溜まることも予想できます。仕事の効率が低下し、結果的には企業全体の生産性にも悪影響を及ぼすでしょう。
さらに、社員が自分の仕事に対して誇りを持てなくなると、創造性や革新性が失われ、企業の成長を妨げる要因にもなりかねません。経費削減は重要ですが、社員のモチベーションを維持するためには、単なるコストカットではなく、社員の意見を尊重し、働きやすい環境を整えることが不可欠です。
6-2.商品の質が低下する
経費削減を進める中で、特に注意が必要なのが商品の質の低下です。コストを削減するために原材料の質を落としたり、製造プロセスを簡略化したりすることは、一時的には経費を抑える効果がありますが、長期的には企業にとって大きなリスクを伴います。
顧客は品質の高い商品を求めており、質が低下すれば顧客満足度が下がり、リピート率の低下や新規顧客の獲得が難しくなる可能性があります。
また、商品の質が低下することで、SNSや口コミで悪評が瞬時に広がりかねません。
経費削減を行う際には、効率的な生産方法を導入することでコストを抑えつつ、品質を確保する工夫が必要です。
6-3.ブランドイメージ・顧客からの信頼が低下する
経費削減を進める中で、特に注意が必要なのがブランドイメージや顧客からの信頼の低下です。企業がコストを削減する際、品質やサービスの低下が直接的な影響を及ぼすことがあります。
例えば、製品の品質を維持するために必要な材料や人員を削減すると、顧客が期待する品質を提供できなくなる可能性があります。これにより、顧客の不満が高まり、リピート率が低下することが考えられます。
また、顧客サービスの質を落とすことも、ブランドイメージに悪影響を及ぼします。例えば、サポート体制を縮小したり、対応時間を短縮したりすると、顧客からの信頼を失うリスクが高まるでしょう。顧客は、企業が自分たちのニーズに応えてくれるかどうかを常に見ています。サービスの質が低下すれば、顧客はほかの競合に流れてしまうかもしれません。
さらに、ブランドイメージは長年の努力によって築かれたものです。一度失った信頼を取り戻すのは非常に難しく、場合によっては企業の存続に関わる問題となることもあります。
経費削減を行う際には、短期的な利益だけでなく、長期的なブランド価値や顧客との関係を考慮することが重要です。
まとめ
本記事では、固定費と変動費の具体的な項目や、それぞれの削減方法について詳しく解説しました。
特に、固定費の削減は業務の基盤を支える重要なステップであり、アウトソーシングやオフィス賃料の見直し、デジタル化の推進など、多様なアプローチが考えられます。
一方で、変動費の管理も重要です。仕入れ方法の見直しや過剰在庫の回避など、柔軟な対応が求められます。
まず着手しやすいのが「銀行手数料の見直し」です。GMOあおぞらネット銀行のように、手数料の安いネット銀行に切り替えることは、リスクを抑えながらすぐに効果を実感できる有効な一手です。
経費削減を進める際には、業務効率や品質の低下を招かないよう注意が必要です。削減しすぎることで、社員のモチベーションやブランドイメージに悪影響を及ぼすリスクもあるため、バランスを保つことが重要です。
経費削減は単なるコストカットではなく、企業の競争力を高めるための戦略的な取り組みです。今後の経営において、固定費と変動費の見直しを通じて、持続可能な成長を目指していきましょう。
※本コラムは2026年1月30日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

