会社設立における発起人とは?事前に知っておくべき知識を徹底解説

「会社設立の情報でよく目にする『発起人』とは一体何?」
「誰がなればいいのか、どうやって決めればいいのか分からない」

会社設立をしようと思い立ち、情報収集をしていく中で「発起人」という言葉を目にしたとき、このような疑問をお持ちになった方は多いのではないでしょうか。

まずは発起人がどのようなものなのか、概要をまとめた以下の表をご覧ください。

発起人とは
「株式会社の設立を企画し、出資と設立手続きを行う人」のこと
発起人の役割
・会社設立の手続きを行う(定款作成・登記申請など)
・会社に出資をする
・会社の役員を決める
発起人になれる人の資格
「会社に出資している15歳以上」なら誰でもなれる(複数人でも可)
発起人はどうやって決めればいい?
会社を設立する際の主要人物の中から、できるだけ少ない人数に絞るのが望ましい

発起人が多すぎると意見が割れて会社設立に時間がかかってしまったり、設立後の会社支配権にも関わるため

発起人は、人数・年齢・国籍を問わず誰でもなることができる一方で、設立時や設立後に意見が割れて揉めるリスクを考えると、安易に人数を増やすのは危険です。

複数人のメンバーで会社設立を行う際は、発起人がどのようなものかを理解したうえで、誰を発起人にするかを慎重に検討する必要があります。

本記事では、これから会社設立をする方が知っておくべき発起人の基礎知識を分かりやすく解説します。

この記事で分かること

●会社設立における発起人とは?
●発起人の役割
●発起人の責任
●発起人の資格は「会社に出資している15歳以上」なら誰でもOK
●発起人を決める際の注意点は「安易に人数を増やさない」こと
●こんな場合はどうする?発起人に関するQ&A

トラブルなく発起人の選定や会社設立を行い、ビジネスの成功に向けて良いスタートを切りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.会社設立における発起人とは?

1.会社設立における発起人とは?

まずは、「会社設立における発起人とは?」という疑問に対する答えを

・発起人とは、株式会社設立の企画・出資・準備を行う人のこと
・取締役との違い
・株主との違い
・出資者との違い

の順に解説していきます。

「発起人」という言葉の定義を知るだけではなく、混同しやすいほかの用語との違いも明確にして、より理解を深めましょう。

1-1.発起人とは株式会社設立の企画・出資・準備を行う人のこと

発起人とは、株式会社設立の企画・出資・準備を行う人のことです。

発起人は、株式会社を設立する際に必ず定めなければならないもので、定款(会社の基本ルールをまとめたもの)に、署名または記名押印した時点で、正式に発起人となります。

発起人とは何かを理解する際に押さえておきたい重要なポイントは、「発起人は、会社設立期間限定で役割を担う人である」という点です。

会社設立が完了したと同時に、発起人としての役割も終わり、会社設立後は

・株主として会社の意思決定に関わる
・会社の経営を行う(取締役に選任された場合)
・一般社員として業務にあたる(役員に選任されなかった場合)

といった役割が求められます。

発起人とは、あくまで株式会社設立の企画・出資・準備を行う人のことであり、「会社設立の期間中だけ就任する役職」のようなものだと認識しておきましょう。

合同会社の場合は発起人を定める必要がない

発起人は株式会社特有の制度であり、合同会社の場合は、特定の人物を発起人として定める必要がありません(定款には社員(※)全員の署名・記名押印をする)。

これは、合同会社が「社員全員が出資者であり経営者」という形態の会社であり、役員や発起人を改めて設置する必要がないためです。
※ここでいう社員とは出資者のこと

もしあなたが、これから合同会社を設立しようと考えているのであれば、発起人について詳しく知らなくても特に問題は生じないでしょう。

合同会社の設立を考えている方は「会社設立を合同会社にすべき人とは|メリット・デメリットを総解説」の記事を読まれることをおすすめします。

1-2.取締役との違い

発起人と取締役との違いは、次のとおりです。

発起人とは 取締役とは
会社設立出資や設立手続きを行う人 会社設立経営を行う人

取締役(経営者)とは、会社法で定められた役員のことで、会社が設立された後に

・業務執行に関する意思決定
・経営に関する重要事項の決定

といった権利を持つ人のことを指します。

対して、発起人とは会社設立時に

・出資
・会社設立手続き
・役員の選任

をする人のことを指します。

取締役は発起人の中から選ばれることが一般的であるため、「会社設立時は発起人だった人が、会社設立後に取締役になる」といったケースもあります。

1-3.株主との違い

続いて、発起人と株主との違いを比較してみましょう。

発起人とは 株主とは
会社設立時に出資や設立手続きを行う人
→将来的には株主となる
会社に出資して株式を受け取った人

発起人とは、あくまで会社設立時における役割の名前であり、会社設立が完了した後は、出資額に応じた株式を引き受けて株主となります。

つまり、「発起人=未来の株主」であると言えます。

ただし、

・会社設立後に出資をした
・発起人にはならなかったが、会社設立時に出資はした

といった人でも株主になることはできるため、「株主=発起人」というわけではありません。

少しややこしいですが、両者の定義を混同しないように「発起人は将来的にもれなく株主になるが、発起人ではない株主が後から発起人になることはできない」と覚えておきましょう。

1-4.出資者との違い

最後は、発起人と出資者との違いです。

発起人とは 出資者とは
会社設立時に出資や設立手続きを行う人
→会社設立に携わる出資者
会社を設立する際にお金を出す人
→会社設立に携わらない人もいる

発起人と出資者の最大の違いは、「会社設立に携わるかどうか」です。

出資は発起人の役割のひとつなので、「すべての発起人は出資者である」ということになりますが、一般的には「出資者=会社設立には携わらず、外部からお金を出すだけの人」という意味で使われるケースが多いです。

2.発起人の役割

2.発起人の役割

続いては、発起人の役割について以下の順に解説します。

・会社設立の手続きを行う
・会社に出資をする
・会社の役員を決める

発起人になった際、具体的にどのようなことをしなければならないのかをしっかりと確認しておきましょう。

2-1.会社設立の手続きを行う

発起人のメインの役割とも言えるのが、会社設立の手続きを行うことです。

会社設立には、さまざまな事務手続きが必要で、具体的には以下の9つのステップをすべて行う必要があります。

【9ステップ】会社設立までに行わなくてはならない手続き
STEP1.発起人を決める 【決める事項】
・発起人
STEP2.資本金を用意する 【決める事項】
・資本金の金額
STEP3.発起人などの印鑑証明書を入手する  
STEP4.株式会社の基本的な事項を決める 【決める事項】
・社名(商号)
・所在地
・事業目的
・資本金の額
・1株あたりの金額
・発行可能株式総数
・設立日
・会計年度
・役員の構成
・株主の構成

※後のトラブルを避けるため、発起人全員の同意を得て決定する

STEP5.定款を作成する ・フォーマットの選択
・絶対的記載事項の記入(事業目的・資本金など)
・相対的記載事項の記入(取締役会・委員会についてなど)
・任意的記載事項の記入(事業年度・役員数など)
・作成した書類のPDF化(電子定款の場合)
・専用ソフトや機器の購入(電子定款の場合)

※定款には発起人全員の記名押印が必要

STEP6.定款の認証を受ける ・作成した定款を書類またはオンラインで公証役場に提出
・公証役場に直接出向いて認証を受ける

※定款認証は、発起人全員の立ち会いが必要

STEP7.出資金(資本金)を払い込む ・発起人代表の個人口座を用意する
・用意した口座に資本金を振り込む
・通帳のコピーを取る
・払込証明書の作成

※発起人1人ひとりの名前を分かるようにするため、必ず「振込」で入金する

STEP8.登記申請書類を作成する 以下の書類を用意する

・登記申請書
・収入印紙を貼りつけた用紙
・取締役の就任承諾書
・発起人個人の印鑑登録証明書
・資本金の払込証明書
・法人実印の印鑑届出書
・認証済みの定款

※印鑑登録証明書は、発起人全員分を用意する

STEP9.法務局で登記申請をする ・書類またはオンラインで管轄の法務局へ提出
・登録免許税の納付

※法務局での事務処理が終わり、登記完了となった時点ですべての会社設立手続きが完了したことになる

これらの手続きを発起人全員で手分けして行い、すべての手続きが完了するまでは2週間程度かかるのが一般的です。

会社の概要を決める話し合いや定款認証など、発起人全員の立ち会いが必須の手続きもあるため、発起人の人数が多い場合は、細かくスケジュール管理をする必要があります。

・定款の作成
・登記申請書類の作成
・登記申請

といった手続きは複雑で難易度が高いため、税理士や司法書士といった専門家に代行するケースも珍しくありません。

2-2.会社に出資をする

会社に出資をするのも、発起人の重要な役割です。

「発起人は会社の株式を1株以上引き受けなければならない」と会社法によって定められており(第25条2項)、1株以上に相当する金額の出資をしないと発起人として認められないということになります。

「1株以上」とは具体的にいくら?

1株あたりの金額は、会社によって自由に決めることができ、1~5万円が一般的です。

1株=1万円に設定した株式会社の場合、どれだけ会社設立の準備に貢献していても、1万円以上のお金を出資していない場合は発起人として認められないので注意しましょう。

発起人が会社に出資をする流れは、以下のとおりです。

発起人が会社に出資をする流れ
(例:資本金が300万円、1株1万円の場合)
会社の資本金の総額を決める 中小企業の場合は100~300万円程度が一般的
(例:300万円)
1株あたりの金額を決める 1株あたりの金額は1~5万円が一般的
例)1株=1万円と設定した場合、発行する株式数は300株とする
株主の構成を決める 発行する株を誰がどの割合で保有するかを決める
例)300株を発起人3人で保有する場合
発起人A:200株(200万円出資する)
発起人B:50株(50万円出資する)
発起人C:50株(50万円出資する)
※発起人が1人の場合は100%自分が保有する
資本金の払込 発起人代表者の個人口座に、各自が負担する出資額を払い込む
例)発起人Aの口座にA自身が200万円、
B・Cが50万円ずつ振込む
法人口座に移す 会社設立後、銀行の法人口座を開設し、発起人の個人口座に払い込んでいた資本金を移動させて完了

出資は現金以外のものも認められており、車や建物といった現物を出資した場合は、現物の評価額相当のお金を出資したことになります。

2-3.会社の役員を決める

会社の役員を決めるのも、発起人の役割です。

株式会社には最低1名以上の取締役を置かなければならないと会社法で定められており(第326条1項)、取締役をはじめとする会社の役員は、定款を作成する発起人が選任することになります。

発起人が選任する会社の役員には、次のようなものがあります。

発起人が選任する会社の役員
取締役
※最低1人以上設置義務あり
・会社の経営方針や事業計画などの意思決定を行う責任者
・取締役が1人の場合は、その人物が「代表取締役」となる
・取締役が複数人の場合は「取締役社長」「専務取締役」「常務取締役」と序列をつけることもできる
会計参与
※原則設置義務なし
・取締役等と共に会計書類を作成する役員
・税理士や公認会計士といった専門家を選任する
監査役
※原則設置義務なし
・取締役と会計参与の業務に不正がないか監査する役員
・社内から監査役を選任する「社内監査役」のほか、社外から監査役を迎え入れる「社外監査役」を設置するケースもある

これらの役員は、必ずしも発起人の中から選ぶ必要はなく、発起人以外の人物を選任することも可能です。

すべての役員を決めた段階で、法律上の発起人としての役割は終了となり、会社設立後は株主や役員として各々の役割を果たすことになります。

・取締役に選任された発起人:会社設立後は「取締役」兼「株主」となる
・役員に選任されなかった発起人:会社設立後は「株主」となる

3.発起人の責任

3.発起人の責任

ここからは、発起人が負う責任について、以下の順に解説します。

・会社設立が失敗・中断した場合も費用を負担しなければならない
・定款に記載した出資金は必ず支払わなければならない
・現物出資の場合は正しい評価額を定款に記載しなければならない
・会社設立の業務を怠ってはならない

いずれも会社設立が問題なく完了すれば負う必要がない責任ですが、万が一トラブルやイレギュラーが発生した場合に備えて、法律と照らし合わせながら確認しておきましょう。

3-1.会社設立が失敗・中断した場合も費用を負担しなければならない

発起人には、「会社設立が失敗・中断した場合も費用を負担しなければならない」という責任があります。

これは会社法第56条「株式会社不成立の場合の責任」にあたるもので、会社法には以下のように記されています。

【会社法第56条「株式会社不成立の場合の責任」】
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。

出典:会社法 | e-Gov法令検索

もう少しかみくだいて説明すると、「会社設立の手続きを進めていたものの、何らかの事情で登記完了まで至らなかった場合、途中までの作業にかかった費用は発起人が負担しなければならない」ということです。

具体的にどのようなケースが考えられるか、次の例をご覧ください。

「株式会社不成立の場合の責任」が発生する例
友人と2人で化粧品の輸入販売店をオープンすることになり、発起人として会社設立の準備を開始したAさん。

税理士事務所に20万円の報酬を支払い、定款や登記申請書類の作成を代行してもらうが、登記申請を提出する直前のタイミングで事業の要となる仕入先が倒産。

会社設立完了まであと一歩ではあったものの、事業計画が白紙になったため手続きは中断。

設立後に開業費として精算しようと思っていた代行費用20万円は、友人と10万円ずつ自費で負担することとなった。

このように、発起人には会社設立が失敗・中断した場合も費用を負担しなければならないという責任があります。

3-2.定款に記載した出資金は必ず払い込まなければならない

発起人には、定款に記載した出資金は必ず払い込まなければならないという責任もあります。

こちらは、会社法第52条の2「出資の履行を仮装した場合の責任等」にあたります。

【会社法第52条の2 「出資の履行を仮装した場合の責任等」】

発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
一 第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資にかかる金銭の全額の支払

出典:会社法 | e-Gov法令検索

「仮装出資」とは、実際には資本金として使わないお金を一時的に口座に入れて資本金を払い込んだように見せかける行為のことで、「見せ金」などと呼ばれる手法があります。

具体的にどのようなケースが考えられるか、次の例をご覧ください。

「出資の履行を仮装した場合の責任等」が発生する例
人材派遣会社を設立しようと決意し、発起人になったAさん。

労働者派遣事業を開業する際は、事業所1箇所につき2,000万円以上の資本金を用意しなければならない(厚生労働省によって定められている)が、Aさんが用意できる自己資金は1,000万円。

知人に事情を話し、「すぐに返す」と約束して1,000万円を借りる。

定款には「資本金2,000万円」と記載し、公証役場に認証されて会社設立は成功。知人に借りた1,000万円は、約束どおり設立後すぐに返済した。

後日、税務署から「不自然な口座の入出金がある」と指摘され、口座内のお金と定款に記載された資本金の額が違うことからAさんの仮装出資が発覚。

払込を仮装した1,000万円を全額支払うよう要求されたが、Aさんが支払い不能であったため、会社設立は無効となった。

このように、発起人には定款に記載した出資金は必ず払い込まなければならないという責任があります。

3-3.現物出資の場合は正しい評価額を申告しなければならない

発起人には、「現物出資の場合は正しい評価額を申告しなければならない」といった責任もあります。

これは、会社法第52条「出資された財産等の価額が不足する場合の責任」に基づくもので、会社法の中では次のように記されています。

【会社法第52条「出資された財産等の価額が不足する場合の責任」】

株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。

出典:会社法 | e-Gov法令検索

2-2.会社に出資をする」でもお伝えしたとおり、会社への出資は車や建物といった「現物」で行うことができます。

現物出資をする場合は、車や建物の適正な評価額を定款に記載し、会社設立後は評価額に応じた株式を受け取ることになります。

この時、現物出資した発起人が実際の価値よりも高い金額を申告(定款に記載)していた場合、不足額はほかの発起人も連帯責任で補填しなければなりません。

少し複雑なルールですので、具体例を見てイメージしてみましょう。

「出資された財産等の価額が不足する場合の責任」が発生する例
同じ会社の同僚だったAさん・Bさん・Cさんの3人は、独立して新たに会社を立ち上げることになった。

会社の資本金は1,000万円に定め、発起人である3人はそれぞれ以下の出資を行った。

・Aさん:現金500万円
・Bさん:現金100万円
・Cさん:車(自己申告の評価額は400万円であったため、定款には400万円と記載)

会社設立後、Cさんが出資した車を査定に出したところ、どこの買い取り業者でも買取額が100万円にしかならなかった。

これにより、実質的な資本金は定款に記載した資本金よりも300万円不足していることが発覚。

不足分は発起人の連帯責任で補わなければならないため、Aさん・Bさん・Cさんがそれぞれ現金100万円ずつを支払うこととなった。

このように、現物出資の不足額を支払う義務が発生することから、発起人には「現物出資の場合は正しい評価額を申告しなければならない」という責任があります。

3-4.会社設立の業務を怠ってはならない

発起人には、「会社設立の業務を怠ってはならない」といった責任もあります。

これは、会社法第53条「発起人等の損害賠償責任」に基づくもので、会社法の中では次のように記されています。

【会社法第53条「発起人等の損害賠償責任」】

発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う
2 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

出典:会社法 | e-Gov法令検索

発起人の役割である会社設立に関する業務を怠り、会社に対して何かしらの損害を与えた場合は、損害賠償責任を負わなければなりません。

なお、会社に与えたものが金銭的な損害である場合は、賠償金の支払いが必要となります。

会社設立の手続きをする際は、「最後まで責任を持って手を抜かず行う」という覚悟を持って業務にあたりましょう。

4.発起人の資格は「会社に出資している15歳以上の人物」なら誰でもOK

4.発起人の資格は「会社に出資している15歳以上の人物」なら誰でもOK

発起人の資格は「会社に出資している15歳以上の人物なら誰でもOK」です。

1株以上に相当する金額(会社によって異なる・1~5万円が一般的)を出資してさえいれば、

・人数
・国籍
・個人/法人

を問わず、誰でもその会社の発起人になることができます。

※法人が発起人になる場合、両社の事業内容があまりに無関係だと認められないケースもあり

【なぜ出資者は15歳以上でなければならないの?】

出資に必要な「印鑑登録」が15歳未満の未成年者には認められていないため
(15歳未満の出資が禁止されているというよりも、制度上出資が不可能)

ただし、制度上は誰でも簡単になれるからといって、発起人を安易に決めてしまうと後のトラブルの元になるので注意しましょう。

発起人をどのように決めればいいのかは、次章で詳しくお話しします。

5.発起人の決め方

5.発起人の決め方

ここからは、発起人の決め方について

・1人会社を設立する場合
・複数人で会社設立する場合

の順に解説します。

出資さえすれば、制度上は誰でもなれる役割だからこそ、後々後悔しないよう、発起人の決め方を知っておきましょう。

5-1.1人会社を設立する場合

1人会社を設立する場合は、自動的にあなた1人が発起人となります。

・発起人
・出資者
・取締役
・株主

の役割をすべて自分1人で兼任することになります。

自分だけで会社設立を行うため、意見が割れるといったトラブルが発生するリスクは少ないですが、手続きの事務負担が大きいというのがデメリットです。

5-2.複数人で会社設立する場合

複数人で会社設立する場合は、メンバーの全員もしくは一部を発起人として選定する必要があります。

発起人の決め方としては、以下のように行うと良いでしょう。

複数人で会社設立する場合の発起人の決め方
STEP1.メンバー全員の意思確認

会社設立時のメンバーを全員集め、発起人の役割や責任を説明し、全員の意思を確認する

STEP2.可能な限り少人数に絞る

次のようなメンバーは発起人候補から外し、人数を絞る

・発起人になる意思がない(会社設立手続きをしたくない、出資したくないなど)
・株主になるつもりがない(設立後の会社の意思決定に関わるつもりがない)
・発起人になる意思はあるが、ほかのメンバーと衝突しやすい

発起人の人数は、多すぎても少なすぎてもそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。

  人数が多すぎる場合 人数が少なすぎる場合
メリット 資本金を多く集めやすい 会社設立がスムーズに進む
デメリット ・意見割れ・揉め事が起きやすい
・スケジュール調整が難しい
・1人あたりの事務作業負担が増える
・資本金が集まりにくい

「◯人がベスト」といった正解はないため、手続きの分担と意見のまとまりやすさのバランスを見ながら最少人数に絞ると良いでしょう。

6.発起人を決める際の注意点は「安易に人数を増やさない」こと

6.発起人を決める際の注意点は「安易に人数を増やさない」こと

発起人を決める際の注意点は、「安易に人数を増やさない」ことです。

なぜこのようなことに注意しなければならないのか、その主な理由は2つあります。

・会社設立に時間がかかる
・設立後の会社支配権に影響が出る

どういうことか、それぞれ詳しく見ていきましょう。

6-1.会社設立に時間がかかる

発起人の人数を安易に増やすと、会社設立に時間がかかる恐れがあります。

これは、会社設立の手続きには発起人全員の協力がなければ進まないシーンが多く、人数が多いほど動きが鈍くなるためです。

具体的にどのようなケースが考えられるか、以下の表をご覧ください。

発起人の人数を増やすことで会社設立に時間がかかるケース
ケース①会社の概要を決める際にもめる

社名・資本金の額・役員構成といった会社の概要は発起人全員が合意の元、決定しなければならないため、人数が多いほど意見が割れやすくなり時間がかかる
ケース②定款認証を受ける日程が決まらない

定款認証を受ける際は、原則として発起人全員が公証役場に出向いて立ち会う必要があるため、人数が多いほどスケジュール調整に時間がかかる

※やむを得ず立ち会えない発起人がいる場合は、代理人を立てて委任状を提出する
ケース③出資金がなかなか集まらない

発起人全員から出資金を集めて、代表者の口座に払い込まなければならない

資金の用意や振込を予定どおり行わない発起人がいた場合、会社設立のスケジュールが後ろ倒しになる

会社設立を旅行や会食に置き換えるとイメージしやすいですが、何かを計画する際に自分1人だけで行う場合と仲間10人で行う場合とでは、意思決定や手続きにかかる時間が全く違うのではないでしょうか。

このように、会社設立に余計な時間がかかってしまわないよう、発起人の人数は安易に増やさないよう注意しましょう。

6-2.設立後の会社支配権に影響が出る

発起人の人数を安易に増やすと、設立後の会社支配権に影響が出る可能性もあります。

発起人は未来の株主であるため、長期的に上手くやっていける人を厳選しておかないと、経営方針に関する意見の対立や確執を生む原因になりかねません。

一体どういうことか、順を追って具体的にお話しします。

1-3.株主との違い」でもお伝えしたように、発起人は会社設立が完了した後は出資額に応じた株式を引き受けて「株主」となります。

株主には、保有している株式の数に応じた「議決権」が与えられ、株主総会で次のようなことを決められます。

株主総会で決められること
・新株の発行
・会社の解散や合併
・役員の選任や解任
・役員報酬の内訳

つまり、出資額が大きい発起人ほど、設立後の会社で大きな発言権を持つということです。

大きな金額を出資してくれるからといって、よく知らない人物や会社にとって好ましくない人物を発起人に選んでしまうと、会社設立後にあらぬ口出しをされてしまう恐れがあります。

このような事態を避けるためには、

・資本金の3分の2以上は自分で負担し、議決権を確保しておく
・発起人には会社設立後も末永く上手くやっていける人を厳選する

といったポイントに注意し、資本金集めのために安易に発起人を増やすのは避けましょう。

【どうしても外部から資金調達したい場合はどうする?】

「安易に発起人を増やすのは危険だと分かったが、どうしても外部から資金調達したい」という場合は、次のような方法が有効です。

・会社設立後に金融機関から融資を受ける
・「助成金」「補助金」を利用する

会社設立は資本金1円からでもできます。
設立後の運転資金が心配な場合は、会社設立時の資本金を発起人から無理にかき集めるのではなく、会社設立後に借り入れると良いでしょう。会社設立の際に使える「助成金」や「補助金」の利用も検討してみるのもいいでしょう。
【2024年度】会社設立に使える助成金・補助金の一覧」の記事もおすすめです。

7.こんな場合はどうする?発起人に関するQ&A

7.こんな場合はどうする?発起人に関するQ&A

この章では、発起人に関するよくある疑問をQ&A形式で紹介します。

自信を持って会社設立手続きが進められるよう、発起人を決める際の小さな疑問や不安をすべて解消しておきましょう。

7-1.Q.結局、発起人のベストな人数は?

A.正解はないが、理想は「自分1人」

5-2.複数人で会社設立する場合」でもお伝えしたとおり、発起人のベストな人数に正解はないものの、人数が多いほど

・意見割れ、もめ事が起きやすい
・スケジュール調整が難しい
・設立後の会社支配権に影響が出る

といったリスクがあることから、可能な限り少人数・かつ信頼できる人物を厳選するのが望ましいと言えます。

そのため、ほかに志願者がいない場合は自分1人が発起人になるのが理想です。

7-2.Q.発起人でも取締役にならず一般社員として働くことはできる?

A.発起人が複数人いれば可能

株式会社では最低1名の取締役を置かなくてはなりません。自分以外の発起人が取締役に就任すれば、一般社員(兼株主)として働くことは可能です。

ただし、発起人が自分1人のみの会社である場合は、必然的に発起人と取締役を兼任することになります。

7-3.Q.会社設立にかかった費用は発起人が自腹で負担する?会社負担?

A.会社が負担するもの
設立費用は変態設立事項に該当するため(会社法28条4号)、定款に記載がなければ原則として会社に効力が生じません。

なお、設立費用の中でも、
・定款にかかる印紙税
・設立時発行株式と引換えにする金銭の払込みの取扱いをした銀行等に支払うべき手数料及び報酬
・検査役の報酬
・株式会社の設立の登記の登録免許税
といった費用に関しては、定款に記載がなくとも会社負担になります。

とはいえ、設立前の会社からお金を捻出することはできないため、発起人が一時的に費用を立て替えて、設立後会社に請求するといった形になります。

ただし、会社設立が失敗・中断した場合は、それまでにかかった費用は自己負担となります(会社法第56条「株式会社不成立の場合の責任」)。

7-4.Q.設立した会社が倒産した場合、発起人は何らかの責任を問われる?

A.発起人としての責任は問われない

発起人とは、あくまで会社を設立する期間限定の役職であり、設立後の会社において生じる責任はありません。

会社が倒産した場合、責任を負うかどうかの決め手となるのは、「倒産した時点でのあなたのポジション」です。

会社設立時は発起人・設立後は代表取締役になった場合
会社の倒産に伴い、融資の返済責任などを負って自己破産するケースもある
会社設立時は発起人・設立後は役員にならず一般社員になった場合
会社が倒産しても個別に負う責任は特になし

発起人としての責任は、「3.発起人の責任」でお伝えしたような

・会社設立が失敗・中断した場合に費用を負担する責任
・定款に記載した出資金は必ず払い込まなければならない責任
・現物出資をする際、正しい評価額を定款に記載しなければならない責任

といった、「会社設立中に起こった事象」に対して生じるものだと覚えておきましょう。

8.発起人が自分1人でも大丈夫!会社設立の事務負担を軽減させるコツ

8.発起人が自分1人でも大丈夫!会社設立の事務負担を軽減させるコツ

発起人が自分1人の場合、会社設立手続きが煩雑になるというデメリットがありますが、工夫次第で事務負担を軽減することができます。

本章では発起人が自分1人の方に向けて、会社設立の事務負担を軽減させるコツを

・無料の会社設立サポートサービスを利用する
・会社設立の代行を専門家に依頼する
・会社設立後の手続きをオンラインで行う

の順にお話しします。

8-1.無料の会社設立サポートサービスを利用する

会社設立の事務負担を軽減させるコツとして、もっとも手軽なものは、無料の会社設立サポートサービスを利用することです。

【会社設立サポートサービスとは?】

会計ソフト開発会社などが提供する、会社設立の書類の作成・申請ができるサービス

書類のフォーマットが用意されており、画面に沿って操作するだけなので、専門知識がなくても会社設立手続きがスムーズに行える

会社設立を行ううえで、

・定款作成
・定款認証の申請
・登記申請書類の作成
・登記申請

といった作業は初心者には難易度が高く、用意する書類の確認や記載方法などでつまずいてしまうケースも多くあります。

会社設立サポートサービスを利用すれば、案内に沿ってパソコンを操作するだけなので、会社設立手続きの難易度がぐっと下がります。

「会社設立手続きを自分だけで行うのは不安だが、税理士や司法書士を雇うほどお金はかけたくない」

という場合は、

freee会社設立
弥生のかんたん会社設立

などの無料の会社設立サポートサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

8-2.会社設立の代行を専門家に依頼する

会社設立の代行を専門家に依頼するというのも、事務負担を軽減させるのに有効なコツです。

税理士や司法書士といった専門家に報酬を支払い、手続きのすべてもしくは一部を代行してもらえば、自分では、ほぼ何もせずに会社設立を完了することができます。

会社設立を自分でやる場合と専門家に代行依頼する場合とでは、費用や作業負担がどのくらい違うのか、以下の比較表を見てみましょう。

  自分で会社設立する場合 専門家に代行依頼する場合
費用 18万円~
(登録免許税など)
23万円~

(会社設立費用に加えて、別途5~20万円の代行費用がかかる)

時間 2週間~1カ月程度 最短4~10日程度
発起人が
やること
会社の概要決め~登記申請までの事務手続きすべて

(必要書類の作成・申請など)

当事者にしか手続きできない作業のみ

例)
・自分の印鑑登録証明書の発行
・資本金の払込
・会社の概要を決める(社名・役員構成など)

→自分自身で作業するのは実質1~2日程度

会社設立の代行を依頼すると、自分1人で会社設立する場合と比べてスピーディーに手続きを完了させられるうえに、手間のかかる作業はプロが行ってくれるため本業に集中することができます。

ただし5~20万円程度の代行費用がかかるので、できるだけ低予算で行いたい場合は、前述した無料の会社設立サポートサービスを利用すると良いでしょう。

会社設立の代行についてより詳しく知りたい場合は、代行の仕組みやメリットやデメリットについて解説した以下の記事をご覧ください。
「会社設立代行とは|必ず知っておきたい6つの基礎知識とは」

8-3.会社設立後の手続きをオンラインで行う

事務負担を軽減させるコツとして、会社設立後の手続きをオンラインで行うのもおすすめです。

発起人としての役割は登記申請が完了した段階で終了となりますが、会社設立後もあなたが主体となって動く場合は、以下のような手続きを行う必要があります。

会社設立後に必要な手続き
やること 事務負担を軽減させるコツ
法人税の届出

「法人設立ワンストップサービス」※
を利用して書類をオンライン提出する

→税務署・年金事務所・法務局・ハローワークなどに書類を提出する手間が省ける

法人住民税・法人事業税の届出
健康保険・雇用年金の加入手続き
労働法に関する届出
雇用保険に関する届出
法人口座の開設 店舗型銀行ではなくネット銀行を開設する
→銀行窓口に出向く手間が省ける

※法人設立ワンストップサービス:政府が運営するWebサイト「マイナポータル」で、会社設立後のあらゆる手続きを一度に提出できるサービスのこと

会社設立後の事務手続きは

・「法人設立ワンストップサービス」を利用して書類をオンライン提出する
・原則オンラインで開設できるネット銀行にて法人口座を開設する

など、オンラインを駆使することで負担を軽くできます。

会社設立直後の慌ただしい時期に税務署や年金事務所、銀行窓口などに直接出向くのは大変なので、できるだけオンラインで対応できるものはしておいて、移動や受付の待ち時間を短縮しましょう。

なお、会社設立後に対応することについては「会社設立後に対応すること45項目|いつ・何を・どこですべきか」で詳しく説明しておりますのでこちらの記事もおすすめです。

9.創業期の法人口座はネット銀行がおすすめ

9.創業期の法人口座はネット銀行がおすすめ

会社設立後すぐにやるべきことのひとつに「銀行で法人口座を開設する」というものがありますが、この手続きは資本金を集めた発起人が行うのが一般的です。

法人口座を開設するなら、都市銀行・地方銀行・信用金庫などの店舗型銀行よりもネット銀行をおすすめします。

【ネット銀行とは?】

店舗型銀行のように窓口を持たないインターネット専業銀行
振込や口座開設などのあらゆる手続きがインターネット上で完結するのが特長

店舗型銀行とネット銀行には、窓口の有無以外にもさまざまな違いがあり、以下の表はそれぞれの特長を比較したものです。

店舗型銀行とネット銀行の比較表
比較項目 店舗型銀行 ネット銀行
口座開設までの
スピード

遅い
2~3週間程度

早い
最短即日~2週間
口座開設に
かかる手間

多い
窓口まで出向いて口座開設手続きや通帳作成をする必要がある

少ない
原則オンラインで手続きが完了
通帳は作らない
口座開設審査の
柔軟さ

ネット銀行と比べると必要書類が多い

必要書類も最小限であり、比較的柔軟
振込手数料
高い
150~600円程度

安い
145~200円程度
取引可能時間
限られる(※)
平日9時~15時の窓口
(各金融機関による)

原則24時間365日利用可能
社会的信用
(知名度)

高い

低い
融資を受けられる
金額

大きい
1,000~5,000万円

低金利で大きな融資を受けられる


小さい
1,000万円以内

高金利・限度額の低いビジネスローンが主流

※オンラインでも取引が可能だが、数千円の利用料がかかる場合もある

上の表を見ても分かるとおり、ネット銀行は店舗型銀行と比べて

・口座開設審査が店舗型銀行と比較すると比較的柔軟
・時間や場所を選ばず取引できて便利

といった特長があり、この2点こそが忙しい発起人の方にネット銀行をおすすめする理由です。

それぞれどのような特長なのか、なぜこれらがネット銀行をおすすめする理由なのかを詳しくお話しします。

9-1.口座開設審査が店舗型銀行と比較すると比較的柔軟

口座開設審査が比較的柔軟というのは、ネット銀行の大きな特長です。

ネット銀行なら、少ない時間と手間で法人口座の申込ができるため、会社設立後の事務手続きに追われている発起人の方の負担を軽くしてくれます

店舗型銀行とネット銀行の法人口座開設の流れにどのような違いがあるかを詳しく比較してみましょう。

法人口座開設の流れ
店舗型銀行 ネット銀行
窓口に出向いて必要書類を提出
・Web面談があるところも
・審査(厳しい)
・審査通過後、通帳の発行・受取

→申込から2~4週間程度で口座開設完了

インターネット上の申込フォームに必要情報を入力
・必要書類をデータで送付(一部郵送)
・審査(比較的柔軟)

→申込から最短即日~2週間程度で口座開設完了

ネット銀行は店舗型銀行と比較して

・窓口に足を運ばなくて良い(オンラインで申込手続きが完了)
・審査が比較的柔軟

といった特長があり、自宅やオフィスにいながら最短即日ですべての手続きを完了させることができます。

発起人が自分1人の場合、法人口座開設以外にも税金や保険の届出なども自分で行わなければならず、すべての手続きを終えなければ実際に事業がスタートさせられません。

「まずは審査の早いネット銀行で法人口座を作り、事業が落ち着いてから店舗型銀行でも口座を作る」

といったやり方もできるため、忙しい会社設立直後は「ひとまずの法人口座」としてネット銀行を活用するのがおすすめです。

9-2.時間や場所を選ばず取引できて便利

「時間や場所を選ばず取引できて便利」というのも、ネット銀行がおすすめできる特長のひとつです。

ネット銀行は、ネット環境があれば振込などの取引をいつでもどこでも行えるため、設立して間もない忙しい経営者(発起人)でも、隙間時間を使って便利に利用できます。

店舗型銀行であれば取引には銀行の窓口やATMを利用するのが一般的であるため、出先で急に振込が必要になった場合、最寄りのATMを探さなければならないなどの手間がかかってしまいます。

対してネット銀行であれば、取引先から急な振込依頼があっても、スマートフォンやパソコンひとつですぐに取引が可能です。

【店舗型銀行はオンラインで取引できないの?】

店舗型銀行でも「インターネットバンキング」を利用すればオンラインでの取引が可能です。

ただし、銀行によってはインターネットバンキングの利用そのものに別途数千円の料金がかかる場合があるため、オンラインで取引をしたい場合は、原則無料であるネット銀行の利用をおすすめします。

発起人が自分1人の場合、「会社が軌道に乗るまでの間、煩雑になりやすい雑務をどれだけ楽にできるか」がビジネス成功の重要なポイントとなってきます。

・窓口が開いている時間に予定を調整して銀行に向かい、振込を行う
・仕入先が複数あり、振込を立て続けに行わなければならず、何度も最寄りのATMとオフィスを往復する

といった余計な時間や手間が発生するのを防ぐためには、自宅やオフィスでも簡単に取引できるネット銀行を選ぶのが最善だと言えるでしょう。

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発起人の方でも安心

会社設立時の雑務に追われる発起人の方に特におすすめしたいのが、「GMOあおぞらネット銀行」での法人口座を開設です。

【GMOあおぞらネット銀行をおすすめする3つのポイント】
①条件を満たせば最短即日~法人口座開設可能なので事業もスピーディーに始められる(※1)
②業界最安値水準の振込手数料145円で経費削減(※2)
③24時間365日いつでも取引可能(※3)忙しい経営者のみなさまもインターネットバンキングでらくらくお取引

※1 (1)取引責任者さまと代表者さまが同一の場合 (2)自撮り動画(セルフィー)での本人確認の条件を満たした場合
※2 2024年4月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行。各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除く
※3 システムメンテナンス時を除く
※4 着金タイミングは相手先銀行による


ほかにもこんな嬉しいポイントが!

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・創業期・赤字でも借入可能なビジネスローン「あんしんワイド」


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9.まとめ

最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。

▼会社設立における発起人とは?
・発起人とは、株式会社設立の企画・出資・準備を行う人のこと
・取締役との違い:会社設立後、経営を行うかどうか
・株主との違い:発起人は未来の株主
・出資者との違い:会社設立には携わらず外部からお金を出すだけの人も含まれる
→発起人とは、会社設立期間限定の役割
▼発起人の役割
・会社設立の手続きを行う
・会社に出資をする
・会社の役員を決める
→ここまでやって発起人の仕事は終了。設立後は株主や取締役としての役割を果たす
※発起人は会社に出資している15歳以上の人物であれば、制度上は誰でもなれる
▼発起人の責任
・株式会社不成立の場合の責任:会社設立が失敗・中断した場合も費用を負担しなければならない
・出資の履行を仮装した場合の責任等:定款に記載した出資金は必ず支払わなければならない
・出資された財産等の価額が不足する場合の責任:現物出資の場合は正しい評価額を定款に記載しなければならない
・発起人等の損害賠償責任:会社設立の業務を怠ってはならない
▼発起人の決め方
・1人会社を設立する場合:自動的に自分が発起人となる
・複数人で会社設立する場合:メンバー全員の意思確認し、可能な限り少人数に絞る
→発起人の決め方のポイントは「安易に人数を増やさないこと」

本記事の内容を読んで、あなたの会社の発起人がスムーズに決まり、ビジネスの良いスタートを切れることを願っています。

※ 本コラムは2024年4月10日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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