法人口座開設に必要な書類がすべて分かる!取得方法と審査通過のポイント

「法人口座を開設するためには、どのような書類が必要なのか。」
「銀行のWebサイトで、法人口座申込に必要な書類を見たが、よく分からない書類ばかりだ。どのように準備すればいいのだろうか。」

法人口座を開設するためには、必要書類が何点か求められますが、その内容や数の多さに戸惑う人も多いでしょう。

本記事では、法人口座開設で求められることが多い必要書類について、取得方法・準備できる時期・必要期間・費用などの詳細を解説していきます。

必要書類は、銀行によって大きく異なりますが、本記事を参考にすればほとんどの書類を準備できるようになります。

法人口座開設で求められることが多い必要書類

必要書類は、ただ準備すればいいだけではありません。

必要書類は、銀行が「この会社はまっとうな会社なのか」「長期的なサービス利用が見込めるか」を厳重に審査するための判断材料です。

そのため、書類に不備があったり、記載内容が不足していたりすると、審査でつまずいてしまうおそれがあります。

たとえば、登記事項証明書の住所と、実際に使用している事業所の住所が異なっていると、口座の悪用を疑われるかもしれません。

ほかにも、事業実態確認のため取引先との契約書を提出したものの、押印がないため正式な書類として認められないなどのケースが挙げられます。

その場合、書類の再提出を求められて口座開設が遅れたり、審査落ちして口座を開設できない結果に終わったりする可能性があります。

法人口座をスムーズに開設するためには、書類は完璧にそろえて提出するようにしましょう。

この記事で分かること

●法人口座開設に必要な書類の詳細(取得方法・準備できる時期・必要期間・費用)
●審査に通るために必要書類&申請について知っておくべき注意点

本記事を読めば、法人口座開設に必要な書類について理解でき、審査に通過できるよう、不備なく書類準備ができるようになります。

ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

目次

1.法人口座開設の必要書類は銀行によってちがう!Webサイトで必ず確認すべき

1.法人口座開設の必要書類は銀行によってちがう!Webサイトで必ず確認すべき

法人口座開設の必要書類は、銀行によって全く異なります。

そのため、まずは開設申請をする銀行を選び、銀行の公式Webサイトで法人口座開設に必要な書類が何かを確認するようにしてください。

たとえば、GMOあおぞらネット銀行と都市銀行の書類を比較してみましょう。

【比較:銀行ごとに異なる法人口座開設の必要書類】
銀行 法人口座開設の必要書類
GMOあおぞら
ネット銀行
《1》本人確認書類
《2》事業内容確認書類
出典:GMOあおぞらネット銀行「事業内容確認書類について」
都市銀行
(一例)
《1》身分証明書(本人確認書類)
《2》履歴事項全部証明書
《3》法人の印鑑証明書
《4》不動産登記簿謄本または賃貸契約書

上表を見ると、「身分証明書」以外は、必要な書類が大きく異なることが分かりますね。

以上のことから、まずは開設申請をする銀行を選び、必要書類を確認したうえで、本記事を見ながら書類を集めていくようにしましょう。

POINT!
ネット銀行なら必要書類が少なくて準備しやすい!
ネット銀行は必要書類が少ないところが多いので、準備が比較的簡単です。書類の内容も、自社でそろえられるものが多く、取得に時間がかかる官公署の書類(登記事項証明書など)はあまり求められません。

ネット銀行だと、必要書類の準備に手間と時間があまりかからないので、スピーディーな口座開設を期待できるでしょう。

2.法人口座開設で求められる必要書類一覧

2.法人口座開設で求められる必要書類一覧

それでは、法人口座開設に必要な書類について見ていきましょう。

法人口座開設で求められることが多い必要書類を、下表一覧にまとめました。

必要書類は銀行によって異なりますが、ほとんどの書類は下表の中にあるはずです。

【法人口座開設の必要書類一覧(チェックリスト)】
必要なものにチェック 必要書類 準備できる時期 準備に必要な期間の目安
  履歴事項全部証明書 法人登記完了後 即日~1週間
  法人の印鑑証明書 法人登記完了後 即日~1週間
  本社確認書類
(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)
法人設立期間中(登記前)でも可能
※登記事項証明書の場合
即日~1週間
※登記事項証明書の場合
  事業内容確認書類
(会社案内・パンフレットなど)
法人設立期間中(登記前)でも可能 即日~1週間
  事業実態確認書類
(契約書・請求書など)
用意ができ次第
  法人設立届出書
(税務署受付印があるもの)
法人登記完了後かつ
税務署への届出後
即日~1週間
  法人番号指定通知書 法人登記完了後約1週間 送られてくるため不要
  許認可証
(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)
法人登記完了後かつ
許認可後
1~3カ月
  銀行印 法人設立期間中(登記前)
でも可能
2~3日
  身分証明書(運転免許証など) 法人設立期間中(登記前)
でも可能
即時
▲上表は必要に応じて、チェックリストとしてご活用ください。
一番左にチェック項目の列があるので、自分が準備すべき必要書類のところにチェックを付けましょう。上表と同じものを下記Wordでダウンロードしていただけます。
Wordチェックリスト|法人口座開設に必要な書類一覧

表の3列目「準備できる時期」と4列目「準備に必要な期間」も、あらかじめ確認しておくべき項目です。

いつ・どのぐらいで準備できるかを把握していると、口座開設申請までのスケジュールの目途が立ち、スムーズに準備を進めやすくなります。

必要書類の大半は、法人登記が完了してからでないと準備できません。また、取得に1週間近くかかるものもあるので、準備できるタイミングで早めに取り組むようにしましょう。

それでは、各必要書類の概要と取得方法について1つずつ紹介していきます(身分証明書は除く)。上表のリンクから、各書類の詳細に移動して読み進めてください。

3.履歴事項全部証明書

3.履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書について、書類の説明と取得方法を順に見ていきましょう。

3-1.履歴事項全部証明書とは

履歴事項全部証明書とは、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)の1つで、法務局で登記した会社の基本事項を証明する書類です。

本書類は、口座開設申込書の入力内容が正しいかどうかを照らし合わせるため、そして事業内容や住所に問題がないかを確認するために、提出が求められます。

注意点として、提出は「発行日から3カ月または6カ月以内の原本」でなければならないと定めている銀行が多いので、取得時期には気を付けましょう。

3-2.履歴事項全部証明書の取得方法

履歴事項全部証明書の取得方法は、窓口か郵送、オンラインの3通りあります。

窓口ならその場で取得できるので、急いでいる場合は窓口を利用しましょう。

【履歴事項全部証明書の取得方法(窓口・郵送)】
取得申請先 法務局(平日8:30~17:15)
※全国どの法務局でもOK(法務局を探す>法務省「法務局・地方法務局所在地一覧」
取得方法 申請書に必要事項を記入し、手数料の収入印紙を貼り付けて提出する。
(申請書・見本ダウンロード>法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
取得できる時期 法人登記完了後
取得にかかる期間 窓口:即日
郵送受取:約1週間
取得にかかる費用 手数料600円+郵送代

参考:法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」

郵送の場合は、84円切手を貼り付けた返信用封筒も忘れずに同封してください。

【履歴事項全部証明書の取得方法(オンライン)】
取得申請先 法務局(オンライン利用可能時間:8:30~21:00)
取得方法 オンライン申請をした後、インターネットバンキングまたはATMで手数料を納める
取得できる時期 法人登記完了後
取得にかかる期間 窓口受取:即日
郵送受取:1週間以内
取得にかかる費用 郵送受取:手数料500円
窓口受取:手数料480円

参考:法務局「登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方」

オンライン申請は、下記URLから案内に従って手続きを進めてください。
法務局「登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方」

POINT!
法人の印鑑証明書と不動産の登記事項証明書も必要なら、一緒に手続きすると効率UP!
4章で紹介する法人の印鑑証明書と5章で紹介する不動産の登記事項証明書も、法務局で取得するものなので、同時に手続きを行いましょう。

4.法人の印鑑証明書

4.法人の印鑑証明書

法人の印鑑証明書について、書類の説明と取得方法を順に見ていきましょう。

4-1.法人の印鑑証明書とは

法人の印鑑証明書とは、書類に捺印した印鑑が、法務局に届出た会社の代表印であることを証明する書類です。

履歴事項全部証明書と同じく、一般的には「発行日から3カ月または6カ月以内の原本」である必要があるため、取得時期には気を付けましょう。

4-2.法人の印鑑証明書の取得方法

法人の印鑑証明書の取得方法は2段階に分かれます。別れます。

法人の印鑑証明書を取得するためには、まず印鑑カードを取得しなければいけません

最初に印鑑カード、その次に法人の印鑑証明書の取得方法について見ていきましょう。

【法人の印鑑証明書の取得方法】
STEP1.印鑑カードを取得する
STEP2.法人の印鑑証明書を取得する

4-2-1.STEP1.印鑑カードを取得する

印鑑カードの取得方法は、窓口または郵送のみです。

【印鑑カードの取得方法(窓口・郵送)】
取得申請先 法人登記を申請した法務局(平日8:30~17:15)
取得方法 申請書に必要事項を記入して提出する
(申請書・見本ダウンロード>法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
取得できる時期 法人登記申請後(申請と同時でも可)
取得にかかる期間 窓口:即日
郵送受取:約1週間
取得にかかる費用 無料

参考:法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」

郵送で送ってもらう場合は、返信用封筒を忘れずに同封してください。印鑑カードは非常に重要なものなので、追跡可能な宅配便の着払い伝票を貼付けておくと安心です。

4-2-2.STEP2.法人の印鑑証明書を取得する

法人の印鑑証明書の取得方法は、窓口か郵送、オンラインの3通りあります。

窓口ならその場で取得できるので、急いでいる場合は窓口を利用しましょう。

【法人の印鑑証明書の取得方法(窓口・郵送)】
取得申請先 法務局(平日8:30~17:15)
※全国どの法務局でもOK(法務局を探す>法務省「法務局・地方法務局所在地一覧」
取得方法 申請書に必要事項を記入し、手数料の収入印紙を貼り付けて提出する。
(申請書・見本ダウンロード>法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
取得できる時期 法人登記完了後
取得にかかる期間 窓口:即日
郵送受取:約1週間
取得にかかる費用 手数料450円+郵送代

参考:法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」

郵送の場合は、84円切手を貼り付けた返信用封筒も忘れずに同封してください。

【法人の印鑑証明書の取得方法(オンライン)】
取得申請先 法務局(オンライン利用可能時間:8:30~21:00)
取得方法 オンライン申請をした後、インターネットバンキングまたはATMで手数料を納める
取得できる時期 法人登記完了後
取得にかかる期間 窓口受取:即日
郵送受取:1週間以内
取得にかかる費用 郵送受取:手数料410円
窓口受取:手数料390円

参考:法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」

オンライン申請は、下記URLから案内に従って手続きを進めてください。
法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」(第5章)

5.本社確認書類(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)

5.本社確認書類(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)

本社確認書類について、書類の説明と取得方法を順に見ていきましょう。

5-1.本社確認書類とは

本社確認書類とは、実際に事業所を使用していることを証明するため書類です。

必要な書類は、事業所の形態によって下表のとおり異なります。

【本社確認書類(例)】
事業所の形態 必要書類
自己所有の場合 不動産の登記事項証明書
間借りの場合 転貸借契約書
使用承諾書
賃貸の場合 賃貸借契約書
バーチャルオフィスの場合 契約名義と契約プランが記載されている書面など

銀行側は、上記の書類で「登記されている住所で本当に事業を行っているかどうか」を確認します。

法人口座の開設審査において、住所確認は重要な項目のひとつです。住所不一致だと、犯罪に利用されるおそれや、逃げられるおそれがあるため、審査に通らない可能性が高まります。

5-2.本社確認書類の取得方法(不動産の登記事項証明書)

本社確認書類の取得について、ここでは不動産の登記事項証明書の取得方法について紹介します。

ほかの書類に関しては、契約先にお問い合わせください。

不動産の登記事項証明書の取得方法は、窓口か郵送、オンラインの3通りあります。

窓口ならその場で取得できるので、急いでいる場合は窓口を利用しましょう。

【不動産の登記事項証明書の取得方法(窓口・郵送)】
取得申請先 法務局(平日8:30~17:15)
※全国どの法務局でもOK(法務局を探す>法務省「法務局・地方法務局所在地一覧」
取得方法 申請書に必要事項を記入し、手数料の収入印紙を貼り付けて提出する。
(申請書・見本ダウンロード>法務局「各種証明書請求手続き」
取得できる時期 即可能(不動産登記済みの場合)
取得にかかる期間 窓口:即日
郵送受取:約1週間
取得にかかる費用 手数料600円+郵送代

参考:法務局「各種証明書請求手続き」

郵送の場合は、84円切手を貼り付けた返信用封筒も忘れずに同封してください。

【不動産の登記事項証明書の取得方法(オンライン)】
取得申請先 法務局(オンライン利用可能時間:8:30~21:00)
取得方法 オンライン申請をした後、インターネットバンキングまたはATMで手数料を納める
取得できる時期 即可能(不動産登記済みの場合)
取得にかかる期間 窓口受取:即日
郵送受取:1週間以内
取得にかかる費用 郵送受取:手数料500円
窓口受取:手数料480円

参考:法務局「登記事項証明書(土地・建物),地図・図面証明書を取得したい方」

オンライン申請は、下記URLから案内に従って手続きを進めてください。
法務局「登記事項証明書(土地・建物),地図・図面証明書を取得したい方」

6.事業内容確認書類(会社案内・パンフレットなど)

6.事業内容確認書類(会社案内・パンフレットなど)

事業内容確認書類とは、どのような事業を行っているのか(行う予定なのか)が分かるような書類のことです。

具体的には、次のような書類が挙げられます。どの書類が事業内容確認書類と認められるかは、銀行によって異なりますので必ず開設申請をする銀行の案内どおりに準備しましょう。

【事業内容確認書類】
・Webサイト(事業内容が分かるページ)
・会社案内
・パンフレット
・チラシ
・事業計画書
など

法人口座の開設審査において、事業内容の確認はもっとも重視すべき項目のひとつです。

上記の書類から、銀行は本当に事業を行っているのか(行う予定なのか)、口座が悪用されないかどうか見極めます。

そのため、上記の書類は商品やサービスの内容がしっかりと伝わるものを用意するようにしましょう。

もし説明が不足していたり、分かりづらかったりすると、審査に落ちてしまう可能性があります。

POINT!

事業計画書を上手に活用して、銀行に本気度を伝えよう!

事業計画書は、Webサイト・会社案内・パンフレット・チラシがない場合の代用、あるいは内容が不十分である場合の補足資料として作成します。事業計画書は、Word1枚に簡単にまとめたようなものではなく、顧客へのプレゼン資料のようにしっかりと作り込みましょう。

作成方法やテンプレートは下記記事を参考にしてください。
起業の窓口byGMO「事業計画書とは?わかりやすい書き方やテンプレート・作成ポイントをご紹介!」

7.事業実態確認書類(契約書・請求書など)

7.事業実態確認書類(契約書・請求書など)

事業実態確認書類とは、現在会社が実際に事業を行っていることを証明できる書類のことです。

具体的には、次のような書類が挙げられます。どの書類が事業実態確認書類と認められるかは、銀行によって異なってくるので、必ず開設申請をする銀行の案内どおりに準備しましょう。

【事業実態確認書類】
・取引先との契約書(締結・調印済)
・他社発行の請求書・発注書・納品書
・自社発行の請求書・納品書など+その入出金が確認できる口座明細
など

事業内容と同じく、事業実態も審査で重視される項目です。

実際に事業の実績があることを証明できれば、銀行側も「健全に運営している会社だ」と判断でき、審査に通りやすくなるでしょう。

逆に、事業活動の実態がつかめないと、「架空の会社かもしれない」と疑われて、審査に落ちてしまうかもしれません。

8.法人設立届出書(税務署受付印があるもの)

8.法人設立届出書(税務署受付印があるもの)

法人設立届出書とは、税務署に会社を設立したことを届出る書類のことです。

本書類も、会社の実態を確認するために、提出が求められることがあります。

銀行側が求めるのは「税務署の受付印が押されているもの」である必要があるため、本書類が必要な場合は、まず先に税務署への届出を済ませなければいけません

【法人設立届出書の取得方法】
取得先 税務署
取得方法 所定の用紙に記入し、税務署に提出して捺印してもらう
取得できる時期 法人登記完了後かつ税務署への届出後
取得にかかる期間 税務署への手続きに数日~1週間が目安
取得にかかる費用 無料

参考:国税庁「[手続き名]内国普通法人等の設立の届出」

9.法人番号指定通知書

9.法人番号指定通知書

出典:国税庁「法人番号公表サイト」

法人番号指定通知書とは、国税庁から届く、法人番号を記載した通知書のことです。

法人番号とは、法人登記が完了した法人に振り出される13桁の識別番号です。

本書類は、法人番号で会社の存在を確認するとともに、情報管理を効率化するために、提出が求められることがあります。

【法人番号指定通知書の取得方法】
取得先 国税庁
取得方法 法人登記が完了したら、郵送されてくる
取得できる時期 法人登記完了後、約1週間
取得にかかる期間 送られてくるため手続きは不要
取得にかかる費用 無料

参考:国税庁「法人番号に関するお知らせ」

ただし、「法人番号指定通知書がまだ届いていない」「失くしてしまった」などの理由で、通知書が手元にないケースも少なくありません。

その場合は、国税庁「法人番号公表サイト」を画面印刷したもので代用できるか、金融機関に問い合わせてみましょう。

10.許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)

10.許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)

許認可証について、書類の説明と取得方法を順に見ていきましょう。

10-1.許認可証とは

許認可とは、特定の事業(下記)を行う場合、行政機関等から取得しなければならない許可のことです。

【許認可が必要な業種】
・飲食業
・建設業
・美容業
・運送業
・旅行業
・不動産業
・酒類販売業
・人材派遣業
・クリーニング業
・宿泊業
・薬局
・保育園
など

出典: J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「許認可が必要な業種は | 起業マニュアル 」

上記の業種は、営業するためには許認可の取得が法律で義務づけられています。

そのため銀行側も、上記業種の場合は許認可証の提出を要求するのが一般的です。

許認可が必要な業種は、まず許認可の手続きを済ませましょう。

10-2.許認可証の取得方法

許認可の取得方法は、各業種によって全く異なります。

【許認可証の取得方法】
取得先 都道府県や保健所、運輸局など(業種によって異なる)
取得方法 業種によって異なる
取得できる時期 法人登記完了後かつ許認可後
取得にかかる期間 1~3カ月(業種によって異なる)
取得にかかる費用 1~10万円(業種によって異なる)

参考: J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「許認可が必要な業種は | 起業マニュアル 」

手続きの詳細は、インターネットでキーワード「業種名+許認可+地域名」を入力して検索しましょう。表示される官公署のWebサイトに従って、手続きを進めてください。

許認可は取得にかかる期間が約1~3カ月です。時間がかかることはあらかじめ理解しておきましょう。

11.銀行印

11.銀行印

書類ではありませんが、銀行印も必要であれば作成しておきましょう。最近では、ネット銀行をはじめ、銀行印が不要なところも増えてきましたが、銀行に届け出る印鑑は、リスク分散のため、代表者印とは別のものを用意しておくと安心です。

銀行印は通常、印影が二重の円で、外枠に会社または屋号、内枠に「銀行之印」と刻印します。

【銀行印の作成方法】
依頼先 ハンコ屋
取得できる時期 いつでも可能
取得にかかる期間 2~3日
取得にかかる費用 数千円~

近年は、オンラインでも気軽に注文できるようになりました。もし代表者印や社印(角印)の作成がまだの場合は、まとめて注文すると効率的でしょう。

印鑑について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
>>会社設立に必要な印鑑とは?種類や使い方、印鑑登録の方法まとめ

12.審査に通るための必要書類のポイント&注意点

12.審査に通るための必要書類のポイント&注意点

ここまで口座開設に必要な書類の詳細について解説してきました。

必要書類は、ただ漫然と集めればいいものではありません。

必要書類は審査の判断材料となるため、審査に通過できるよう完璧に書類を準備する必要があります

本章では、審査に通る確率を上げるための書類準備のポイントと、注意点について紹介していきましょう。

【審査に通るための必要書類のポイント&注意点】
・書類の不備や矛盾がないようにする
・実績不十分なら、代表者の経歴書も提出する
・審査に2~4週間かかるので、必要書類は早めに準備する

12-1.書類の不備や矛盾がないようにする

書類は不備や矛盾がないよう、正確に記入しましょう。

記入ミスがあったり、書類によって記載内容が異なっていたりすると、信頼性に欠けると見なされて、審査に落ちやすくなってしまいます。

たとえば、登記事項証明書の住所と、実際に使用している事業所の住所が異なっていると、口座の悪用を疑われるかもしれません。

書類は間違いのないよう丁寧に作成し、作成した後も見直しをしてから提出しましょう。

12-2.実績不十分なら、代表者の経歴書も提出する

会社の実績がまだ不十分なら、補足資料として代表者の職務経歴書も一緒に提出するのがおすすめです。

法人口座の開設審査では、代表者の経歴や実績も審査の対象になります。設立間もない小さな会社は、代表者の能力がそのまま業績に直結するからです。

事業への熱意を伝えられ、これから行う事業内容に対して、相応の実績を十分積めていることが証明できれば、審査でもプラスに働くでしょう。

12-3.審査に2~4週間かかるので、必要書類は早めに準備する

法人口座の開設審査は約2~4週間かかるので、必要書類は早めに準備するようにしましょう。

会社を設立すると、経営基盤を整え、事業をいち早く軌道に乗せるためにも、できるだけ早く法人口座を開設すべきです。

しかし、法人口座開設は悪用防止のため、審査に慎重かつ厳しくなっており、開設まで約2~4週間かかるのが一般的です。

少しでも早く法人口座を持つためには、必要書類を早めに準備して、最速のスケジュールで申請できるようにしましょう。

必要書類は、法人登記が完了してからでないと取得できないものが大半です。しかし、事前にどのような書類が必要かを調べ、取得方法を理解しておけば、登記完了後スムーズに集められるでしょう。

GMOあおぞらネット銀行では登記完了前にも法人口座の開設申請が可能です。
(※freee会社設立サービスをご利用の場合)

詳しくはこちら:ネット銀行初*!法人登記完了前にオンラインで法人口座の開設申込が可能 freee会社設立とGMOあおぞらネット銀行の連携により実現「設立前口座開設申込」機能を4月6日より提供開始」

13.スピーディーで手間なく法人口座を開設したいならネット銀行がおすすめ

13.スピーディーで手間なく法人口座を開設したいならネット銀行がおすすめ

前章で、法人口座の審査には約2~4週間かかるとお伝えしましたが、ネット銀行なら店舗型銀行よりも早く開設できる傾向があります。

スピーディーな法人口座開設を目指すなら、ネット銀行を検討してみましょう。

ネット銀行の法人口座開設は、審査期間が短いだけでなく、オンライン完結で来店不要であったり、必要書類の数が少なめであったりと、開設申請の負担が少ないところが多いです。忙しい経営者でも、業務の合間に口座の開設申請を進められるでしょう。

ネット銀行にはどのような特長があるのか、店舗型銀行と比べて下表にまとめました。

【ネット銀行と店舗型銀行の違い】
  ネット銀行 店舗型銀行
店舗 原則なし あり
ATM 原則専用ATMなし
コンビニ等にある提携ATMを利用
専用ATM
営業時間 24時間365日利用可能(※) (原則)窓口平日9時~15時
振込手数料 同行内:約0~100円
他行宛て:約150~250円
同行内:約100~200円
他行宛て:約250~350円
インターネットバンキング
月額利用料
0円 1,000~5,000円
口座開設の審査期間 約1~2週間 約2~4週間
預金金利 比較的高め 比較的低め
紙の通帳 原則なし あり
知名度 低め 高め

※システムメンテナンス時を除く

上表をふまえると、ネット銀行には下記メリットが挙げられます。

【ネット銀行のメリット】
・法人口座開設の審査がスピーディー
・振込手数料が安い
・24時間365日いつでも利用できる

上記のようなメリットがあるため、ネット銀行だと使い勝手がよく、かつコスト削減も実現できるでしょう。

ネット銀行の口座をひとつ持っておくと便利なので、銀行選びに迷っている場合は、ネット銀行をおすすめします。

14.GMOあおぞらネット銀行の法人口座は最短即日開設&振込手数料は業界最安値水準

14.GMOあおぞらネット銀行の法人口座は最短即日開設&振込手数料は業界最安値水準

GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行とGMOインターネットグループが共同出資して、2018年7月に誕生した銀行であり、主に法人のお客さまに軸足を置いたサービスを展開しています。
2023年9月、開業からわずか5年余りで法人口座数が10万件を突破し、多くの法人さまに選ばれている銀行です。

【GMOあおぞらネット銀行が選ばれる理由】
・最短即日口座開設可能!スピーディーで負担の少ない口座開設
・振込手数料は業界最安値水準145円&振込手数料が毎月20回まで無料になる特典付き
・最大1%現金還元!便利でおトクなビジネスデビットカード

14-1.最短即日口座開設可能!スピーディーで負担の少ない口座開設

GMOあおぞらネットの法人口座は、スピーディーで負担の少ない口座開設を実現できます。

【GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設】
・条件を満たせば、午前中の申請で、最短即日法人口座開設が可能(※)
・申込~書類提出まで完全オンラインで完結
・必要書類は本人確認書類と事業内容確認書類の2点のみ(個別の状況に応じて追加書類あり)
・印鑑レス・ペーパーレス・郵送レス

※(1)取引責任者さまと代表者さまが同一の場合(2)自撮り動画(セルフィー)での本人確認をした場合
ただし、上記の条件を満たしても審査の状況や提出書類によっては最短即日で口座開設ができない場合がありますのであらかじめご了承ください

手続きを効率よく進められるため、早ければ会社設立当日に法人口座を開設することも可能です。

14-2.振込手数料は業界最安値水準145円&振込手数料が毎月20回まで無料になる特典付き

GMOあおぞらネット銀行では、他行宛ての振込手数料は、1回につき145円と業界最安値水準(※)で利用できます。

さらに、口座開設月の翌々月までの3カ月間(設立1年未満であれば、登記上の設立月から12カ月間)は、他行宛て振込手数料が毎月20回の無料の特典付きです。
当社間の振込手数料とインターネットバンキング利用料や口座維持費は発生しません。

【GMOあおぞらネット銀行の手数料】
振込手数料(当社宛て) 0円
振込手数料(他行宛て) 145円※開設から3カ月間(設立1年未満なら登記上の設立月から12カ月間)は毎月20回まで振込手数料が無料
口座維持費用 0円

設立当初からGMOあおぞらネット銀行で振込を行うことで、おトクな振込手数料がずっと続くので、無駄なコストを抑えることができるでしょう。

(※2024年3月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行。各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除く。)

14-3.最大1%現金還元!便利でおトクなビジネスデビットカード

GMOあおぞらネット銀行では、おトクなビジネスデビットカードを、発行手数料無料でご利用できます。

GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードは、利用金額の最大1%(※)がキャッシュバックされます。決済確定月の翌月に現金還元されるので、実質お支払いの1%が安くなる仕組みです。

また、即時引落・即時反映で未払金の計上がないので、会計処理も行いやすくなるでしょう。

(※税金や公共料金など一部キャッシュバック率が異なる利用先があります。)

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15.まとめ

では最後に本文の内容をおさらいしましょう。

本記事では、法人口座の開設申請の際、銀行から提出を求められることが多い下記書類について、取得方法・準備できる時期・必要期間・費用などの詳細を解説してきました。

【法人口座開設の必要書類】
・履歴事項全部証明書
・法人の印鑑証明書
・本社確認書類(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)
・事業内容確認書類(会社案内・パンフレットなど)
・事業実態確認書類(契約書・請求書など)
・法人設立届出書(税務署受付印があるもの)
・法人番号指定通知書
・許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)
・銀行印
・身分証明書(運転免許証など)

必要書類は銀行によって大きく異なります。
開設申請をする銀行のWebサイトを必ず確認してから、本記事を参考に書類準備をしていくようにしてください。

必要書類を準備する際は、下記ポイントにも注意しましょう。

【審査に通るための必要書類のポイント&注意点】
・書類の不備や矛盾がないようにする
・実績不十分なら、代表者の経歴書も提出する
・審査に2~4週間かかるので、必要書類は早めに準備する

本記事をもとに、必要書類を素早くかつ不備なく準備でき、スムーズに法人口座を開設できることを願っております。

※ 本コラムは2024年3月27日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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