法人口座でのFX取引のメリット・デメリットとは?

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FX取引をしていたり興味がある人の中には、「法人口座ならレバレッジを大きくかけられる」と知って口座開設を検討している人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は、法人口座で店頭FX取引をするメリットとデメリットを分かりやすく解説します。そのほかにも、レバレッジ規制などもあわせて紹介します。FX法人口座の開設を考えている人は必見です。
※以下店頭FX取引を前提に説明します。

1.法人取引のメリット

FX取引を行う際、法人口座による取引のメリットを5つ紹介します。

1-1.高いレバレッジ

法人口座でFX取引を行うと、個人口座よりもレバレッジが高くなるメリットがあります。国内のFX業者は、取引をする口座種類にかかわらず、リスクが大きくなり過ぎないように個人口座ではレバレッジの規制(最大25倍)が行われていますが、法人口座のレバレッジは25倍以上で取引が可能である場合もあります。つまり、個人で取引する口座よりも高いレバレッジで取引ができる法人口座を使ってFX取引を行うと、効率良く大きなリターンを狙うことができます。ただし、大きなリターンが狙える反面、リスクも大きくなってしまうことにも注意が必要です。

なお、法人口座のレバレッジは、金融庁が定める告示による算出方法に基づいて、通貨ペアごとの為替リスク想定比率から計算される変動制で、週単位でレバレッジの変更が行われます。したがって、法人口座でFX取引をする場合は、定期的にレバレッジを確認しなくてはいけません。

1-2.損失を最長10年間繰り越せる

法人口座によるFX取引は、損失を最長10年間繰り越せます。個人口座の損失繰越期間は、最大3年です。そのため、法人口座を使ったFX取引の方が損失繰越期間としては長いため、個人口座よりも節税対策がしやすくなるメリットがあります。法人になると、FX取引などで得た利益に対して所定の税率が乗じられて課税額が決定されます。例えば、法人の1年間の利益が3百万円であれば、この金額をもとに納付する税金額が決まるのです。しかし、過去10年間に損失があれば、3百万円からいくらか欠損金控除ができます。この場合の課税金額は、3百万円から欠損金を控除した金額です。

1-3.FX関係の支出を必要経費にできる

個人でFX取引をする場合は、経費として認められる支出の範囲が狭いというデメリットがあります。しかし、法人化すると経費にできる支出の範囲が比較的広くなるため、結果的に節税につながりやすくなるのです。法人口座でFX取引をする場合に、経費にできる支出としては、電気代、取引手数料(外付けのみ)、パソコン代などがあります。

1-4.他事業と損益を合算できる

FXを法人化すると、他事業との損益を合算できるようになります。これは、FX以外にも複数の事業の法人化を考えている人とって、大きなメリットです。個人でFX取引をして得た所得は、雑所得に分類されます。雑所得は、性質上、他の所得と損益通算ができません。しかし、法人化するとFX以外の他事業と合算して利益を計算できるのです。FX取引を含めた事業で損失が出た場合でも、通算によって節税効果が期待できます。

1-5.決算期を12月以外に定めることができる

個人でFX取引をする場合は、個人事業主として申告が必要であるため、決算期が12月に固定されています。しかし、法人の場合は、決算期を12月以外にも定めることが可能です。このように説明すると、「決算時期はいつにしたらいいのか」と悩む人がいるかもしれません。いろいろな決算期の決め方がありますが、できるだけ会社としての出費が少ない時期に設定するといいでしょう。決算から2カ月経過する前に納税をする必要があるので、それも加味して会社の決算期を考えることが大切です。

2.法人口座のデメリット

次に、会社を設立してFX取引をする前に知っておきたい法人口座での取引のデメリットを2つ紹介します。

2-1.コストがかかる

法人を設立するためには、ある程度まとまった金額を用意しなければいけません。会社の形態などによって異なりますが、設立時のコストの目安は十万~3十万円ほどです。また、会社の登記手続きはお金だけでなく、時間もかかります。会社として運営していくために会計処理の委託をしたり、さまざまな機関に申請を出したりするのに一定の資金も必要です。法人化すれば、個人にはできない節税対策ができますが、法人ならではのコストがかかるので見極めが大切になります。

2-2.利益を自由に使いづらい

法人口座でFX取引をすると、資金の透明性を図ることが必要です。そのため、個人の取引とは異なり口座内のお金を自由に使えなくなります。法人口座でFX取引をすると個人取引用の場合と異なり、「自分の都合に合わせて自由にお金を手にできない」と覚えておきましょう。

3.レバレッジ規制について

2010年から2011年にかけてFX取引を行う個人口座に対して、レバレッジ規制が行われました。それまでは、何も規制されていなかったレバレッジですが、最大25倍にするように決められました。このとき、法人口座はレバレッジ規制の対象外となっていました。しかし、2015年1月のスイスフランショックをきっかけに、法人口座もレバレッジ規制の対象になりました。一部の海外FX会社がスイスフランショックの影響を受けて、倒産する事態に追い込まれたことを受けて、「FX会社を守る」などの目的で、法人口座に対してもレバレッジ規制が入るようになったのがその背景です。

まとめ

FXを法人口座で行えば、高いレバレッジで取引ができたり、損失を繰り越せる期間が長くなったりなどのメリットがあります。一方で、「思いのほか手間やコストがかかる」「FXの利益を自由に好きに使えない」といった点はデメリットです。「誰でも法人口座の取引をすればプラスになる」というわけではありません。「法人口座での取引に適しているのか」「資金力や時間に余裕があるか」などをしっかりと検討したうえで、判断しましょう。

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※ 本コラムは2022年6月27日現在の情報に基づいて執筆したものです。
※ 当社広告部分を除く本コラムの内容は執筆者個人の見解です 。

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