【これだけ読めば安心】定款の事業目的を書くポイントを税理士が解説

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会社を設立するときに作成する定款には、事業目的を書く必要があります。この事業目的は、会社を運営していくうえでとても重要になることを知っているでしょうか。今回は、定款に記載する事業目的の重要性やポイントについて紹介します。定款にどのような事業目的を書けばいいか悩んでいる人は、ぜひ最後まで記事を読んでみてください。

1.定款の事業目的は重要?

定款に記載する事業目的は、その後の会社の営業に関わるため非常に重要です。そもそも事業目的とは、会社が営む事業を明確化して定款に記載するものです。定款には必ず会社の事業目的を記載するルールがあります。仮に、事業目的を記載せずに定款を作成した場合は、定款自体の効力が無効になってしまうので注意が必要です。また、会社は、原則として定款で定めた事業目的の範囲で営業しなければいけません。したがって、定款に記載する事業目的は、会社設立において重要な事項のひとつとされているのです。

2.事業目的を書くポイント

定款に事業目的を記載するときは、会社に関係がない一般の人が見ても内容が伝わるように工夫する必要があります。ここでは、会社の定款を作成するときに気をつけたい事業目的に関する5つのポイントを具体的に紹介していきます。

2-1.同業他社の定款を参考にする

初めて会社を設立する場合は特に、定款に記載する事業目的の書き方に困ってしまうでしょう。どのような事業目的を記載すればいいかわからない場合は、同業他社のものを参考にすると文章を考えやすくなります。実は同業他社の事業目的は、法務局に申請書類を提出すれば誰でも閲覧できるのです。具体的には、法務局で発行できる登記事項証明書か登記事項要約書でチェックできます。ただし、いずれも発行手数料がかかるので注意しましょう。発行手数料は登記簿謄本が6百円、登記事項要約書は4百50円です。そのほか、会社のホームページに事業目的が記載されている場合もあるので確認してみましょう。

2-2.分かりやすさと明確性を意識

会社の事業目的を書くときは、文章の分かりやすさと明確性を意識して作成することが重要です。なぜなら、事業目的は一般の人はもちろん、取引先の会社の担当者など誰でも簡単に閲覧できるものだからです。どんな人が見ても会社がどのような事業を行っているかわかるように、シンプルな文章で不足のない事業目的を記載する必要があります。事業内容を表す文章を作成したら、次のようなポイントを意識して内容を確認してみましょう。

・内容が曖昧で何をしている会社なのか分からなくないか
・文章が長すぎてわかりづらくないか

どちらかのポイントに該当する場合は、もう1度よく事業目的を考え直してみてください。事業内容は、あまり詳細に記載する必要はありません。詳しく書くよりも、2~3個の単語を使って端的に記載したほうがいいでしょう。なお、設立する会社のメインになる事業は、事業目的の1番目に書くようにしましょう。

2-3.許認可が必要か確認する

事業目的を書く場合はあらかじめ、事業に許認可が必要かどうか確認することが重要です。会社の業種によっては管轄の行政機関に認可をもらったり、届け出をしたりしなければいけません。許認可が必要な業種の例としては、次のようなものがあります。

・旅行代理店
・リサイクルショップ
・介護事業
・有料職業紹介事業や人材派遣業

許認可が必要な事業を会社が行う場合は、事業目的の内容に記載する内容や書式が定められていることがあるので注意が必要です。ルールに沿って会社の事業目的を作成しなければ、行政機関の認可が下りなくなります。したがって、事業目的を作成に取り掛かる前に、会社で行う事業に許認可がいるのか、いるのであればどのようなルールが設定されているのか確認することが大切です。

許認可の申請手続きは自力でも行えますが、申請さえすれば必ず許可や認可を取得できるわけではなく、定められた要件を満たしていなければ、申請は失敗してしまいます。
許認可のノウハウや更新頻度までを熟知する行政書士に任せることで、慣れない申請作業の負担が軽減できます。

2-4.将来予定している事業も忘れずに

定款に記載する事業目的は、現在のものだけでなく将来予定している事業も忘れずに書きましょう。原則として、会社は事業目的に記載した事業で活動することになっています。そのため、拡大したい事業を定款に書いていなければ手を出せないのです。よって、定款を作るときは、将来的に拡大することが見込まれる事業も合わせて記載しておくことで、あとから面倒な手続きをしなくて済みます。

もちろん、定款を出したあとでも、事業内容の変更はできます。ただし、定款を変更するためには費用がかかるので注意が必要です。定款に記載する事業目的は、個数に制限がありません。できるだけ端的に事業目的を書くことは大切ですが、将来拡大する予定がある事業くらいは記載していても問題ありません。ちなみに、さまざまな事業を展開しているヤフー株式会社の事業目的は合計64個もあります。

2-5.書きすぎは良くない

定款に記載する事業目的は、基本的に書きすぎないように意識して作成しましょう。先に説明した通り、事業目的は個数の制限がないので自由に記載できます。しかし、会社を設立するタイミングで多くの事業目的を定款に書くと、デメリットになる可能性もあるので注意が必要です。ヤフー株式会社のように大きな企業であるなら、事業目的の多さがデメリットにつながることはないでしょう。

しかし、設立したての会社の事業目的があまりに多いと「何の会社なのか分からない」と思われてしまいます。また「ふさわしくない業務範囲を記載しているのではないか」と疑われて、信用を失うリスクがあるのです。実態がつかめない会社だと判断されると、金融機関から融資が受けられなくなる場合もあるので十分注意してくだい。新しく会社を設立するときは、事業目的の個数を5~10個程度にしておくといいでしょう。

3.事業目的に違反したらどうなる?

会社は原則として定款の事業目的に記載した事業しか行えません。では、仮に事業目的にない事業をした場合にどうなるのか気になる人もいるでしょう。結論から言えば、定款の事業目的に違反する事業を会社が行った場合でも、刑事罰や行政罰を課せられることはありません。定款に記載していない事業でも、会社にとっての目的を達成するために必要な事業であれば問題ない場合もあります。とはいえ、専門家の判断によって解釈が異なるので、安易に定款に書いていない事業に手を出すのは控えましょう。

4.事業目的のちょっとした裏ワザ

定款の事業目的に違反した場合の対応について知ると、余計に文章を考えられなくなる人もいるでしょう。しかし、定款の事業目的に違反しないためのポイントがあります。それは、会社の事業目的を列挙したあとに「前各号に付帯関連する一切の事業」と記載することです。この言葉が事業目的の最後に記載されていることで、明確に記載されていない事業を展開しても、事業に関連性があるなら目的の範囲内で行えます。

まとめ

定款に記載する事業目的の重要性や作成時のポイントを解説してきましたがいかがでしたでしょうか。事業目的は、その後の事業活動に関わるとても重要なものです。そのため、事業目的を設定するときは、会社の事業と将来どのような事業を展開するかを明確にする必要があります。今回紹介した内容をふまえて、自社の定款に記載する適切な事業目的を考えてみましょう。

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※ 本コラムは2022年3月22日の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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