「法人口座を開設する予定だが、利用料は一体いくらかかるのだろうか」
法人口座は個人口座と違い、月額利用料がかかるため諸費用がいくらかかるか不安に思いますよね。事業の売上げに直結する費用項目ではないため、できるだけ安く抑えたいと考えるのは当然のことです。
法人口座の利用料は、1カ月およそ3,000〜15,000円ほどかかります。
下図は、平均的な銀行サービス利用状況(インターネットバンキングサービスを利用し、他行宛ての振込み3万円以上を20回行う場合)における、主要な銀行の1カ月あたりにかかる費用を算出したものです。利用する銀行や、サービスの利用頻度によって変わりますが、利用料としてこの金額を目安にできると思います。
法人口座にかかる費用を抑えるためには、「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」の料金設定が安い銀行を選ぶことが効果的でしょう。
この2項目は、数ある法人口座の有料サービスの中でも、最もよく利用するサービスであり、法人口座にかかる費用の大半を占めるからです。
特に振込手数料に関しては、基本の料金設定だけでなく、各銀行が提供しているおトクなプランや、キャンペーンもチェックすべきです。
たとえば、GMOあおぞらネット銀行では、設立1年未満の会社は、登記上の設立月から12カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料という特典があります。
この記事で分かること |
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●法人口座に月々かかる費用目安 ●主要銀行の手数料一覧 ●法人口座の費用を抑えるポイント |
本記事を読めば、法人口座に月々かかる費用の見通しを立てられ、さらに、おトクに利用できる銀行を選べるようになります。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
目次
1.法人口座の1カ月の利用料は約3,000~15,000円
法人口座を開設したら月々いくらかかるのでしょうか。
法人口座にかかる費用は、各銀行やサービスの利用状況によって大きく異なりますが、1カ月あたり約3,000~15,000円の間が目安でしょう。
下表は、銀行の種類別に平均的な銀行サービスの利用状況における費用目安をまとめたものです。
銀行種類 | インターネット バンキング 利用料(a) |
振込手数料 1件 |
振込手数料 20件(b) |
1カ月あたりの 利用料金(a+b) |
---|---|---|---|---|
GMOあおぞら ネット銀行 |
無料 | 145円 | 2,900円 | 2,900円 |
ネット銀行 | 無料 | 145~300円 | 2,900~6,000円 | 2,900~6,000円 |
都市銀行 | 1,000~4,000円 | 500~700円 | 10,000~14,000円 | 11,000~18,000円 |
地方銀行 | 1,000~3,000円 | 500~600円 | 10,000~12,000円 | 11,000~15,000円 |
信用金庫 | 1,000~3,000円 | 200~500円 | 4,000~10,000円 | 5,000~13,000円 |
※利用サービスによって大きく異なります。詳細は各銀行のWebサイトでご確認ください。
※振込手数料は、振込方法がインターネットバンキングで行う場合の手数料
2.法人口座の月々の費用は「月額サービス利用料+1件ごとのサービス利用料」で決まる
法人口座の月々の費用は、1カ月いくらという月額サービス利用料と、振込手数料などの1件ごとのサービス利用料で決まります。
法人口座は、一部の銀行を除き、開設するだけでは維持費はかかりません(開設も無料)。
有料サービスを利用することによって、初めて費用が発生します。
有料サービスは、毎月一定額を支払う月額サービス利用料と、1件ごとに支払う料金と、大きく2つに分かれます。各料金の内訳は主に下記の項目です。
法人口座の料金体系 | 主なサービス項目(例) | 料金(目安) |
---|---|---|
月額サービス利用料 |
インターネットバンキング月額使用料 | 0~5,500円/月 |
外為サービス | 0~5,500円/月 | |
振込手数料割安プラン | 500 ~1,100円/月 | |
総合・一括・給与振込 | 0~5,500円/月 | |
バーチャル口座(※) | 0~11,000円/月 | |
利用明細送付 | 0~440円/月 | |
1件ごとのサービス利用料 |
振込手数料(同行宛て) | 0~330円/件 |
振込手数料(他行宛て) | 145~660円/件 | |
ATM利用手数料 | 0~220円/件 | |
海外送金手数料 | 送金額による | |
各種書類発行手数料 | 550~1,100円/通 | |
その他 | サービス利用の初期費用など | ー |
※バーチャル口座とは、1つの法人口座に紐づけて、取引ごとまたは顧客ごとに、複数の仮想の口座番号を発行するサービスのこと。銀行によってサービス名称が変わる。
サービスの内容や利用料については、銀行によって設定が大きく異なります。
たとえば、GMOあおぞらネット銀行での利用例とその料金を見てみましょう
・インターネットバンキングを利用
・他行宛ての振込3万円以上を20回利用
・ATMでの入出金を5回利用
・10,000米ドルを1回送金
《月額サービス利用料》
・インターネットバンキング:0円
《1件ごとのサービス利用料》
・振込手数料:145円/件×20回=2,900円(※1)
・ATM利用手数料:110円/件×5回=550円
・海外送金手数料:10,957円(※2)
合計:2,900円+550円+10,957円=14,497円
※1 振込手数料の無料特典サービスは利用していません
※2 1米ドル=143円(仲値)の場合
3.法人口座の維持費を抑えるなら、「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」を抑えるべき
法人口座の利用料を抑えたいなら、「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」の2項目を抑えるようにしましょう。
法人口座には多種多様なサービスがありますが、この2項目はほとんどの法人が利用し、かつ利用料の大半を占める項目です。そして、両方とも各銀行によって料金設定にかなり幅があります。
インターネットバンキングとは、オンライン上で金融取引を行うサービスのことです。オンライン化が進む現代では、会社の競争力と業務効率を上げるために重要な法人口座サービスとなりました。
実際に、金融庁が2022年に行ったアンケート調査によると、中小・中堅企業の90.7%が、インターネットバンキングを利用しています(出典:金融庁「企業アンケート調査の結果」)。
インターネットバンキングの利用料は、利用料が月額0円から5,500円までと銀行によって大きな差があります。
振込も、事業を行ううえで最も頻繁に利用するサービスのひとつでしょう。
振込手数料も他行宛ての場合145円/件から660円/件までと、銀行ごとに大きく差があります。1件ごとの差額は少額ですが、月10件、20件と振込を積み重ねていけば、年間では万単位の金額になるので見過ごせません。
法人口座の利用料を抑えたいなら、まずはこの2項目が安い銀行を選ぶことが重要です。会社がよく使うサービスの利用料もチェック!
会社がよく使うサービスがほかにもあるなら、その利用料金も銀行選びの基準に加えましょう。
たとえば、海外送金をよく行う会社なら、海外送金の手数料が安い銀行を選ぶべきです。会社がどのように法人口座を利用するか想定し、各銀行の料金を比較しましょう。
4.利用料が安いのはネット銀行!「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」の比較一覧
それでは、銀行の種類ごとの「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」を比較してみましょう。
【インターネットバンキング利用料と振込手数料一覧】
金融機関 の種類 |
インターネットバンキング 利用料 |
振込手数料 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
同一支店宛て | 本店・別支店宛て | 他行宛て | ||||||
3万円 未満 |
3万円 以上 |
3万円 未満 |
3万円 以上 |
3万円 未満 |
3万円 以上 |
|||
ネット 銀行 |
GMO あおぞら ネット銀行 |
無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 145円 | 145円 |
ネット銀行 | 無料 | 無料~ 100円 |
無料~ 100円 |
無料~ 100円 |
無料~ 100円 |
145~ 200円 |
145~ 300円 |
|
都市銀行 | 1,000~ 4,000円 |
無料~ 110円 |
200~ 300円 |
100~ 400円 |
300~ 500円 |
400~ 500円 |
500~ 700円 |
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地方銀行 | 1,000~ 3,000円 |
無料 | 無料 | 100~ 200円 |
200~ 400円 |
300~ 400円 |
500~ 600円 |
|
信用金庫 | 1,000~ 3,000円 |
無料 | 無料 | 100~ 200円 |
200~ 400円 |
200~ 400円 |
200~ 500円 |
※各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除いております。
※振込手数料は、振込方法がインターネットバンキングで行う場合の手数料
銀行は、大きくネット銀行・都市銀行・地方銀行・信用金庫に分類されます。
上表から、「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」について、ネット銀行がほかの銀行よりも安く設定されているのが分かりますね。
ネット銀行とは、店舗を持たずオンライン上で取引を行うインターネット専業銀行のことです。ネット銀行が各種料金を総じて安く設定できるのは、店舗や専用ATMを持たないため、店舗代や人件費などがかからないからです。
決して「料金が安い=サービスの質が悪い」というわけではないので、ご安心ください。
法人口座にかかる費用を抑えたいなら、候補をネット銀行に絞って選ぶようにしましょう。
5.ネットバンキング月額利用料と振込手数料がおトクなGMOあおぞらネット銀行
結局、月々にかかる費用が一番安い銀行はどこなのでしょうか。
前章の料金一覧表をふまえ、「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」両方において、料金が安い銀行としてGMOあおぞらネット銀行を紹介します。
5-1.GMOあおぞらネット銀行|振込手数料が特におトク
GMOあおぞらネット銀行の各種料金設定を下表にまとめました。
【GMOあおぞらネット銀行の料金設定】
月額サービス 利用料 |
インターネット バンキング月額利用料 |
0円 |
---|---|---|
1件ごとの サービス利用料 |
振込手数料 | 当社間宛て:0円 他行宛て:145円 <設立1年超> 口座開設月の翌々月まで3カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料 <設立1年未満> 登記上の設立月から12カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料 |
振込手数料 オプション |
振込料金とくとく会員:月額500円 振込料金が129円/件で利用可能 |
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ATM利用料 | 110円/件 ※振込料金とくとく会員の場合はATM出金手数料が毎月5回無料 |
|
組戻手数料 | 880円/件 | |
海外送金手数料 | 為替手数料:0円 送金手数料:送金金額、送金通貨、送金国によって異なる 海外送金シミュレーター |
|
振替手数料 | 0円 | |
総合振込手数料 | 振込手数料のみ(初期登録料・別途利用料なし) | |
カード発行手数料 | 新規発行:0円 追加発行:1,100円 ※振込料金とくとく会員の場合は追加口座の初回発行手数料が無料 |
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各種証明書発行料 | 880円/通 |
出典:GMOあおぞらネット銀行「手数料 | はじめての方へ | 法人口座の開設」
GMOあおぞらネット銀行は、「インターネットバンキング利用料」は無料、振込手数料も145円と低料金で利用できます。
開設から3カ月間は、月20回まで振込手数料が無料になるため、初期の費用を抑えたい会社には有難いですね。
さらに、設立1年未満の会社の場合は、登記上の設立月から12カ月間、毎月20回無料になるため、設立間もない会社はより一層おトクに利用できます。
6.銀行選び以外で維持費を抑える3つのコツ
法人口座にかかる月々の費用を抑えるためには、料金が安い銀行を選ぶ以外にもできることがあります。
本章では、銀行選び以外で費用を抑えるコツを3つ紹介するので、ぜひ法人口座の活用に取り入れてみてください。
【銀行選び以外で費用を抑える3つのコツ】・不要な月額サービスは解約する
・主な支払先が使用している銀行を選ぶ
6-1.複数口座を使い分ける
複数の法人口座を持ち、用途別に使い分けるのは、費用削減のためのポピュラーな方法です。
【法人口座の使い分け例】口座《2》振込用:振込手数料が安いネット銀行A
口座《3》海外送金用:海外送金手数料が安いネット銀行B
※口座《1》から《2》《3》へは、毎月定額自動振込で資金を移動する
入金用口座から支払用口座への定額自動振込代は発生しますが、全体で見ればコストカットにつながります。
ただし、口座の数を増やしすぎると、管理が複雑になってしまったり、口座間での資金移動の費用がかさんでしまったりと、逆効果になりかねません。
まずは3つくらいの数から複数口座の活用を始めてみましょう。
複数口座について詳しく知りたい場合は以下の記事もおすすめです。
>>法人口座は複数あると便利!資金管理改善&経費削減につながる活用法
6-2.不要な月額サービスは解約する
不要な月額サービスは解約するようにしましょう。
月額サービスは、利用していなくても料金が発生します。本当にそのサービスが必要かどうかをよく考えて、なくても問題がないのなら解約するようにしましょう。
たとえば、複数の銀行で法人口座を開設する場合、すべての銀行でインターネットバンキングの利用が必要かを検討してみる余地があります。
ほかにも、オンライン化が進み、紙での書類送付は有料化するところが増えてきました。書類送付の月額料金は数百円と少額ですが、年間数千円も生産性のない項目に支払うのはもったいないことです。
定期的に利用状況を振り返り、費用に無駄がないかを見直すようにしましょう。
6-3.主な支払い先が使用している銀行を選ぶ
特定の支払い先への振込件数が多いなら、その会社が使用している銀行で法人口座を開設するのも効果的な方法です。
ほぼすべての銀行では、同行間(特に同一支店内)の振込手数料は、無料か低料金で設定されています。
そのため、主な支払い先 と同じ銀行で口座開設すると、その会社への振込手数料を大幅に削減することができるでしょう。
【同一銀行で振込手数料を抑える例】毎月A会社に20件振込む→振込手数料:5,000円/月
《支払先A会社と振込先銀行が同じ場合(振込手数料0円)》
毎月A会社に20件振込む→振込手数料:0円/月
上記のように、振込件数が多いほどおトクになります。一度、すべての支払先の銀行をチェックしてみてもいいかもしれません。
まとめ
では最後に本文の内容をおさらいしましょう。
法人口座に月々かかる費用は、各銀行やサービスの利用状況によって大きく異なりますが、約3,000~15,000円の間におさまる場合が大半です。
法人口座は、一般的には開設するだけでは費用はかからず、有料の月額サービスまたは1件ごとのサービスを利用することで、料金が発生します。
各種サービスの中でも、費用の大半を占めるのが「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」です。
法人口座の月々の費用を抑えたいのであれば、この2項目が安い銀行を選ぶようにしましょう。
【「インターネットバンキング利用料」と「振込手数料」が安い銀行】銀行選び以外でも、費用を抑えるコツがあるので、ぜひ口座活用に取り入れてみるようにしてください。
【銀行選び以外で費用を抑える3つのコツ】・不要な月額サービスは解約する
・主な支払先が使用している銀行を選ぶ
以上、本記事をもとに法人口座にかかる無駄な費用を削り、低コストで高水準な銀行サービスを活用できることを願っております。
※ 本コラムは2024年6月26日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。