「会社を設立するから法人口座を開設したいけど、手続きはどう進めたらいいのだろうか。」
初めて法人口座を開設する場合、すぐに開設できるのか、個人口座とはどう違うのか、分からないことが多く不安に感じますよね。
法人口座の開設は、下図の手順で進めていきましょう。
会社を設立したら、社会的信用と健全な資金管理体制を築くためにも、できるだけ早く法人口座を開設すべきです。
しかし、法人口座の開設は、会社を設立した後(登記完了後)でないと申請できないうえに、一般的には審査に約2~4週間かかります。
少しでも早く法人口座を持つためには、事前に「STEP1.銀行を選ぶ」「STEP2.審査対策を行う」までを済ませておき、会社を設立できたら、すぐに申込ができるようにしておきましょう。
銀行選びは、時間をかけて慎重に比較検討する必要があります。
自社に合っていない銀行だと、審査に落ちてしまったり、開設した後に使い勝手が悪くて、業務効率が落ちたりしてしまいかねません。
たとえば、使用したい会計ソフト等と連携していなかった場合、経理の手間が増えてしまうことになります。
ほかにも、社会保険を口座振替で納付したかったのに、口座振替に対応しておらず、支払いの作業が発生してしまうなども考えられるでしょう。
会社の経営体制と業務効率の向上に役立てられるよう、初めての法人口座は慎重に選ぶようにしましょう。
この記事で分かること |
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●法人口座の特長 ●法人口座開設までの流れとポイント ●法人口座開設でよくある失敗例と対策 |
本記事を読めば、法人口座について理解を深め、十分に準備を整えられたうえで、口座申込を行えるようになります。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
1.法人口座を開設できるのは会社設立後!準備は設立前からすべき
会社を設立したら、社会的信用と健全な資金管理体制を築くためにも、できるだけ早く法人口座を開設すべきです。
しかし、法人口座は、会社を設立した後(登記完了後)でないと開設できません。
法人口座開設のための必要書類は、会社設立の登記完了後でないと取得できないものが大半だからです。
とはいえ、「じゃあ書類が取得できるようになってから手続きを始めよう」では遅すぎるので、設立前から口座開設の準備を始めておくようにしましょう。
【設立前から法人口座開設の準備をすべき3つの理由】2.必要書類が多いから
3.審査を通過するための対策を行わなければいけないから
1-1.法人口座の審査期間が長いから
法人口座は、審査が非常に厳格に行われるため審査期間が長く、通常約2~4週間かかります。
なぜ口座開設に審査があるのでしょうか?
それは、口座が不正に利用されることを防ぐためです。
近年、振り込め詐欺をはじめ、還付金詐欺、フィッシング詐欺など、金融犯罪が横行しています。
また、銀行口座の売買、マネー・ローンダリング、口座の不正利用など、いろいろなところで銀行口座が狙われています。
※マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金の送金を転々と繰り返し、出所や所有者を分からないようにする行為です。
法人名義の口座開設が厳しくなった理由は、口座がテロ等の犯罪資金の収受等に利用される恐れがあることが1つ挙げられます。
テロ資金供与を防止するための国際間合意であるFATF(Financial Action Task Force)をはじめ、世界規模で犯罪資金に対する規制が強化されています。
このような流れを受けて、銀行口座を開設する際には、審査が、厳重かつ慎重に行われているのです。
上記のような経緯から、法人口座を開設することが難しくなりました。
少しでも早く口座を開設するためには、登記が完了したら、すぐに申し込めるように、登記完了前でもできる準備は先に済ませておくことが大切です。
GMOあおぞらネット銀行では登記前に法人口座の申込が可能
ネット銀行初*!法人登記完了前にオンラインで法人口座の開設申込が可能 freee会社設立とGMOあおぞらネット銀行の連携により実現「設立前口座開設申込」機能を4月6日より提供開始
GMOあおぞらネット銀行は、freeeが提供する「freee会社設立」サービスにおいて、法人登記の完了を待たずに、会社設立の準備段階で、GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設申込が行える機能の提供を2022年4月に開始しました。
これにより、法務局への法人登記申請の準備が整った段階で法人口座の開設申込ができ、法人登記完了後は、最短で当日に口座を開設することが可能となるため、より早く事業を開始することができます。
1-2.必要書類が多いから
法人口座を開設するためには、多くの必要書類の提出が求められます。
これも前節で述べたとおり、厳重に審査を行うために、さまざまな書類が必要となるためです。
どのような書類が必要になるかは後述しますが、すぐに準備できるものばかりではありません。
官公庁から取得するものや、作成に時間がかかるものも多く、書類をそろえるのに数日~1週間必要でしょう。
大半は、設立登記完了後でないとそろえられない書類ばかりですが、どんな書類が必要なのか、どのように取得するのかを事前に把握しておけば、登記完了後スムーズにそろえることができるでしょう。
1-3.審査を通過するための対策を行わなければいけないから
法人口座開設の審査を通過するためには、事前に対策を実施しておくことが重要です。
審査の基準についても後述しますが、いくつかは事前に準備しておかなければいけない項目もあります。
たとえば、銀行によっては、固定電話やWebサイトがある方が審査で有利な場合があります。その場合、設立登記が完了して、いざ申込をしようとする段階で気づいても、すぐに対応できませんよね。
設立登記が完了したら万全の状態で審査に臨めるよう、事前に口座を開設したい銀行の審査の傾向を知り、対策を行っておくようにしましょう。
法人口座開設のタイミングは会社設立(登記完了)直後がおすすめ!その理由と方法
2.法人口座開設までの手順5ステップ
それでは、法人口座開設までの手順を紹介していきましょう。
【法人口座開設までの手順5ステップ】STEP2.審査対策を行う|数日~1週間
~会社設立登記完了~
STEP3.必要書類をそろえる|数日~1週間
STEP4.口座開設を申し込む|数時間
STEP5.審査を通過できたら、口座が開設できる|約2~4週間
※リンクから各STEPの詳細へ移動していただけます。
前章で、設立登記完了までにできることはやっておくべきとお伝えしましたが、それがSTEP1とSTEP2の内容です。
この2つは、できるだけ早く取り掛かるようにしましょう。
本記事では、STEP1~STEP3の開設申請までの事前準備詳細を、3章~5章で順に紹介していきます。
事前準備が終わると、いよいよ【STEP4.口座開設を申し込む】に進みます。
窓口にて申し込む場合は、事前に予約しておくと、待たされることなくスムーズです。
また、近年はオンラインによる申込受付を始めたところも増えました。わざわざ窓口に向かう必要もなく時短につながるので、ぜひ活用してみましょう。
約2~4週間で、【STEP5.審査を通過できたら、口座が開設できる】ようになります。審査通過の連絡から、カードなどの送付までは1週間ほどかかることがあります。
では、全体の流れをつかめたところで、最初にすべきSTEP1から見ていきましょう。
3.【STEP1.銀行を選ぶ】銀行の選び方
法人口座開設の第一歩は、どの銀行で開設するかを決めることです。
銀行によって、審査内容や法人口座のサービス内容は大きく異なるので、慎重に選ぶようにしましょう。
Webサイトを隅々まで確認するのはもちろんのこと、実際に窓口に足を運んで話を聞いてみるのも有効です。
【銀行の選び方】・銀行を選ぶ時のチェックポイント
3-1.会社設立時におすすめの銀行は地方銀行・信用金庫・ネット銀行
まずは、法人口座を開設できる銀行にはどのような種類があるのかを理解しましょう。
主に、都市銀行(メガバンク含む)・地方銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行・ネット銀行と大きく5種類にわかれます。
この5種類の特長を下表にまとめました。
【金融機関の種類と特長】銀行 | 開設審査 | 法人口座の特長 |
---|---|---|
都市銀行 (メガバンク) |
厳しい | ・規模が大きい会社向け |
地方銀行 | やや厳しい | ・地域に根ざしている |
信用金庫 | やや柔軟 | ・地域に根ざしている |
ネット銀行 | 柔軟 | ・審査期間が短いところが多い |
各銀行の特長を比べると、設立したばかりの会社には、地方銀行・信用金庫・ネット銀行がおすすめです。
それぞれの法人口座の内容について、さらに詳しく見ていきましょう。
3-1-1.地域で事業をする会社におすすめ!地方銀行と信用金庫
地方銀行と信用金庫は、地域の企業支援に力を入れており、地域密着型のサービスを提供しています。
事業に関して親身に相談に乗ってくれて、地域の情報にも詳しく、ビジネスマッチングも行っています。設立したての会社でも、担当の地域内であれば、審査も柔軟に対応してくれたり、融資も受けやすい点が特長です。
信用金庫は、地域繁栄を目的とした機関であるため、地方銀行よりも手厚いサポートを受けられるでしょう。
一方で、地域外のビジネスとなると、上記メリットの恩恵はあまり受けられません。
そのため、地方銀行と信用金庫は、地域に根ざした事業を行いたい会社におすすめです。
3-1-2.オンライン中心の会社におすすめ!ネット銀行
ネット銀行は、使い勝手が良く、手数料がおトクに利用できます。
ネット銀行は、オンラインで手続きを完結できるところも多く、口座開設審査がスピーディーです。店舗型銀行が約2~4週間かかるのに対し、ネット銀行なら約1~2週間で開設できるところもあります。
会社を設立して早く法人口座を持つことができるので、最初の法人口座に向いています。
また、24時間365日いつでもどこからでも利用できるので、会社を設立したばかりで忙しい経営者にとって使い勝手が良いでしょう。振込手数料が、店舗型銀行よりも安い点もネット銀行ならではの特長です。
一方で、すべてオンラインであるため、事業の相談が対面でしづらいという側面もあります。
以上のことから、ネット銀行は、オンライン中心の会社におすすめです。
3-2.銀行を選ぶ時の5つのチェックポイント
自社に合った銀行の種類が分かったら、その中から候補をしぼっていきましょう。
どの銀行を選ぶべきかどうかは、下記5つのポイントで比較してみてください。
【銀行を選ぶ時の5つのチェックポイント】《2》審査のスピーディーさ
《3》利用可能時間
《4》ATMや店舗の立地
《5》サービス内容
3-2-1.チェックポイント《1》手数料
手数料は必ずチェックしたいポイントです。
1回の振込手数料は少額ですが、何十回、何百回と積み重なれば、軽視できない金額になっていきます。
また、振込手数料だけでなく、ATM利用手数料やインターネットバンキング月額利用料など、ほかにも料金が発生する場合もあります。
実際の利用状況をふまえて、月いくらかかるかシミュレーションしてみたうえで、候補の銀行を比較するようにしましょう。
なお、主要な発注先が使用している銀行を選ぶと、同じ銀行内への振込は振込手数料が無料であることが多いので、手数料を大幅に抑えることができます。
3-2-2.チェックポイント《2》審査のスピーディーさ
初めての法人口座なら、審査のスピードにも着目しましょう。
会社の経営体制と業務効率をいち早く整えるためには、できるだけ早く法人口座を持つべきです。そのためには、審査がスムーズに進みそうな銀行を選びましょう。
審査期間が短い方が望ましいことはもちろん、
申込はオンラインでも可能か
必要書類や審査対策は負担なく準備できそうか
などの点も確認しておく必要があります。
3-2-3.チェックポイント《3》利用可能時間
窓口やATM、インターネットバンキングの利用可能時間も重要です。
会社を設立したばかりの時期は忙しくて、平日の日中に手続きをする時間を取るのが難しいでしょう。なるべく利用可能時間が長く設定されている銀行を選ぶようにしましょう。
銀行の窓口は平日9時から15時までの営業が一般的ですが、一部17時頃まで開いている銀行もありますよ。
3-2-4.チェックポイント《4》ATMや店舗の立地
ATMや店舗ありの銀行を選ぶなら、その場所も考慮すべきです。
事業所からアクセスのよい場所にある銀行を選ぶようにしましょう。提携ATMや、ほかの支店の場所も確認しておきたいですね。
3-2-5.チェックポイント《5》サービス内容
銀行ごとのサービス内容も比較しておきましょう。
どこの銀行も振込等の主要なサービスの提供は変わりないでしょう。
ですが、主要サービスの中でも、たとえば総合振込(一度に大量に振込ができるサービス)で利用できる件数が異なっていたり、利用料が別途かかる場合もあります。
ほかにも、
・ビジネスカードの口座振替に利用できる
・日本政策金融公庫の創業融資の返済が口座振替できる
・Pay-easy(ペイジー)が使える 等
各銀行によって~ます。
一例ですが、法人向けの口座には次のようなサービスを実施しているところがあります。
・会計ソフトなどと自動で連携している
・ビジネスカードを発行できる
・おトクなキャンペーンや利用特典がある
各銀行のサービスを比較し、自社にとって必要なサービスがあるところを選びましょう。
POINT!
ネット銀行を選ぶ場合、さらに気をつけたいポイントがいくつかあります。
6.ネット銀行でよくある口座開設の失敗談&選び方の注意点で紹介しているので、必ず目を通すようにしてくださいね。
4.【STEP2.審査対策を行う】審査を通過するためにすべきこと
申込する銀行が決まったら、審査を通過できるよう会社の体制を整えていきましょう。
審査内容や審査基準は銀行によって大きく異なり、どこの銀行も公開しておりません。
一般的に下記項目を実施しておくと有効だと考えられています。
【審査を通過するためにすべきこと】・資本金を100万円以上にする
・固定電話を設置する
・バーチャルオフィスを利用しない
・Webサイトを作成する
・書類を不備なく作成する
上記はあくまでも審査ポイントの傾向であるため、上記を実行すれば必ず審査を通過できる、あるいは上記が実行できていないと審査には通過できない、というわけではありません。
しかし、確実にいえることは、審査に通過するためには、銀行に「本気で事業を行っている(もしくは行う予定である)」ことを示すことが大切だということです。
前述したとおり、銀行は口座の犯罪防止のため、慎重に審査を行います。「この会社はちゃんと事業活動をする法人だ」と認めてもらえないと、審査は通過できません。
それでは上記項目についてひとつずつ見ていきましょう。
4-1.事業内容・事業目的をはっきりさせる
会社の事業内容と事業目的は、何がしたいのかを第三者にも分かるように、はっきりさせましょう。
事業内容や目的が分かりづらいと、ちゃんと事業を行うつもりがないのではと不信感を持たれてしまいます。
たとえば、定款や申請書などの事業目的の欄に、10種類も20種類もまとまりなく書いていると、一貫性がなくて信用できないと判断されかねません。
会社の軸となる事業を中心に、どういう会社にしたいのかを、きちんと整理しておきましょう。
4-2.資本金を100万円以上にする
銀行によって異なりますが、資本金の金額を審査の1つのポイントとしてみている銀行もあります。
資本金が少ないと、悪用するために作られたペーパーカンパニーではないかと疑われてしまうからです。
会社法では、資本金1円でも会社を設立できますが、実際にお金をかけず法人を立ち上げることはできません。
事業によって異なりますが、審査を通過するためには、資本金が100万円以上あることが望ましいでしょう。
本気で事業活動を行うことを示すためには、資本金の額はある程度高めに設定しましょう。
4-3.固定電話を設置する
会社専用の固定電話を持っている方が、審査では有利になる場合もあります。
固定電話は事務所の住所と結びついているものなので、事務所がたしかに存在し、しっかりと事業活動を行っていることをアピールできるからです。
固定電話があることで、「連絡がつかなくなるのでは」という不安を軽減させ、会社としての信用度が高まります。
ただし、近年は時代の流れにそって、「固定電話なしでもOK」という銀行も増えてきました。
4-4.バーチャルオフィスを利用しない
バーチャルオフィスを利用していると、審査で不利になることがあります。
とはいえ、一律「バーチャルオフィスを利用しているとダメ」というわけではなく、ほかの審査項目とあわせて総合的に判断されます。
4-5.Webサイトを作成する
法人口座開設では、Webサイトを持っていると有利です。
Webサイトがあると、会社概要をはじめ、事業内容や取扱商品・サービスなど、ビジネスの実態が確認できるからです。
事業目的や事業内容がはっきりしていないと、犯罪に悪用されるかもしれないと疑われるため、Webサイトがあることで事業の本気度をアピールしやすくなります。
ただし、Webサイトの内容が薄かったり、無料で作成したものだったりと、形ばかりのものでは認められません。
集客や販売のために、きちんと運用されていると分かるWebサイトであることが重要です。
4-6.書類を不備なく作成する
書類は不備なく作成するようにしましょう。
たとえば、申請書に記載されている住所と、登記事項証明書の住所が違っていると、不審に思われて審査に落ちる可能性が高まります。
単純な記入ミスに気をつけるのはもちろん、各書類の間、そして書類と実態の間で、矛盾が起きないように注意しましょう。
5.【STEP3.必要書類をそろえる】口座開設に必要な書類一覧
設立登記が完了したら、いよいよ必要書類をそろえていきましょう。
法人口座開設申込では、一般的に下記書類が求められるケースが多いです。
実際は銀行によって必要書類は異なるので、申込前に必ずWebサイトや窓口で確認するようにしてください。
【口座開設に必要な書類】・会社の印鑑証明書
・銀行の届出印
・代表者の身分証明書
・会社の事業実態が分かる資料
・定款
・法人番号が確認できる書類
・税務署に提出した法人設立届出書
・建物謄本または賃貸借契約書
・許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)
書類の中には取得に1週間あるいはそれ以上かかるものもあるので、スムーズに取得できるよう、あらかじめ取得方法を確認しておくことをおすすめします。
上記必要書類について、ひとつずつ見ていきましょう。
5-1.登記事項全部証明書(履歴事項全部証明書)
登記事項証明書は4種類ありますが、必要なのは履歴事項全部証明書であるので注意しましょう。
取得は下記法務局のWebサイトから手続きを進めてください。「安い・早い・簡単」のオンラインがおすすめです。
◎オンライン>>法務局「登記事項証明書(会社・法人)を取得したい方」
◎窓口(用紙ダウンロード)>>法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
5-2.会社の印鑑証明書
会社の印鑑証明書は、法務局に法人設立登記申請をする時に届出を出す会社の代表者印のものです。
印鑑証明書を取得する場合は、あらかじめ「印鑑カード」の交付申請をすませておく必要があります。
印鑑カード交付申請と印鑑証明書の発行申請は同時にできないので、登記申請の時に印鑑カード交付申請書もあわせて提出しておくとスムーズでしょう。
《1》印鑑カード交付申請(用紙ダウンロード)法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
《2》印鑑証明書発行申請
◎オンライン(おすすめ)>>法務局「会社・法人代表者の印鑑証明書を取得したい方」
◎窓口(用紙ダウンロード)>>法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 」
5-3.銀行の届出印
会社の代表者印とは異なるものを用意しましょう。
万が一、紛失や盗難にあった際の、リスク軽減のためです。
5-4.会社の事業実態が分かる資料
会社の事業実態が分かる資料とは、主に下記のものが挙げられます。
どの書類が「事業実態が分かる資料」として認められるかは各銀行によって異なるので、詳細はWebサイトや窓口でご確認ください。
・契約書・請求書・発注書・納品書など(事業と取扱商品が分かり、締結・調印済みのもの)
・会社案内やパンフレット
など
要は、「現在の事業活動がどのような状況か」が客観的に分かるような資料が求められます。
5-5.代表者の身分証明書
下記いずれかの身分証明書を用意しましょう。銀行によっては、顔写真付きのものでないと受け付けていない場合があります。
【身分証明書として認められるものの例】・マイナンバーカード
・住所欄のあるパスポート
など
5-6.定款
会社設立前に作成し、会社で保管している定款を用意しましょう。
定款では、主に事業目的がチェックされます。
5-7.法人番号確認が確認できる書類
法人番号とは、国税庁から割り振られる13桁の識別番号のことです。
設立登記の完了から約1週間後に、「法人番号指定通知書」が届くので、この通知書を提出しましょう。
もし、通知書をなくした、あるいはまだ届いていないなどの場合は、国税庁のWebサイトで法人番号を検索できるので、該当ページを画面印刷したもので問題ありません(国税庁「法人番号公表サイト」)。
5-8.税務署に提出した法人設立届出書
法人設立届出書とは、文字どおり会社を設立したことを税務署に知らせるための届出書です。
本書類が必要な場合は、先に税務署に届出を済ませないといけません。
5-9.不動産謄本または賃貸借契約書
申請書などに記載した事務所が、本当に実在するのかを確認するために提出を求められる場合があります。
不動産謄本は下記法務局の案内に沿って取得していきましょう。
法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です 」
5-10.許認可証(飲食業・建設業・宿泊業など一部の業種)
許認可が必要な業種の場合は、各行政機関に提出した許認可証が必要になります。
申請から取得までは約1カ月、業種によってはさらに時間を要する場合があるでしょう。
許認可が必要な業種は、下記Webサイトからご確認ください。
J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「許認可が必要な業種は | 起業マニュアル 」
6.ネット銀行でよくある口座開設の失敗談&選び方の注意点
ここまで、法人口座開設の流れについて説明してきました。
3章で、ネット銀行は初めての法人口座におすすめと紹介しましたが、ネット銀行にはネット銀行ならではの注意点があります。
本章ではネット銀行の口座開設で起こりがちな失敗談をもとに、ネット銀行選びで気をつけるべき点を3つ確認していきましょう。
【ネット銀行でよくある口座開設の失敗談&選び方の注意点】・融資を受けられなかった
・セキュリティ対策が会社に合っていなかった
6-1.社会保険や税金の支払いに対応していなかった
業務効率化のため社会保険の支払いを自動引落にしようと思ったら、口座開設したネット銀行では、口座振替に対応していなかった、というケースがあります。
ネット銀行では、社会保険や税金の支払いに対応していないところが少なくありません。
社会保険や税金の納付は、納付書による支払いよりも、口座振替や電子納付の方が断然便利です。手続きが簡単で、支払い漏れ防止にもつながります。
また、電子納付にもインターネットバンキング・ダイレクト納付・ATM利用など種類があり、それぞれ手続き方法が異なります。
ネット銀行を選ぶ際は、公的支払いについてどこまで対応しているのかも、必ず確認するようにしましょう。
GMOあおぞらネット銀行では国税・社会保険料の口座振替が可能になります
待望の国税や社会保険料・国民年金保険料の口座自動振替4/1~ 対応開始
6-2.融資を受けられなかった
資金が不足した場合や事業を拡大したい場合、融資を受けようと思っていたのに、口座開設したネット銀行では、融資を行っていなかったというケースも見受けられます。
一部のネット銀行では融資を行っていません。融資を行っているところでも、店舗型銀行と比べると、上限金額が低く、金利も高い傾向にあります。
将来的に融資を受ける可能性がある場合は、融資の内容についてもしっかり確認しておきましょう。
ただ、創業時に関しては、日本政策金融公庫や地方自治体の融資制度も利用できるので、そちらも検討してみてください。
6-3.セキュリティ対策が会社に合っていなかった
セキュリティ対策やパスワード管理が会社に合っていないと、不正ログインやパスワード流出などの深刻な事態を招くおそれがあるので注意が必要です。
一方で、各銀行で対応しているセキュリティ対策は異なるため、「いざ使ってみると使いづらい」という事態も起こり得ます。
【ネット銀行の主なセキュリティ対策(一例)】・ワンタイムパスワード
・出金メール通知
・IP制限サービス
・自動ログアウト
・トークン
どのセキュリティ対策が適しているかは、使用するデバイスや、管理人数などによって異なります。
銀行のセキュリティに関するWebサイトを確認し、自社に合ったセキュリティを実施している銀行を選ぶようにしましょう。7.初めての法人口座開設ならGMOあおぞらネット銀行へ!スタートアップ企業を支援
初めての法人口座をネット銀行で開設しようとお考えの場合は、GMOあおぞらネット銀行での申込をご検討ください。
GMOあおぞらネット銀行は、スタートアップ企業を支援するサービス内容が充実しており、設立したばかりの会社を後押ししています。
創業期にうれしい特長を6つ紹介していきましょう。
【創業期にうれしいGMOあおぞらネット銀行の特長6つ】2.最短即日で口座開設できる
3.設立1年未満なら登記上の設立月から12カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料
4.社会保険料や税金の口座振替が可能
5.年利0.9%~、初回契約時借入限度額最大1,000万円のビジネスローン
6.万全のセキュリティ対策で安心して利用できる
7-1. 口座開設審査の必要書類が少なく、用意する負担が少ない
GMOあおぞらネット銀行では、口座開設審査の必要書類が少ないため、書類を用意する負担が少なく、忙しい創業期の経営者の負担を軽減できます。
【GMOあおぞらネット銀行の審査で不要なもの】・印鑑
・定款
・履歴事項証明書
・会社の印鑑証明書
さらに、来店不要・郵送レス・ペーパーレスであるため、忙しい創業期の経営者でも、スムーズに開設手続きを進めることができます。
GMOあおぞらネット銀行の口座開設審査で必要な書類は、事業内容を確認できる書類が中心です。
詳しくはこちら:GMOあおぞらネット銀行|法人口座ご利用までの流れ
7-2.最短即日で口座開設できる
GMOあおぞらネット銀行なら、以下条件を満たせば、最短即日で口座開設が可能です。
【最短即日の口座開設に必要な条件】・取引責任者さまと代表者さまが同一であること
・取引責任者さまが運転免許証・運転経歴証明書・マイナンバーカード・在留カード・特別永住者証明書のいずれかを持っていること
※上記条件を満たしても提出書類に不備等がある場合や審査状況により時間がかかる場合があります。
スムーズな口座開設により、早期に経営管理の体制を整えられるので、いち早く事業を軌道に乗せやすくなるでしょう。
詳しくはこちら:GMOあおぞらネット銀行|最短即日かんたん口座開設
7-3. 設立1年未満なら登記上の設立月から12カ月間、他行宛て振込手数料が毎月20回無料
GMOあおぞらネット銀行では、設立1年未満の企業を対象に、他行宛て振込手数料を登記上の設立月から12カ月間、毎月20回まで無料とするサービスを提供しています。
1年を過ぎても、あるいは月20回を超えても、他行宛ての振込手数料は、振込金額にかかわらず、1回につき145円と業界最安値水準(※)で利用できます。さらに、GMOあおぞらネット銀行内への振込手数料と月額利用料は無料です。
※2024年3月時点GMOあおぞらネット銀行調べ。調査対象範囲は、大手行およびインターネット専業銀行のうち法人顧客向け口座を提供している銀行。各社の手数料割引のプログラムや期間限定等のキャンペーン等は除く。
最初からGMOあおぞらネット銀行で振込を行うことで、これからもずっと無駄なコストを抑えることができるでしょう。
詳しくはこちら:GMOあおぞらネット銀行|手数料
7-4. 社会保険料や税金の口座振替が可能
GMOあおぞらネット銀行なら、社会保険料や税金の口座振替も可能です。
GMOあおぞらネット銀行はネット銀行で唯一ダイレクト納付が利用可能です。
ダイレクト納付とは、利用者が事前に登録した金融機関口座から、支払い金額を引き落とし、納付する方法のことをいいます。
また、社会保険料や税金の口座振替のみならず、日本政策金融公庫(借入ご返済)、小規模企業共済、経営セーフティ共済などの法人のお支払いに対応可能です。
7-5. 年利0.9%~、初回契約時借入限度額最大1,000万円のビジネスローン
GMOあおぞらネット銀行のビジネスローン「あんしんワイド」では、年利0.9%~14%、初回時契約時の借入限度額最大1,000万円まで融資を受けられます(金利と借入限度額は審査のうえ決定)。
融資(利用)枠型なので資金が必要になった時いつでも借入ができるので、非常に便利です。
詳しくはこちら:GMOあおぞらネット銀行|融資(利用)枠型ビジネスローンあんしんワイド
7-6.万全のセキュリティ対策で安心して利用できる
GMOあおぞらネット銀行は、安全にサービスを利用できるようさまざまな様々なセキュリティ対策を講じています。
たとえば認証サービスに関して、備わっている機能は下記のとおりです。
【セキュリティ対策の1例(認証機能に関して)】・ワンタイムパスワード認証
・トランザクション認証
・生体認証
・取引パスワード認証
・カード暗証番号認証
・デビット暗証番号認証
・Visa Secure / Mastercard ID Check
・クライアント認証
詳しくはこちら:GMOあおぞらネット銀行|セキュリティ対策
8.まとめ
ここまで、会社設立時の法人口座開設について紹介してきました。
最後にもう一度要点をお伝えしますね。
法人口座の申込ができるのは会社設立後(登記完了後)ですが、会社を設立する前から、法人口座申込の準備に取りかかりましょう。
その理由は下記のとおりです。
【設立前から法人口座開設の準備をすべき3つの理由】2.必要書類が多いから
3.審査を通過するための対策を行わなければいけないから
法人口座開設は、下記の手順で進めていきましょう。
【法人口座開設までの手順5ステップ】STEP2.審査対策を行う|数日~1週間
~会社設立登記完了~
STEP3.必要書類をそろえる|数日~1週間
STEP4.口座開設を申し込む|数時間
STEP5.審査を通過できたら、口座が開設できる|約2~4週間
以上、本記事をもとに、法人口座をスムーズに開設でき、会社経営の順調なスタートを切れること願っております。
※ 本コラムは2024年3月13日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です。