
「うちは今の銀行で困っていない」「ネット銀行は個人向けのものでは?」
そう考えている経理担当者の方も多いのではないでしょうか?
しかし、成長し続けている企業の多くが、既にネット銀行を戦略的に活用しています。
この記事では、成功企業がネット銀行を選ぶ理由と、その具体的なメリットについて詳しく解説します。
目次
1. ネット銀行が選ばれる3つの理由
多くの企業が共通して評価するネット銀行の価値とは何でしょうか。コスト削減に加え、経営の質を向上させる3つのメリットを詳しく解説します。
1-1. 振込手数料の大幅削減によるコストの最適化
ネット銀行が選ばれる最も大きな理由の一つが、振込手数料です。具体的な数字で比較してみましょう。
<他行宛て振込手数料の比較>
従来の都市銀行 :330円~660円/件(税込)
ネット銀行 :143円~229円/件(税込)
1件当たりの差は一見小さく見えますが、月間100件の振込を行う企業の場合、ネット銀行を活用すると、年間で約12万円~62万円のコスト削減効果があります。さらに、振込件数が多い企業向けに優遇プランを用意しているネット銀行もあるので、うまく利用すれば、さらなる削減も可能です。
一例として、GMOあおぞらネット銀行の「振込料金とくとく会員(https://gmo-aozora.com/business/service/aozoraprime.html)」があります。
<具体的なコスト削減シミュレーション>
製造業A社(従業員50名)の場合
- 月間振込件数:約150件
- 従来の手数料:月額約10万円
- ネット銀行移行後:月額約2万円
- 年間削減額:約93万円 (約78%削減)

1-2. リアルタイム資金管理によるキャッシュフロー強化
24時間365日、リアルタイムで資金状況が把握できるようになることにより、迅速な経営判断が可能になります。
24 時間365日の資金状況把握
ネット銀行では、いつでもどこからでもリアルタイムで資金状況を確認できます。それにより、以下のようなメリットが得られます。
・即座の資金判断:緊急の支払いや投資機会など迅速に対応
・キャッシュフロー予測の精度向上:正確な資金計画の策定
・資金調達タイミングの最適化:必要最小限の借入で効率的な資金運用
データの見える化
取引履歴や残高の確認がリアルタイムでできるため、資金状況の把握が容易になり、以下のような点で業務に役立ちます。
・入出金の履歴を即座に確認し、資金の動きを把握・複数口座の残高を一元管理
・会計システムとの連携により、経営分析レポートの作成を効率化
1-3. API連携による経理業務の自動化
最近特に注目されているのが、ネット銀行のAPI(Application Programming Interface)連携です。APIとは、異なるシステム同士を連携させる仕組みのことで、銀行と会計システムを自動的に繋げることができます。
自動化可能な業務
・振込データの一括処理
・入金確認と売掛金の消込
・会計システムへの自動仕訳
・資金残高のリアルタイム監視
2. ネット銀行を導入すべき企業の特徴
どのような企業がネット銀行の恩恵を最も受けやすいのでしょうか。企業規模や業種による特徴を整理し、自社の適性を判断するためのポイントをご紹介します。
2-1. こんな企業には特にメリットが大きい
以下のような特徴を持つ企業は、ネット銀行導入による効果を特に実感しやすいでしょう。
| 企業の特徴 | 例 |
|---|---|
| 取引頻度が多い | ・月間振込件数が50件以上 ・複数の取引先との頻繁な資金のやり取り ・EC事業など、小額決済が多い業種 |
| 成長志向が強い | ・事業拡大を計画している ・新規投資の機会を積極的に検討している ・資金効率の最適化を重視している |
| デジタル化を推進している | ・会計システムを既に導入している ・業務効率化に積極的に取り組んでいる ・リモートワークを導入している |
2-2. 業種別の導入メリット
各業界での具体的なメリットは以下のとおりです。
| 業界 | 導入メリット |
|---|---|
| 製造業 | ・原材料調達や外注費の支払い効率化 ・設備投資資金の迅速な調達判断 |
| 小売業・EC事業 | ・仕入代金の一括処理による効率化 ・売上金の迅速な確認と資金繰り改善 |
| サービス業 | ・人件費や外注費の自動処理 ・プロジェクト別の資金管理の高度化 |
| IT・ベンチャー企業 | ・急速な成長に対応する柔軟な資金管理 ・投資家への財務報告の精度向上 |
3. ネット銀行導入で期待できる効果
実際にネット銀行を導入した際に想定されるモデルケースを、業種ごとにまとめました。
3-1.製造業における期待効果
中小規模の製造業(従業員50名程度)が、ネット銀行を導入した場合に期待できる効果です
| 導入【前】の課題 | ・月末の振込処理に丸2日を要していた ・取引の都度、通帳に記帳しないと資金残高が正確に把握できなかった ・手作業による仕訳ミスが月3~4件発生 |
|---|---|
| 導入【後】の変化 | ・振込処理時間が大幅に短縮 ・リアルタイムでの資金管理が可能に ・システム連携により仕訳ミスがほぼゼロに |
3-2. サービス業における期待効果
複数店舗を持つサービス業において期待できる効果です。各拠点の口座管理や資金の集約に課題を抱えている企業で特に有効です。
| 導入【前】の課題 | ・複数店舗の銀行口座管理で情報が分散 ・各拠点の資金状況の把握に時間がかかっていた ・店舗間の資金移動や本部への集約作業が煩雑 ・月次決算に時間がかかっていた |
|---|---|
| 導入【後】の変化 | ・全店舗の資金を一元的に管理し、情報の見える化を実現 ・リアルタイムで各拠点の資金状況を把握可能 ・月次決算の早期化を実現 ・キャッシュフロー予測の精度が大幅向上 ・経理業務のミス削減と作業時間の大幅短縮 |
特に、API連携により会計システムと銀行口座を自動連携することで、経理担当者の作業時間を月間20~30時間削減できる可能性があります。これにより、経理担当者は、より戦略的な業務に集中できるようになります。
4. ネット銀行を選ぶ際の比較検討項目
数あるネット銀行の中から自社に最適な選択をするために、重要な比較検討項目を整理しました。
ネット銀行を選ぶ際には、単純に手数料の安さだけで判断するのではなく、自社に合ったサービスかを総合的に評価することが重要です。以下の4つの観点から比較検討を行いましょう。
【比較検討すべき項目】
2. 銀行機能の内容
3. その他の利便性
4. セキュリティと信頼性
4-1. 手数料体系
手数料は毎月発生するコストのため、長期的な視点での比較が必要です。
振込手数料の水準
他行宛て振込の手数料は、銀行によって大きく異なります。月間の振込件数が多い企業ほど、わずかな手数料差が年間で大きな金額差になります。
口座維持手数料の有無
多くのネット銀行では口座維持手数料が無料ですが、条件付きで発生する場合もあります。
振込件数による優遇制度
一部のネット銀行では、振込件数が多い場合に手数料が割引される優遇プランを用意しています。
その他の手数料
インターネットバンキング利用料、証明書発行手数料、口座開設手数料、ATM手数料なども確認が必要です。
4-2. 銀行機能の内容
手数料以外の銀行機能の内容も、業務効率に大きく影響します。
振込予約機能
給与支払日や取引先への定期支払いなど、事前に振込を予約できる機能があると便利です。
承認フロー設定
複数段階の承認設定、承認権限の金額別設定などができるか確認しましょう。
データ出力機能
取引明細をCSVなどでダウンロードできるか、過去データの保存期間と出力形式を確認しましょう。
API ラインアップの充実度
自社で使用している会計システムや販売管理システムと連携できるか確認しましょう。API連携により、振込データの自動取り込み、仕訳の自動作成、入金消込の自動化などが実現できます。
4-3. その他の利便性
日々使うシステムだからこそ、利便性や使いやすさは業務効率に直結します。
インターネットバンキングの 使いやすさ
画面の見やすさ、操作の直感性、必要な情報へのアクセスのしやすさなど、実際に管理画面のデモを見られる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
モバイルアプリの機能
外出先や在宅勤務時でも口座管理ができるかを確認します。残高照会だけでなく、振込処理や承認作業もアプリでできるかがポイントです。
営業時間の制約
ネット銀行の大きなメリットは、原則24時間365日利用できることですが、一部の機能には時間制約がある場合もあります。特に、即時振込が可能な時間帯、システムメンテナンスの頻度と時間帯を確認しましょう。
カスタマーサポートの品質
トラブル時の対応体制を確認しましょう。電話サポートの受付時間、専任担当者の有無、法人専用のサポート窓口があるかなどがポイントです。
4-4. セキュリティと信頼性
企業の大切な資金を預ける以上、セキュリティと信頼性は最も重要な選定基準です。「ネット銀行は不安」と感じる経営者や経理担当者も少なくありませんが、実際には従来の銀行と同等、あるいはそれ以上のセキュリティ対策が講じられています。
【技術的なセキュリティ対策】| 二要素認証の実装 | パスワードに加え、SMSやアプリ認証を使って不正ログインを防止します。 |
|---|---|
| SSL暗号化通信 | インターネット上でのデータ通信を暗号化し、第三者による盗聴や改ざんを防ぎます。 |
| 不正取引監視システム | 24時間365日、AIが監視し、異常な取引を検知・通知して被害を防止します。 |
| ワンタイムパスワード | 使い捨てパスワードで、漏洩しても不正利用を防げる仕組みです。 |
| 取引限度額の設定 | 振込の上限額を設定し、不正アクセス時の被害を最小限にします。 |
| IPアドレス制限 | 特定の場所からのみアクセスを許可し、セキュリティを強化します。 |
技術的なセキュリティだけでなく、制度面での保護体制も確認が必要です。
【制度的な信頼性】| 預金保険機構の加入状況 | ネット銀行も預金保険制度に加入しており、破綻時も一般預金等は、1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。 |
|---|---|
| 資本の健全性 | 自己資本比率や財務状況を確認することで、銀行の安定性を判断できます。大手企業が出資しているネット銀行も多数あります。 |
セキュリティと信頼性に関する懸念は、提供されている機能や制度的に保護されている内容を正しく理解し、自社の運用体制に合った設定を行うことで解消できます。
5. ネット銀行導入時のポイント
ここからは、ネット銀行を導入する際に知っておくと良いポイントをまとめました。
5-1. よくある不安と解決策
「システム障害が心配」、「社内の理解を得られるか不安」、「移行作業が大変そう」といった声をよく耳にします。しかし、これらの不安は事前の準備と正しい知識があれば解消できます。
“システム障害が心配”な方への解決策
・複数の銀行口座を併用してリスクを分散
・重要な取引は事前に余裕を持ったスケジュールを設定
” 社内の理解を得られるか不安“な方への解決策
・段階的な導入で効果を実証
・具体的な削減効果を数値で示す
“移行作業が大変そう”と感じる方への解決策
移行支援サービスを提供しているか確認
従来の銀行口座を維持しながら、段階的にネット銀行へ移行し負担を最小限に
5-2. 導入のステップ
段階的な導入により、リスクを抑えながら効果を確実に実現できます。ネット銀行を導入する際には、以下のステップを参考にしてください。
| ステップ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 1:準備段階 | 1カ月 | ・現状の振込件数・手数料の把握 ・導入目標の設定 ・候補となるネット銀行の比較検討 |
| 2:試験導入 | 2~3カ月 | ・一部取引での試験運用 ・システム連携のテスト ・社内教育・マニュアル作成 |
| 3:本格運用 | 1カ月~ | ・全面的な移行 ・効果測定と改善点の抽出 ・継続的な最適化 |
6. GMOあおぞらネット銀行のサービスを活用した具体的事例
実際に、GMOあおぞらネット銀行のサービスを活用して、コスト削減や業務効率化を実現させた企業の事例をご紹介します。
6-1. 振込手数料を3分の1に削減!分かりやすいUIで経理の手間カット

ご利用事例:株式会社ノースグラフィックさま
業種:店舗運営事業
| 導入【前】の課題 | ・振込手数料が高く、経費削減の余地があった ・クレジットカードの還元率が低く、ポイント還元の使い勝手も悪かった ・振込業務に手間がかかり、操作性に不満があった |
|---|---|
| 導入【後】の変化 | ・振込手数料の優遇プラン(振込料金とくとく会員)を活用することにより、振込手数料が約3分の1に削減 ・デビットカード利用で各種支払い代金の1%が還元される ・総合振込機能で、振込業務の効率が大幅に向上 ・操作性の良さとUIの分かりやすさで、経理業務の負担も軽減 |
6-2. ビジネスデビットカードで利便性を向上!リスクヘッジと業務効率化も同時に実現

ご利用事例: グローバルイノベーションコンサルティング株式会社さま
業種:IT事業
| 導入【前】の課題 | ・銀行振込のために現金を持って銀行へ行く必要があり、業務負担と安全面に課題 ・小口現金処理や社員間の送金管理に手間と非効率さがあった |
|---|---|
| 導入【後】の変化 | ・ネット完結の振込処理により、現金持ち運びが不要に ・小口現金処理や経費精算、給与振込などをGMOあおぞらネット銀行に一本化し、業務効率が大幅に改善 ・デビットカードの導入で、利便性向上 ・財務管理の仕組みを整備でき、企業としてのリスクヘッジと成長基盤の強化に貢献 |
\ネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行がおすすめ/
GMOあおぞらネット銀行は以下のような特長があり、ネット銀行の中でも多くの会社さまに選ばれているおすすめの銀行です。
- 口座開設スピードが平均1.3日と早い!(2025年8月法人口座申込企業の実績)
- 口座維持費用は一切かからない
- 振込手数料はGMOあおぞらネット銀行間無料、他行宛ても143円と業界最安値水準(※1)
- 口座開設月の翌々月まで3カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料
- 各種税金支払い・社会保険料の支払いにも対応可能
条件を満たせば最短即日(※2)での口座開設が可能です。ぜひ便利なGMOあおぞらネット銀行をご利用ください。
※1 2025年10月時点の各社公表資料等による当社調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行を対象にしています。また、各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除いております。
※2取引責任者さま(開設する口座におけるすべての取引の照会・操作・承認を行う権限が付与されたご担当者)と代表者さまが同一かつ自撮り動画(セルフィー)で本人確認の場合に限ります。また、審査の状況によりお時間がかかる場合がございます。当社休業日にお申し込みいただいた場合は、 当日の口座開設はできませんのであらかじめご了承くださいますようお願いいたします。
7. まとめ
多くの企業がネット銀行を選ぶのは、単なるコスト削減だけが理由ではありません。リアルタイムな資金管理、業務の自動化、そして何より「時間の創出」こそが、企業の競争力向上につながる真の価値なのです。
<ネット銀行導入の3大効果>
1.年間数十万円コスト削減
2.経理業務時間の50~70%短縮
3.資金管理精度の向上による投資機会の拡大
「今の銀行で困っていない」と感じている企業こそ、実は大きな機会損失をしている可能性があります。成長を続ける競合他社が既にネット銀行を活用し、効率化とコスト削減を実現している中で、従来の方法に固執することは、相対的な競争力の低下を意味するかもしれません。
まずは、現在の振込手数料や経理業務にかかる時間を正確に把握し、ネット銀行導入による改善効果を具体的に試算してみてください。その数字が示す可能性に、きっと驚かれることでしょう。
企業の成長スピードは、日々の小さな効率化の積み重ねから生まれます。銀行選びという基本的な判断が、あなたの会社の未来を大きく左右する分岐点になるかもしれません。
※本コラムは2025年10月10日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※当社広告部分を除く本コラムは執筆者個人の見解です。
