「会社設立無料」ってどういう意味?本当に無料で設立できる?

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テレビやネットなどの広告で「会社設立無料」という広告を見たことがある人もいるでしょう。「会社設立が無料できるわけない、怪しい」と思う人もいれば、「そもそも会社設立に総額いくらかかるのか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。そこで今回は、「会社設立無料」の広告の意味や会社設立に必要なお金について説明します。

1.「会社の設立無料!」とはどういう意味か?

「会社の設立を無料で行う」という内容の広告は、税理士事務所などから出されています。しかし、そもそも会社を設立すること自体にお金がかかるので「1円もかけずに会社を設立できる」というわけではないため注意が必要です。会社設立が無料の場合でも、条件がつけられていることがあるのでよく確認することが大切です。具体的な条件については、会社設立の流れや金銭面について説明した後に紹介するのであわせてチェックしてください。

2.起業を考え始めたら検討すべきこと

会社の設立を考え始めたときに、まず検討するべきことを2つ紹介します。

2-1.個人事業主か会社設立か

事業をするために、必ず会社を設立しなければならないというわけではありません。まずは個人事業主として、ビジネスを始めるのも1つの方法です。個人事業主であれば、会社設立ほど手間やお金をかけずに事業をスタートできます。会社を設立する場合と比較すると、個人事業主の方が開業も廃業も手間がかからず行えるので、気軽に事業を始められるのが個人事業主ならではの魅力と言えるでしょう。しかし、大手企業との取引や金融機関からの融資を考えている場合は、個人事業主よりも社会的な信用力が高い法人の方が有利です。また、法人は経費に計上できる範囲が広い特長があります。この仕組みを賢く使えば、大きな節税効果が期待できるでしょう。

そのほか、赤字を損失繰越できる期間が長いのも法人ならではのポイントです。ビジネス自体は個人事業主でも法人でもできます。しかし、それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらの形態が自分に合っているのか見極めることが大切です。

2-2.株式会社か合同会社か

会社には4種類ありますが、初めて会社を設立する場合は「株式会社」と「合同会社」のどちらかの形態を選択するのが一般的です。2つの会社の違いは「所有と経営が分離しているかどうか」です。株式会社は分離されていますが、合同会社は所有者と経営者が同一になっています。会社の設立に関して言えば、合同会社の方が設立費用は安く、手続きが比較的簡単だという特長があります。また、合同会社は株式会社よりも運営の柔軟性が高いのもメリットとして挙げられます。ただし、株式会社と比較すると合同会社の方が知名度の面で劣ります。

3.会社設立の流れ

会社を設立するためには、多くの書類と手続きが必要です。どのような流れで会社を設立するのか、具体的な流れを紹介します。

3-1.定款の作成・認証

定款とは、会社の基本原則を記載した書類のことです。会社の憲法のような役割を果たします。株式会社を設立するためには、まず、定款を作成して公証役場に持っていく必要があります。定款を書類で提出する場合は、4万円の収入印紙の準備を忘れないようにしましょう。電子定款で認証する場合は、収入印紙は必要ありません。ただし、「それなら電子定款で認証した方がお得」と安易に考えるのはやめましょう。なぜなら、電子定款を利用するには、専用のソフトが必要になるからです。場合によっては、紙の定款を認証してもらった方がコストを抑えられる可能性があります。

また、人によっては電子定款の認証に手間取って、想像以上に時間がかかるケースも考えられます。コスト面だけでなく、自分にとって進めやすい手続き方法はどちらかを考えることが大切です。

3-2.登記

会社の資本金の振込が完了したら、必要な書類を揃えて法務局に登記申請の手続きに行きます。法務局は全国各地にありますが、会社を設立するときは、必ず本店所在地の管轄の法務局で手続きをしてください。法務局では、登記申請に必要な税金を納めて、収入印紙とともに書類を提出することになります。登記申請書が法務局で受理された日が会社の設立日になるので、覚えておくといいでしょう。会社の登記は、申請してから1週間ほどで完了します。無事に会社の登記が完了したら、法人名義の全部事項証明書や印鑑証明書などを発行できます。登記完了後も、税務署や年金事務所などで諸々の手続きを期限内に行う必要があるので、あらかじめ必要書類を確認しておきましょう。

4.そもそも会社設立はいくらかかるのか?

会社を設立するためにいくら必要なのか、会社の種類ごとに紹介します。

4-1.株式会社設立にかかる基本的なお金

株式会社を設立するには、総額24万円程度の費用が必要です。内訳は、定款認証手数料(5万円)、謄本手数料(約2千円)、収入印紙(4万円)、登録免許税(15万円)で、合計24万2千円ほどになります。ただし、この金額は定款を紙で提出した場合の値段です。電子定款で認証する場合は収入印紙代が必要ないので、20万円程度で株式会社の設立ができます。

4-2.合同会社設立にかかる基本的なお金

合同会社を設立するには、総額10万円程度の費用が必要です。株式会社を設立する場合の費用と比べると、約14万円安くなります。内訳は、謄本手数料(約2千円)、収入印紙(4万円)、登録免許税(6万円)です。電子定款であれば、6万円ほどで合同会社を設立できます。合同会社の場合は定款認証が不要で登録免許税が6万円で済むので、株式会社よりもかなり費用を抑えて会社を設立できるのです。

5.「会社の設立無料!」の条件を確認しよう

会社の設立に関する手続きを無料で請け負うと宣伝しているところには、条件が指定されていることが多いので、必ず確認が必要です。例えば、会社を設立した後に顧問契約を結ぶことが、会社の設立を無料で行う条件になっているケースが多いです。税理士などと顧問契約をすると、毎月所定の費用を支払う必要があります。、会社を設立すると毎日しっかり経理管理をする必要があるため、経理に関する知識が十分にない場合は、税理士などの専門知識が必要不可欠です。

そのため、後々のことも考えたうえで会社の設立を税理士などの専門家に依頼するのも1つの方法と言えます。ただし、「会社設立無料」の広告を出しているところに依頼するときは、条件の確認と専門家との顧問契約を初年度から結ぶべきかどうかをきちんと検討しましょう。

まとめ

会社を設立するにはお金だけでなく、あらゆる知識が必要になります。自分で手続きする場合は、勉強しながら正確にこなしましょう。「会社設立無料」の広告を出している会社などに作業を依頼するのも1つの方法です。この場合は、どこまでの作業をお願いできるのか、特別な条件が設定されていないかなどをしっかり確認する必要があります。今回紹介した内容を参考に、自分で会社設立をするか、専門家に任せるかを考えてみましょう。

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※ 本コラムは2022年7月4日の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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