金融犯罪の詳細
お客さまの大切な財産を騙し取ろうとする金融犯罪は、警察がどれだけ注意を促しても一向に減りません。
なぜ減らないのでしょうか。その理由は、犯人は人を騙す専門の「プロ集団化」しているからです。
彼らは人間心理に精通しており、複数の共謀者と役割分担し、よくできたシナリオと迫真の演技によって、実に巧みに人を騙します。
そんな金融犯罪も、普段からの心構えと、簡単な備えだけで、必ず見抜いて撃退できるのです。
ここでは代表的な金融犯罪手口とそれらに対する対策をご紹介します。
振り込め詐欺
「振り込め詐欺」には「オレオレ詐欺」、「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」、「還付金詐欺」の4類型があり、犯人は親族、警察官、弁護士、税務署や社会保険事務所などになりすまし、嘘の電話や文書によりお金を騙し取ります。
複数の共謀者がそれぞれの役目を演じることで、作り話に現実味を帯びさせます。
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事例 1
オレオレ詐欺
ご親族から電話があり、金銭や人間関係、事故などのトラブルにあっていることを告げ、解決のために大至急お金が必要であると訴えます。共謀者が債権者、警察、被害者になりすまし、次々電話してくることで、切迫した状況を演出します。
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事例 2
架空請求詐欺
「有料サイトを利用した」「加入サービスの退会手続きが未了」との架空の事実を口実に、料金の請求書を送付してきます。「直ちに支払わなければ法的手続きに移行します」との脅し文句が書かれているのが通例です。
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事例 3
融資保証金詐欺
貸金業者を名乗り、「誰にでも融資します」「簡単審査」「担保不要」などと書かれた文書を送付し、申し込んできた者に対し、「保証金」「返済力証明」などの名目でお金を要求します。実在する貸金業者の名称やロゴマークが無断使用されていることもあります。
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事例 4
還付金詐欺
税務署や自治体などを名乗り「税金や医療費などを返還する」「今日が手続きの締め切り」「まだ間に合うので今から言うように端末を操作して下さい」といって、あたかも自分の口座に入金手続きをしていると思い込ませて、実際には振り込み出金させます。
振り込め類似詐欺
振り込め詐欺の4類型以外にも手口が似ている詐欺があります。「未公開株投資案件」や「ギャンブル必勝情報」などの嘘の儲け話や、「異性と出会える」といった話で惹きつけ、言葉巧みに騙そうとします。
「オレオレ詐欺」などの振り込め詐欺には騙されない人でも、これらの手口には騙されてしまう場合があります。
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事例 1
投資勧誘詐欺
自宅に本物にしか見えない大変見栄えのする企業案内と、未公開株購入に関するパンフレットが届きます。その後に犯人から連絡があり「必ず値上がりする」「ごく限られた人にしか購入権利がない」などを売り文句に投資を勧めてきます。決断をためらっていると、続いて共謀者から「その会社の未公開株購入権利を譲って欲しい」という連絡が入ります。騙されて投資すると、実際に配当が受けられる場合がありますが、これは追加投資を引き出すための罠であり、いずれ必ず姿をくらまし連絡がつかなくなります。
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事例 2
ギャンブル必勝情報詐欺
「ロト6の当選番号は事前に予測できる」と話を切り出し、実はインターネットサイトで抽選日当日に公表されている当選番号を伝えて「翌日の新聞で当選番号が公表されるので確認してほしい」と告げます。公表に時間差があるのを知らずに新聞だけを見て、予測が的中したと信じ込んでしまった人に「当選金の●%が情報として必要」あるいは、「当選番号予測ソフトの購入が必要」などと言ってお金を要求します。
その他にも、「デートするだけでお金がもらえます」「異性と必ず付き合えます」といった甘い言葉で誘ったり、逆に、「違法な名義貸しをしましたね」「あなたの個人情報が漏洩しています」などの作り話を捏造して不安に陥れるなど、様々な手口でお金を騙し取ろうとします。
当社、当社グループ等を名乗る連絡
GMOあおぞらネット銀行、あおぞら銀行グループ、GMOインターネットグループ企業の社員の名を騙り、口座番号、暗証番号などを聞き出します。
事例
GMOあおぞらネット銀行から確認の連絡が
GMOあおぞらネット銀行のサポート担当者から口座が凍結されているという連絡が入る。
確認の為、本人確認及び口座番号、支店、パスワードなど聞かれた事に答えた。
当社から口座情報を電話で確認する事はありません。
この電話は当社を名乗り不正に口座情報を入手する為にお客さまにご連絡しているのです。
当社やグループ会社だけでなく警察を名乗り情報を聞き出してくる事例も確認されています。
電話での確認は一切行わないので答えないようご注意ください。
口座の譲渡·売買
口座の譲渡·売買とは、開設した預金口座を銀行に無断で、口座名義を変更することなく他人に譲渡したり·売り渡す行為です。
こうした行為はれっきとした違法行為です。相手に譲り渡した銀行口座は、振り込め詐欺やヤミ金等の犯罪の振込先口座として利用されます。
事例
警察から突然呼び出しが
インターネット上で「手軽に儲ける事が出来ます」という案内を見つけたので早速問い合わせ、相手の説明を鵜呑みにして安易に応じる。
その際、相手から指示された通りに自分の名義で銀行口座を開設し、それをそのまま譲渡した。自分が違法行為を行った意識はなく、まして犯罪に加担しているという自覚もないまま、ある日、突然警察から呼び出しを受け、逮捕される。
そして、譲渡した自分の銀行口座が、振り込め詐欺等の犯罪行為の口座に利用されていたことを知らされる。
「銀行口座を作るだけで手軽にお小遣い稼ぎができます」「不要な銀行口座を高く買い取ります」といったインターネット広告やダイレクトメール、口コミなどの類は、全て犯罪組織が犯罪利用口座を仕入れるための、大変危険な罠なのです。
振り込め詐欺や類似詐欺にあわないためには?
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対策 1
普段からご家族·ご親族の連絡先を確かめておく
ご家族·ご親族の携帯電話番号やお勤め先の電話番号などの連絡先を把握しておき、いつでも確実に連絡が取れるようにしておいてください。
ご親族からの「トラブルを起こしたのでお金が必要」という電話があったら、どんなに切迫していても、他のご家族·ご親族に相談するとともに、この時の電話で伝えられた連絡先ではなく、あらかじめ把握していた既知のご本人の連絡先に連絡を試みてください。 -
対策 2
伝えられた身分を鵜呑みにせずご自身で確認する
警察や弁護士、行政機関などを名乗る者が連絡をしてきた場合は、インターネット検索や電話番号案内(104)等で当該所属団体が実在するか、実在するならその連絡先を調べ、電話を架けて該当する個人が存在するか確かめてください。
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対策 3
心当たりのない請求には応じず無視する
返信も問い合わせもせず、無視してください。不安になった時や、請求がしつこい時は、迷わず警察に相談しましょう。
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対策 4
見知らぬ業者からの儲け話などに騙されない
ノーリスクで必ず儲かる投資も、ウラの無いオイシイ話も、残念ながらありません。仮に本当にそのような話があったとして、誰が赤の他人に案内するでしょうか。
こちらのサイトもあわせてご確認ください。
キャッシュカードを第三者に渡さないでください
「当社、当社グループ等を名乗る連絡」でご紹介した事例は、インターネットバンキング利用情報を盗み出す手口ですが、類似の犯罪事例として、警察や銀行協会職員、当社社員を名乗るものが、お金を要求する代わりに、「お客さまの口座になんらかの問題が発生しており、被害防止のために」といった口実で、言葉巧みにキャッシュカードを一時預けるように求め、合わせて暗証番号を聞き出してATMで出金する手口が多発しております。
キャッシュカードは大切に保管し、決して第三者にお渡しすることがないようご注意ください。
預金口座の売買は犯罪です
預金口座の譲渡·売買·貸与を行うことは、法律で禁止されています。口座を買う側だけでなく、売る側も罪に問われることを、ご認識してください。
譲渡·売却·貸与等の犯罪行為が判明した場合、当該口座の強制解約の措置を取らせていただき、直ちに当局に通報いたします。
当社からの通報は全銀行に連携され、当社以外の銀行口座も強制解約されることに加え、その後長期間にわたり、どの銀行にも口座が開設出来なくなりますので、口座の譲渡·売買は絶対に行わないでください。