ご利用事例
日本管財グループさま
グループ企業内での事務管理業務の再委託によりけん制機能を高めつつ、システムと事務処理体制を統一化することで業務効率が向上
GMOあおぞらネット銀行のスマート振込承認のマンション管理業界における導入第1号企業「日本管財グループ」さまに、サービスを導入した経緯や実際に利用して感じたメリットについてお話を伺いました。
日本管財グループさま
日本管財グループは、日本管財・日本管財住宅管理・日本住宅管理の3社でマンション管理事業を展開しており、3社の総合管理戸数は全国で約10万戸となります。また、3社の事務センター機能を日本管財の事務管理事業部に集約し、日本管財住宅管理と日本住宅管理は事務管理業務を再委託する形態をとられております。管理組合さまの大切な資産をお預かりする業務のため、組織を分けることで相互のけん制機能を高めつつ、事務管理業務に係るシステムと事務処理体制を統一化することで業務効率の向上を図られています。
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日本管財住宅管理株式会社 / 日本住宅管理株式会社
ストラタマネジメント推進室 室長 南野 雅広さま管理組合さまの業務や、管理組合さまとマンション管理会社が連携する業務のDXを企画し、提案、導入支援をする部門の責任者。また、フルオンラインサービス「N RemotE(エヌリモート)」の推進も担当している。
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日本管財株式会社
事務管理事業部 課長 三島 裕子さま日本管財グループ3社のうち、主に日本管財住宅管理と日本住宅管理の事務管理業務を行う部署の責任者。管理費等の収納や各種経費の支払い、収支報告書の作成等の事務管理業務の進捗を管理する 一方、管理組合さまからのご要望への対応、社内業務の効率化等を担っている。
抱えていた課題
ー DXを推進しようとしたきっかけを教えてください
目先の課題は、管理組合の理事長さまに行っていただく経費の支払承認の手続きの煩雑さでした。管理会社から届く封筒を開けて、書類を確認して、署名や捺印をして、郵便局へ行って返送して…など手間がかかる作業で、とにかく紙があふれていました。一方で管理会社も、返送されてきた書類を金融機関に持っていく手間が発生していました。そんな中、コロナ禍で金融機関の窓口業務の縮小が進む動きがあり、これまで抱えていた書類のペーパーレス化に取り組むことは喫緊の課題となっていました。
その一方、日本管財グループ全体においても、2017年から業務に係るITインフラを整え、積極的に活用してきました。2020年からは、事務管理業務におけるお客さまと当社との関係を示したストラクチャー図を作成し、課題を見える化し、改善を進めました。さらに、2021年3月のマンション管理適正化法改正により、管理組合さまと当社との間でWeb化や電子化の対応が可能となりました。こういった流れの中、日本管財グループでも、さまざまなITツールを導入し、社内業務のDXを推進していましたが、管理組合の支払いをオンライン完結するための金融機能のパーツが、なかなか思うようなものに出会えず困っておりました。
採用の決め手
ー さまざまな金融機関からサービスが提供されている中で「スマート振込承認」を導入したポイントは?
既に販売されていたITツールは、社内の導入済みのツールと機能が重複していたり、マンション管理業務を行うにあたって必要な機能が不足していました。導入することでかえって業務を増やすことになるため、しっかりと効果を得られるITツールで、かつ社内のITインフラとも連携可能なものを探していましたが、シンプルなパッケージである「スマート振込承認」は使い勝手の良い商品だと感じました。ITツールの価格が高いと、結果的に管理組合が負担する管理委託料金にも影響してくるため、コストを抑えて導入できたことも採用の決め手になりました。法人格のない管理組合特有の要件についても、当社から現場ならではの意見を出しながら、手続きの簡単さと資産管理の安全性を両立した口座開設や名義変更の手続きフローを構築できたと思います。
ー 既存の取引がある中で管理組合に新たに銀行口座を開設いただくことや、スマートフォンやパソコン等の機器からITツールを利用いただくことに抵抗はありませんでしたか?
管理組合へ提案を始めるまでは、理事会から預金口座開設への抵抗があるかもしれないと心配していました。理事会では支払手続きを可視化した資料を提示して、導入前の理事長等の作業負担と導入後の削減効果を説明しました。その際、「既存の取引銀行からGMOあおぞらネット銀行へ取引を切り替える」という誤解が生じないようにも気をつけました。スマート振込承認を利用するために、新たに預金口座を追加開設するということを丁寧に説明したら、スムーズに話が進みました。そもそも、管理組合はペイオフ対策のため複数の金融機関に口座を開設していることが多いので、その点に対してハードルは高くないのだと思います。
スマートフォンやパソコン等の機器を操作いただくことについては、築年数で言えば30年以下、年齢で言えば60歳代までの方々は、各種デバイスの操作に全く抵抗がなく、そのような操作をお願いするにあたってほとんど苦労はありませんでした。時間の経過と共にさらに操作や作業へのハードルは下がっていくと思います。
導入した感想
ー スマート振込承認やインターネットバンキング導入後の、社内の反応はいかがですか?
従来の振込承認の作業方法とは異なる点が多く、初回ということもあり時間がかかりましたが、慣れていけば大幅な負担軽減になると思いました。
具体的には、スマート振込承認では会計システムから出力した支払データをそのまま取り込んで振込入力の手続きを行うことができます。また請求書などの証憑もPDF形式で添付できるので、承認作業はオンラインで完結できるようになりました。金融機関の窓口に出向くことなく、在宅勤務でも作業が進められるようになったのは大きな変化でした。インターネットバンキングを併用することで紙の払戻請求書や振込依頼書でのやり取りで発生していた不備(主に印影不鮮明や印鑑相違など)により、お客さまへ捺印していただく手間がなくなりました。これまで多くの作業で郵送を利用していましたが、PDFでデータ管理が行えるため、書類の紛失や郵送遅延の防止といったメリットがあるほか、郵送費のコスト削減にもつながっています。
ー スマート振込承認は事務負担の軽減につながったと思いますが、営業担当者の方の反応はいかがですか?
導入前に営業担当にもスマート振込承認を採用すれば、既存の業務がどのように変更されるのかを説明しました。管理組合だけでなく管理会社側にも多くのメリットがありますので、管理組合に向けた営業に特段の施策がなくても紹介しやすいと、ほとんどがポジティブな反応でした。その結果、積極的に多くの管理組合へ提案し、採用件数は順調に伸びています。他の管理会社からのリプレイスを検討中の管理組合に対しても、同業他社との差別化ができる大きなポイントとなり、当社の新たな営業の武器となっています。
管理費等の収納方法にはいくつかの方式がありますが、日本管財グループはすべての方式に対応しております。方式の違いによって支払い業務の件数に差はありますが、どの方式であっても一定のメリットがあると感じています。管理会社、管理組合共に負担を軽減できるこのツールは、事務管理業務だけを管理会社に委託する自主管理の組合にも提案しやすいサービスだと思います。
本インタビューは2022年12月に実施したものです。