ご利用事例
- バーチャル口座
- API接続・BaaS
株式会社LIFULL Social Fundingさま
ブロックチェーン技術を活用して、不動産ファンドの新たな可能性を生み出す
GMOあおぞらネット銀行の法人口座をご利用いただいている「株式会社LIFULL Social Funding」さまに、当社サービスの採用に至った経緯や、当社サービスを実際に利用した感想についてお話を伺いました。
株式会社LIFULL Social Fundingさま
LIFULLグループ内唯一の金融子会社として、主に、空き家・空き地の利活用などを推進する事業や事業者様の資金調達支援などを行われています。
企業サイト:https://lifull-socialfunding.co.jp/
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株式会社LIFULL Social Funding 代表取締役社長 管理部長髙山 祐介さま
日本電産株式会社、株式会社ミスミを経て、2017年9月、株式会社LIFULL入社。同社のグループ経営推進本部 経営企画グループに属しながら、2019年6月より、グループ子会社である株式会社LIFULL Social Fundingの取締役管理部長も務める。2019年7月、同社代表取締役社長就任(現任)。
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株式会社LIFULL Social Funding 取締役
株式会社LIFULL 社長室 ブロックチェーン推進グループ長松坂 維大さま株式会社LIFULLのブロックチェーン推進グループ長として、不動産領域におけるブロックチェーン技術の応用やサービス開発などに関するR&Dを担当。その一環として、昨今は、空き家の利活用への投資における不動産セキュリティトークン発行(STO)スキームの実証実験などにも携わる。
<どんなビジネスをされているのか>不動産ファンド運用や不動産投資事業を通じて地域経済に貢献する
当社は、LIFULLグループ唯一の金融子会社として、約26,000社を数えるLIFULL HOME'S会員さま向けの法人融資事業や、「LIFULL地域創生ファンド」の運用事業などを展開。ファンドから資金(カネ)を投じ、LIFULLグループの持つ知見を提供することによって、地域に暮らす方々(ヒト)と遊休不動産(モノ)を有効に活用する仕組み作りを目指しています。
また、2020年からは、地域創生を目的に据えた不動産投資事業もスタートしました。
自社の資金で、地域創生事業に寄与する不動産に投資することによって、地域経済の活性化により貢献していきたい考えです。その一環として、今年3月には、システム開発のパートナー企業と協働し、不動産セキュリティトークン発行(Security Token Offering、以下STO)スキームの実証実験も実施しました。今後はこちらの検証結果を踏まえた上で、STOを利用した遊休不動産の小口化およびその流動性向上を目指していきたいと考えています。
<法人口座を開設したきっかけ>STOの実証実験において銀行APIの活用を検討
STOの実証実験を始めるにあたり、システム開発のパートナー企業からご紹介を受けたことが、GMOあおぞらネット銀行を知るきっかけとなりました。というのも、このたびの実証実験では、投資家の方がファンドへ入金をした際、スマートコントラクトによって不動産の持ち分をセキュリティトークンとして受け取れるという流れを実現したく、その仕組みとして銀行APIを活用できないかと考えたのです。
他行のサービスとも比較検討をしましたが、その中でも、GMOあおぞらネット銀行は銀行APIが豊富にラインナップされていることから、外部システムとの連携もしやすく、我々の求めていた要件がしっかり満たされていると感じました。加えて、API接続が無料であるという点も大きな魅力。導入に要するスピードやその都度の柔軟な対応も素晴らしく、安心してお任せすることができました。
<こんな風に使われています>取得した入金データをトークン分配のトリガーに
STOに対する投資において、トークンを入手するためには、まずスマートコントラクトをキックしなければなりません。そのトリガーとして、GMOあおぞらネット銀行の銀行APIを活用しました。具体的には、投資家からファンドの口座(振込入金口座:バーチャル口座)への入金があった際に、その入金データがトリガーとなり、セキュリティトークンの分配が行われるという仕組みになります。
なお、本実証実験を実施した背景には、昨今の不動産セグメントにおいて大きな課題である「空き家問題」が挙げられます。地域ごとに多くの空き家があり、それらをファイナンスすることが難しいという現状。一方で、地域に何かしらの形で貢献したい、地域を盛り上げたいといった方々は増えています。そういった方々に、地域へ投資していただけるような新たな仕組みをSTOによって作りだすことができれば、「空き家問題」や地域経済の抱える課題の解決に繋がるのではないか。このたびの実証実験は、そんなイノベーションの可能性を秘めた大きな一歩でもあると我々は考えています。
<利用されてみてよかったこと>実際に利用したからこそわかるユーザビリティの高さ
GMOあおぞらネット銀行の銀行APIは、テスト環境から本番環境に至るまで、開発フローを熟知された設計と機能が揃えられている印象を持ちました。というのも、API自体はどうしても裏側の仕組みになるため、ドキュメントベースであったり、コマンドベースであったりすることも多く、UIも作りこまれていないケースが少なくない印象があったためです。
しかし、GMOあおぞらネット銀行の場合は、UIも非常に使いやすく設計されていて驚きました。アイコンなども多用されており、直感的に操作できる点が素晴らしいです。実際に、開発を担当されたパートナー企業の方や、自社の経理担当からも、違和感なく使えているという意見が届いています。
また、担当営業の方をはじめ、サポート体制が非常に良いことも、実際にサービスを利用し始めたからこそ感じている魅力のひとつです。パートナー企業の方とGMOあおぞらネット銀行の担当者の方とで直接コミュニケーションをとっていただくことも多かったのですが、連携がとてもスムーズだと感じました。支障なく、テストから実装までをスピーディーに行えたことも、そんなサポート体制があったからこそだと感じています。
<今後の取り組み>これまでにないサービスの形が、銀行APIによって生まれ始める
銀行APIが世の中的に幅広く活用されていくことによって、これまでは銀行にお願いしていた金融機能を、事業者が提供するサービスに実装できるようになるのではないかと感じています。例えば、これまでは別々に進行していたサービスの流れとお金の流れを、同時進行で管理することも可能になるのではないでしょうか。不動産取引などは、まさに「契約」は「契約」、「入出金」は「入出金」と、バラバラになってしまっているのが現状です。しかし、本来であれば、そういった「権利の移転」と「決済」とを同時進行で完結できたほうが効率的であることは確かです。おそらくは、近い未来にそういったサービスとお金の流れが実現できるようになるでしょう。
今回の実証実験において、我々自身、そういった可能性を肌で感じることができました。
当社目線に置き換えても、そういった新たな仕組みなどは積極的に導入していきたいと考えています。現在は主に、入金データを取得するため参照系APIを活用していますが、資金移動を行うことができる更新系APIも活用すれば、よりサービス拡充につながると期待しています。GMOあおぞらネット銀行のサービスはもちろんのこと、他行のサービスも含めて良いものは積極的に取り入れていく。Webサービスにおける金融機能をバンドリングしていく上では、そのような姿勢も大切にしていきたいと考えています。
本インタビューは2020年5月に実施したものです。